恐ろしい手袋(米・下院監視委員会の民主党の委員によって公開された写真)
著名人はどう扱われているのか
公開写真に登場する著名人について、米メディアは総じて慎重だ。
トランプ氏については、過去にエプスタイン元被告と社交的関係があったことは周知の事実だが、今回の写真が新たな違法行為を直接裏付けるものではない、という扱いが主流である。一方で、「なぜ距離を取れなかったのか」という倫理的・政治的批判は残る。
クリントン元大統領についても、エプスタイン元被告所有の航空機への搭乗歴が以前から報じられており、写真の再浮上によって再び注目を集めている。ただし、本人は違法行為への関与を否定しており、米メディアは疑惑と証拠を厳密に区別している。問われているのは主に説明責任だ。
アンドルー英王子は、米国よりも英国世論で厳しい評価を受けているが、米メディアでも「エプスタイン問題を象徴する人物」として言及されることが多い。写真は評判をさらに損なう材料となっているものの、新証拠としての位置付けには慎重だ。
総じて言えば、今回の写真公開によって、特定の人物が法的に新たに「責められている」わけではない。しかし米国社会では、「なぜ富と権力を持つエリートたちが、エプスタインという人物の周囲に集まったのか」という、より構造的で道義的な問いが改めて突き付けられている。
米主要シンクタンクの客員研究員は、次のように指摘する。
「これらの写真が象徴しているのは、個々の有罪無罪という問題以上に、富・権力・性的搾取が交差する空間に、エリート層が出入りしていたという事実そのものだ」
◆高濱賛(在米ジャーナリスト)
