高市早苗首相(時事通信フォト)
ロック調のイントロが流れるステージで、黒のロングドレスにジャケットを羽織った女性が両腕を顔の前でクロスさせている。演出のスモークが勢いよく噴き上がり、点滅を繰り返すカラフルな照明がより一層激しさを増すと、彼女は体でリズムをとりながら歌い始めた。スリットから脚線美をのぞかせて熱唱するのは、いまからおよそ9年前、総務大臣だった頃の高市早苗首相(64才)だ。
これは2016年の元日に放送された『十八番で勝負!! 新春!オールスター対抗歌合戦』のワンシーン。同番組を放送したフジテレビに加え、海外メディアも新首相誕生のニュースで同映像を使用したことで、多くの人の目に触れた。
「高市さんが“十八番”に選んだ曲は、大ファンと公言しているロックバンド『X JAPAN』の『Rusty Nail』という曲でした。カメラを指さしてシャウトしたり、サビのフレーズに合わせて涙を拭うポーズを決め、歌唱後に番組MCから、“完全になりきっていた”と絶賛されるほどのパフォーマンスでした」(芸能関係者)
ハードロックやヘヴィメタル好きとして知られる高市氏は、中学時代に自らバンドを結成。大学時代にはドラマーとして4組のバンドを掛け持ちし、プロ歌手のバックバンドを務めたこともあるほどの腕前を持つ。音楽への造詣が深いだけに、番組での歌唱には心残りもあるようだ。
「原曲はキーが非常に高く、高市さんはキーを下げて収録に挑んだんです。その影響からか、歌い出しの音程が不安定になってしまった。もっとうまく歌えたのにという思いもあって、“もう一度歌いたい!”と、ちょっとした後悔を感じているようです」(前出・芸能関係者)
政治家の堅いイメージからは遠く、親しみやすい高市氏の素顔はほかにもある。
「学生時代からバイクに夢中で、峠道を攻めたり、全国各地の海岸線沿いをツーリングしていました。愛車は『Kawasaki Z400GP』という硬派な中型バイク。国会議員になってからは“万が一のけが”を考慮して運転を控えていますが、バイク熱は冷めていないとか」(前出・芸能関係者)
首相就任の5日後にスタートした「外交ウィーク」でも、高市氏の存在感が光った。マレーシアで開かれたASEAN関連首脳会議や、アメリカ、韓国、中国との首脳会談をそつなくこなし、日本人らしからぬスキンシップと率直な交渉術に国民の期待感が高まった。
結果、外遊後の世論調査で高市内閣の支持率は82%に。政権発足直後の支持率としては、2001年の小泉内閣の88%に次いで2番目に高い数字だ。
「特に若者からの支持が高く、彼らの間で高市さんのファッションや持ち物、考え方などを真似る『サナ活』ブームが起きています。首相愛用の黒いバッグがかわいいと評判になり、メーカーに注文が殺到して納品まで半年待ちだそうです。記者会見で高市さんが使う、ピンク色の多機能ペンも空前の人気商品になっています」(前出・芸能関係者)
政権運営では、「もう一度」という失敗を起こさないことを期待したい。
※女性セブン2025年11月27日号
