ドラムセッションの様子(首相官邸HPより)
さらに高市氏は趣味を使って自分の領域へと李大統領を引き込んだ。サプライズに用意したのは両首脳によるドラムセッション。2025年10月に韓国を訪れた高市氏の趣味がドラムと知り、「ぜひ自分もやってみたい」という反応があったといい、高市氏へのお土産も韓国製のドラム。セッションではノリノリだったという李大統領が、高市氏とスティックを高く掲げる写真はいかにも楽しそうだ。この首脳会談でシャトル外交が復活したというから、高市氏の外交戦略はとりあえず成功したのだろう。
その高市氏が衆院の解散を決めた。現在の衆院議員はまだ任期の3分の1にも満たない状況で、公明党頼みで票を集めていた自民党議員や、連立を組んだ日本維新の会と競合する選挙区で戦う議員にとって不安は大きいはずだ。高い内閣支持率を背景に解散が決めたのだろうが、高市氏による「ハロー効果」はどこまで通じるのか。この効果はある対象を評価する際、それが持つ目立つ特徴に引きずられて、印象を過大に評価するなど評価が歪められてしまう心理的傾向をいう。選挙でわかりやすいハロー効果の例は、世間から支持されている党首と一緒に映ったポスター写真や、人気の高い大臣や議員による応援演説だ。
ここ最近の地方選挙などでは自民党が敗退することも多く、世論調査で高市氏を支持する人が自民党を支持するとは限らない。過去、高い内閣支持率があった政権では、支持層の年齢は高く、首相だけでなく閣僚等にも実力のある人気者がいた。小泉純一郎氏が首相の時代、第一次小泉内閣では塩爺として親しまれた財務大臣、塩川正十郎氏がいたし、官房長官には福田康夫氏がいた。第三次小泉内閣では安倍氏が官房長官だったし、安倍一強とまで呼ばれた安倍内閣では、菅義偉氏が官房長官を務めていた。首相によるハロー効果の後ろで、もう1つのハロー効果がそれをサポートし、選挙で自民党を勝利に導いてきたといえる。
だが高市氏の場合、その支持層はこれまでと違い若者が多い。閣僚で人気があるのは防衛大臣を務める小泉進次郎氏ぐらいだが、実力はまだまだ。高市氏のハロー効果が選挙で党への支持につながるのかは未知数だ。彼女の高い人気が衆院選選挙で自民党を勝利へ導くのか。結果は真冬の2月にわかるだろう。
