ヤンキー時代の”マブダチ”スリーショット(インスタグラムより)
朝ドラは「実話ベース」でヒット連発
ただ、実話をベースにした作品は、入口としての話題性が高く、リアリティを感じさせられる一方で、ある程度ネタバレされた物語となるだけに、増えすぎるのも考えもの。1クールで2~3本程度に留まるほうがベターでしょう。
実話ベースのオリジナルと言えば、朝ドラを思い出す人が多いかもしれません。朝ドラは現在放送中の『ばけばけ』が小泉八雲・セツ夫妻をモデルにしたフィクションであるように、実話ベースのオリジナルを手がけてヒット作を量産してきました。
これは朝ドラという放送枠と戦前戦後の実話をベースにした物語の相性がいいからであり、今春スタートの『風、薫る』、今秋スタートの『ブラッサム』も同様の方針が予定されています。少なくとも数年間はこの傾向が続いていくのでしょう。
一方、民放各局は平成・令和のドラマティックな実話をベースにしたオリジナルを手がけていくことが濃厚。特に今冬、『ヤンドク!』『夫に間違いありません』が放送されている休日明けの月曜夜は落ち着いて見られるドラマが好まれ、信頼性や安心感などでリアリティの担保は重要と言われています。
その点、『ヤンドク!』は「モデルの女性医師と主人公の過去や医療技術がかなり近い」と言われるなどリアリティは高水準。もっと積極的にPRしたほうが関心を高め、そのリアリティを感じさせられるでしょう。
実際、まだ元ヤンキーの女性医師という設定を聞いて「漫画原作なんでしょ?」と誤解している人も多いのがもったいないところ。「モデルの女性医師が望まなければPRできない」という事情もあるのでしょうが、せっかくのリアリティをどのように伝え、視聴につなげていくのか。今後、実話をベースにしたオリジナルの成否を分ける鍵になるのかもしれません。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』『どーも、NHK』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。
