田島さんは17年間皆勤を続けている(田島さん提供、以下本人写真は同)
大相撲の景色の一部に
17年間15日皆勤だという。相撲がある期間は早くから髪をセットし、着物で会場に行く。打ち出し後は中洲に戻って開店の準備をして、日付が変わる頃まで営業する。毎年11月はこれを17年間やってきたという。
「仕事がら夜が遅いので幕内土俵入りまでに身支度するのは確かに大変です。でも、楽しいから“よしっ!!”と気持ちを入れられます。15日間、集中!です」
そう笑顔で話す。15日間、毎日違う着物での観戦だが、どう選んでいるのかを聞くとこう話す。
「相撲観戦に限らず、日頃から着物は直前まで決めてません。お店では着ない大切な着物を初日や千秋楽に着る時はありますが、特にゲン担ぎはないですね。わりと前半は地味な色が多いですが、後半は華やかな色が多いような気がします。でも、特に決めていないです」
17年前は朝青龍、白鵬、日馬富士とモンゴル出身横綱全盛期だった。その後、鶴竜、稀勢の里、照ノ富士といった横綱が誕生し、豊昇龍と大の里の時代となった。年1場所とはいえ、なぜ17年間も毎日観戦を続けられたのか。
「まるで江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれるからです。土俵周りには昔から存在しているものしかないんです。土俵の土、俵、房、神様、塩、力士は現代の方がしない髪型の髷、呼出しの道具、行司の装束など、そこに機械的なものがないんです。それが心地良い。
そして、自分がその一部になっていることも心地良く感じるのです。“あなたは大相撲の景色なんですよ”と言われた時に腑に落ちると同時に嬉しさを感じました。なので、楽しく観戦しています」
九州場所は後半戦も土俵周りの華やかさが、土俵上の熱戦に花を添えることになる。
