超々満員だったという清水ミチコの武道館ライブ(イラスト/佐野文二郎)
放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、2025年から2026年の“高田文夫の行く年来る年”についてお届けする。
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1月も10日を過ぎて世の中も動き出した。行く年来る年として市井のメモ。私のような者がこうして書き残しておく事が大衆芸能の資料として後に役に立つ(とは思えない)。
久しぶりにオープニングからすべて見た『紅白』。面白かった。女子グループがいっぱい居て誰が誰だか分からなかったが、思った通り「ちゃんみな」と「HANA」はぶっちぎりだったね。正月になるとさんま番組やらトーク番組にちゃんみなが出ていたけど凄いネ。子供もいるんだとさ。戦後すぐに生まれた身としては感動しかない。
そして私の大好きなTUBEが大盛りあがり。私なぞYouTubeが出てくるずっと前からTUBE派だから。今でもあー夏休みだ。もうすぐ人生ずっと夏休みって……、ほっとけ。
MISIAもグッと締めたネ。MISIAから眼医者、歯医者、みんな見ちゃった。
そして1月3日はもう12回目となる“清水ミチコIN武道館”。おせちとみっちゃんがこない事には正月もやって来ない。超々満員の“みっちゃん教”信者達。武道館のこの熱狂は18歳の時同じ席で見たビートルズ以来。中60年である。
客席を埋めつくす人、人、人。私の隣は宮藤官九郎(俗に「日芸センパイ・コーハイ」と呼ばれる下手な漫才師)「大丈夫か? “不適切”は明日放送だろ?」「大丈夫すよ。別に僕がVTR回す訳じゃないんだから」「そりゃそうだ。お年玉くれよ」「(無視)」。
右の並び見るとおっさんが嬉しそうにじゃれあっている。糸井重里と南伸坊だ。泉麻人が「“冗談画報”の僕の本読んだ?」「途中までな。アハハだけどあれは凄い」。後ろの席から「ホラ始まるわよ」。見ると阿川佐和子。みんなときめいている。
オープニング、いきなりVTRでミッちゃん扮する高市早苗と小池百合子の罵倒合戦。今年ゃ馬の年だから「罵」の字がいいんだネ。途中MISIAまで出てきて、ふたりで熱唱。ぜいたくが過ぎるってもんだ。清水はなんと初挑戦の「竹内まりや」まで披露。しびれたね。
『ラジオビバリー昼ズ』(ニッポン放送)の方は吉例イッセー尾形が第一発目のゲスト。毎回ラジオドラマの脚本を書いてきて、いきなり私と松本明子とイッセーでぶっつけ本番。音響効果もその場でいきなりだ。ドラマ用の生の時間は30分くらいなのにいつも1時間分筆を走らせて来ちゃう。今年はなんと「三銃士」を演じた。リスナーは大喜びだったが私は演者として手応えはない。みっちゃんが12年目なら「イッセーvs私」はもう15年近い。いいのかこれで。
私の番組も37年である。私が“喋る原稿用紙”で書く喋るの二刀流の内はこの業界の先輩達(青島幸男、永六輔ら)も喜んでくれるだろう。
※週刊ポスト2026年1月30日号
