詐欺グループは心理学を踏まえているから怖い?「いやいやいや」
ところが、このことをすぐSNS上にアップしたら、「怖いです。怖すぎます」とか「電話後、ニセ警察官が家に来てズカズカ上がり込んで来る場合もあるそうです」とか、私を心配してくれる書き込みがどんどん来たの。「電話番号と名前を知られたということは、住所も知られていると思って間違いありません」とかね。
人の恐怖心をあおって判断力を鈍らせるのが詐欺師たちのセオリーなんだけど、まっとうな人ほど、そのワナにはまっていくんだね。
最近の詐欺グループは心理学の勉強をちゃんと踏まえていて、ああ言えばこう返せというマニュアルがある。それで相手を追い詰めていくんだそう。
だから怖い? いやいやいや。どんなに完璧なマニュアルでも、それはこちらが応対したときのマニュアルでしょ? 「なんだ、こりゃ」と思って無言になったらどうするよ? 逮捕状が出ているとか、恐ろしげなことを言うに決まっているけど、それでもこちらが黙っていたら、不気味になるのは「刑事」の方。
それから、電話に出たら次は家に上がり込むというのも荒唐無稽よね。お金があるかないかわからない人の家に強盗罪を覚悟で押しかけるなんて、どこの世界にあるよ? かのヤミ金だって、「おお、いまから家に行くから金用意しとけ」と電話で言っても、実際には来やしない。人は費用対効果がないことは行動に移さないんだって。
ちなみに、知り合いのMくんのところにも警視庁捜査二課から電話がかかってきて、「いまお時間よろしいですか?」と言われた。なので「いま忙しいです」と答えたら、「わかりました」と切られて、それきりかかってこないそうよ。
年末にかけてこういう詐欺電話が増えてくると思うけど、「捜査二課」ときたらまず笑っちゃおう!
【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。
※女性セブン2025年11月27日号