「ガサ(家宅捜索)」に入った女性の勤務先であるキャバクラの外観
記事には女性へのインタビューも掲載されており、女性は当時の“恐怖体験”を生々しく語ってもいる。
「女性は、『気分を害すれば何をされるかわからないという思いがあった』と当時を振り返っています。記事によると、警察官にはそのキャバクラ店に元々なじみの従業員がいてたびたび来店していたようですが、女性を指名したことはなかった。それがその日に突然、女性を指名した上で、ガサ入れの現場に立ち会っていたことを明かしたそうです。警察官は女性にアプローチした上で、『全島に行こう』とも誘っている。女性は『勤務先まで知られていることが気持ち悪かった』と心境を明かしています」(同前)
「全島」とは、本島中部の沖縄市で開催される県内では有名な「沖縄全島エイサーまつり」という盆踊りのイベントのことだ。警察官からすれば何気ない誘い文句だったかもしれないが、女性にとっては絶対に逆らえない相手であり、勤務先も自宅も知られているという心理的な圧迫感もあっただろうことは想像に難くない。
前出の記事では、「捜査対象の自宅住所や捜査の状況を私的に利用して接触する行為は、捜査の過程で得た情報を不正に利用した可能性が高い」として問題視する専門家の見解も紹介されている。地方公務員法33条で禁じられている『職員の信用失墜行為』のほか、警察官の服務規程、さらには警察官という立場を悪用した『職権乱用』にも問われ得る行為だと厳しく断じてもいる。
そもそも、問題となっているこの警察官が関わっていた事件の内容からしても、捜査対象者に安易に接触した警察官の行動は、軽率との誹りを免れないものだったとの指摘もある。
「問題なのは、警察庁が新たな組織犯罪として取り締まり強化を打ち出していた『匿名・流動型犯罪グループ』、いわゆる『トクリュウ』が関わる大規模なヤミ金融グループによる事件の捜査の一環で起きたものだったということです。捜査は暴力団捜査を手掛ける組織犯罪対策課が主導しており、女性は、当時はまだ海外逃亡中だったヤミ金グループのトップの知人として捜査対象となっていた。いわば犯罪グループの中枢への捜査を行っている中で、その相手方に不用意に接触していたことになるわけです。捜査への影響を考えると、絶対に避けるべき行動だったと言えるでしょう」(前出・地元メディア関係者)
