もしも怪しげな電話がかかってきたら…?(写真はサンプルです)
誰もが特殊詐欺の被害にあう可能性があるこの時代。女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子氏の携帯電話にも、怪しげな電話がかかってきたという。オバ記者が、“詐欺電話”への心構えについてつづる。
「警視庁捜査二課のイトウ」を騙る詐欺電話
来たー! 今朝、起き抜けに「警視庁捜査二課のイトウですけど、名古屋で起きた事件の捜査線上に野原広子さんの名前が挙がっています。心当たりはありませんか?」という電話を受けた。
このところ、公私共に忙しいんだけど、登録していない電話番号から日に何度かかかってくる。でも一応は、電話を取る前に着信番号を見ることにしていて、このときは「+9」から始まっていた。090とか080でなく、+9とか+7から始まる電話は外国の回線を使っていて、ま、怪しいから「取ったらダメ」と私は決めているんだけど、このときはついうっかり、「はいはい」なんて出てしまったわけよ。
で、開口一番、「いまお時間は大丈夫ですか?」と丁寧な口調で言うから、「はいはい。大丈夫ですよ」と答えたら、「捜査二課」ときた! もうこの段階で噴き出しそうになったわよ。「何か思い当たることはありませんか?」と重ねて聞くからハッキリきっぱり「ありませんねー」と答えたら、「ではお聞きしたいことがあるので愛知県警の方にすぐに来ていただけますか?」と畳み掛けてきた。「はい、行きまーす」と私。ここ、ここが大きな分岐点なの。
私の趣味のひとつが、詐欺師を暴いていくYouTubeを見ること。ちなみに、警察官を名乗る詐欺は、「逮捕状が出るから、遠くの警察署まで急いで来い」というのが詐欺ストーリーのツボで、「そんな遠くまで行けない、どうしよう」と慌てるのをみて、「それなら特別にリモートで調書を取ってあげます」と親切なふりをして、その人の顔から家の中の画像までリモートで送信させる。相手の警察官が顔と警察手帳を見せるから安心してしまうんだけど、刑事の顔はAIで、警察手帳はニセモノ。その後、あの手この手でコンビニからお金を送らせる、という仕掛け。
つまり、元を正せば、「いますぐ行きます」と言ったら、詐欺は成立しないわけ。案の定、電話口の声はたちまち乱暴になって、「あのねー、あんた、熊本県阿蘇市ナンチャラカンチャラ」と謎の住所を読み上げ出した。「住所、間違いないスか?」と言うから、「違いますねー」と笑いながら答えたら、「あんた、ボケてるね」と怒ってガチャ! な、なんだとー!と怒る間もなかったわよ。ふん、ホンモノの警察官が携帯からかけてくるわけないんだって。
