歯科医院のような設備を持つ部屋(米・下院監視委員会の民主党の委員によって公開された写真)
「買春の密売人」「知識の密売人」
ワシントンの政策通の間では「強い政権ほど亡霊に噛まれる」という格言がある。今、トランプ氏もまた“亡霊”に悩まされている。
トランプ氏とエプスタイン元被告が、“同じ富裕層コミュニティ”に属していたことは事実だ。だが、その先は闇である。
エプスタイン元被告から寄附金や支援を受けていた分野として浮上しているのが学界である。その象徴として糾弾されているのが、元ハーバード大学学長で元財務長官のローレンス・サマーズ氏(71)だ。サマーズ氏は財務長官時代から金融界に幅広い人脈を持ち、エプスタイン元被告とメールで頻繁に交信していたことなどが判明している。
その結果、サマーズ氏は大学講座を休講し、アメリカ経済学会から永久除名という異例の処分を受けた。ハーバード関係者は語る。
「エプスタインは『買春の密売人』であると同時に『知識の密売人』でもあった。事件発覚後、サマーズ氏は沈黙しているが、学生新聞などは徹底追及を続けている。サマーズ氏経由の“裏配線図”は、トランプ政権内でもまだ影響力を持っているはずだ」
“裏配線図”とは、世界の学者、投資家、科学者、政治家を密かにつなぐ資金・人脈ネットワークである。ワシントンのウォッチャーはこう語る。
「トランプ氏は、共和党内部にエプスタイン・ネットワークを利用している者がいると疑っている。エプスタインは死んだが、そのネットワークは生きている。トランプ氏は黒い手帳の中に自分の政敵がいると勘繰っているはずだ」
憶測は憶測を呼び、亡霊は肥大化する。膨大な未公開資料、沈黙する証言者、黒い手帳──。いま再び、何かが動き出す気配を感じるのは筆者だけだろうか。
◆高濱賛(在米ジャーナリスト)
