始めは作業を覚えるのに苦労したという(YouTubeより)

始めは作業を覚えるのに苦労したという(YouTubeより)

「一度、ガソリンスタンドでの撮影で、めちゃくちゃ怒られたことがありました。ディレクターが『いい画を撮りたい!』と焦るあまり、トラックから降りて、すぐにカメラを回し始めちゃったんです。そうしたら、スタンドの店員さんに『挨拶もしないで勝手に始めやがって!』とブチギレられてしまって……。

 もちろん、その後しっかり反省会はしました。ただ、それくらい一瞬を逃さないように、僕らも本気で作っているんです」

──編集や演出でこだわっている部分はありますか?

「『等身大のドライバーの姿』を伝えることに尽きます。仕事の話だけじゃなく、プライベートな話も交えつつ、撮影用のよそ行きの顔ではない、ありのままの姿を伝えたいと常に意識しています。

 撮影は“1本勝負”です。例えば1日密着する場合、午前中の元気なうちに業務の話や段取りなどを聞いておきます。そして、あえて夕方、日が陰ってきたタイミングを狙って“熱い言葉”を引き出すんです」

トラックドライバーの魅力を高める

──中村さん自身も学生時代、東京から北海道までヒッチハイクをし、トラックドライバーに乗せてもらった経験があるとお聞きしました。

「そうなんです。あの時にお世話になった恩返しみたいな気持ちもあります。これまで70人近くのドライバーさんと話してきましたが、皆さん本当にいい顔をして働いている。ロケに行くたびに、『自分も負けてられないな』と思わせてくれる番組です」

──取材を通じて、改めて感じた業界の課題はありますか?

「やはり高齢化ですね。平均年齢が高い会社が非常に多い。若手が1人しかいないなんてザラです。これまでトラックドライバーという仕事は、『2024年問題』や人手不足、あるいは『長時間労働できつい仕事』といった、ネガティブな文脈で語られることが多かったと思うんです。

 この番組で職業としての魅力を高める切り口を提示できたことは、すごく意義があったと感じています」

(了。前編から読む

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