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【黒木華】に関するニュースを集めたページです。

過保護な毒母の娘 「腹減ったら食事していい」がわからない
近頃、様々な映像作品などで題材にされることが多い“毒母”。2019年7月期放送のTBS系ドラマ『凪のお暇』では、黒木華演じる主人・大島凪を言葉でコントロールする母・夕(片平なぎさ)が登場する。一方で、2017年放送の日本テレビ系ドラマ『過保護のカホコ』には、高畑充希演じる主人公を徹底的に甘やかせる母親が登場した。 東京都の石田久美さん(48才・仮名)は、“毒母”によって育てられていたことに、社会人になってから気づいたという。「周囲からは箱入り娘に見えていたと思います。実は過保護な母があらゆるものを先回りし、私は正常に育っていなかったのです。食事にはじまり、着るもの、趣味、将来の夢、自分の性格、気持ちもすべて母が“設定”していました。『もっと喜びたいわよね』『泣いたら恥ずかしいと思わなくちゃ』『あなたは甘えん坊なのよ』『猫より犬が好きよね』と、全部を決めつけて諭すんです。幼い頃からそれが当たり前だったので、自分の体調や感情すら自分で判断できなくなっていた。すべて受け身でした」(石田さん・以下同) 交際する男性に対してもそうだったという。「私のことを好きだというから、母みたいにしてくれるんだろうとだけ思っていて、私は相手を好きかどうかわかりませんでした。 また、20代の頃、残業中に上司から“朝からずっと会社にいるのに、なんで食事をとらないの?”と言われて初めて、自分がおかしいことに気づいた。“指示されなくても、お腹がすいたら食事をしていい”というのが本当にわからなかったんです」 過保護な母は、自分がいないと生きていけない“赤ちゃん”を手放したくないために、娘を“お人形”にしてしまう。満たされない承認欲求を娘で補おうとする『過保護のカホコ』の泉ママを彷彿とさせる。※女性セブン2019年11月21日号
2019.11.10 16:00
女性セブン

なぜ、「毒母」を題材とした映像作品が急増しているのか
昨年『万引き家族』でカンヌ国際映画祭のパルムドールを受賞した是枝裕和監督がメガホンを取った映画『真実』が公開中だ。物語はフランスの国民的大女優が自伝本「真実」を出版したところから始まる。それを読んだ娘が、本来はわがままで尊大な母の、嘘だらけの美談にあきれて母を問いただす。だが、母は笑い飛ばすばかり。「ママ、これのどこが“真実”よ! 私を家の外に閉め出したことを忘れてデートに行ってたじゃない」──。 近年、“毒親”“毒母”といった言葉をよく耳にするようになった。暴力や育児放棄といったわかりやすい“虐待”でなくとも、過度な干渉や身勝手なふるまいで子供を傷つけ、支配しようとする親も、子供にとっては有害だという事実が、広く知られるようになったのだ。 明らかな虐待行為とは一線を画すものであることや、「親は感謝すべき存在」という旧来の価値観で隠れていた問題が、徐々に浮き彫りになってきたといえるだろう。“毒親”の概念に触れて、「自分だけではなかった」と共感する人が続出しているのだ。母娘関係専門カウンセラーの高橋リエさんが指摘する。「最近、『毒親後遺症』ともいうべきトラウマに悩まされる女性が増えています。母親と電話するだけで動悸がする、実家に行くと必ず体調が悪くなる、ママ友や目上の女性に苦手意識を持つケースも。親の影響というのは、非常に大きいのです」(高橋さん) そうした世相を反映してか、このような“毒母”を題材とした映像作品は2017年頃から急激に増えている。「嫌い。嫌い。お母さんがずっと。罪悪感あおって言うこと聞かせようとするところとか、外ではいい人ぶるところとか、自分もできないようなこと、私に期待するところとか、嫌い。だけど、お母さん、かわいそう。独りぼっちだから。(中略)ごめん。私、お母さんのためには生きられない。自分で何とかして──」 7~9月に放送されたドラマ『凪のお暇』(TBS系)もその1つ。「空気を読む」ことに疲れた28才OLの大島凪(黒木華)が、職場も恋人もSNSもすべて投げ出し、新たな人生を再出発させるまでを描いた物語で、毎週のようにSNSでトレンド入りするほどの人気を博した。 冒頭は、不満を爆発させた娘の凪が、母親の夕(片平なぎさ)に放ったせりふだ。凪の母は、娘を言葉でコントロールしてきた。台風被害に遭った実家を見舞った凪に修理費用の支払いを求める場面でも、見積書をこれみよがしに見せる。「あ、いいのよ、凪は心配しなくて。あちこちに頭を下げてなんとかお金を借りて、一生懸命働いて少しずつ返していくから、大丈夫…」 娘に罪悪感を植えつける言葉の効果はてきめんで、凪は夢のために貯めていたお金を母親に渡してしまう。 トウモロコシが苦手で食べられなかった幼い凪を前に、母が大量のトウモロコシを捨てるシーンも印象的だった。「凪が食べないからトウモロコシが死んじゃった。お母さんやおばあちゃんが大切に育てたトウモロコシなのにね」 ネットでは《これは“毒親”だわ》《自分の“毒母”を思い出して吐き気がした》などの書き込みが相次いだ。 高畑充希が主演して話題となった『過保護のカホコ』(2017年、日本テレビ系)の主人公、根本加穂子は母・泉(黒木瞳)や父・正高(時任三郎)から徹底的に甘やかされて育つ。送迎や弁当作りはもちろん、洋服選びのほか、就活や恋もすべて親の言いなりだった。 どの物語でも、娘たちが“被害”を訴える一方で、「あなたのため」と懸命に育ててきたはずの娘に“毒母”と罵られて戸惑う母の姿も描かれる。本当はお互いを愛したいのに、それが人生に暗く長い影を落とすのだ──。※女性セブン2019年11月21日号
2019.11.07 16:00
女性セブン

『凪のお暇』は高橋一生の複雑な魅力を再発見する作品だった
3か月の長丁場となれば、ひとりの俳優の魅力だけで視聴者を惹き付けるのはやはり難しい。いわゆる総合評価が極めて高かったのが『凪のお暇』。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。 * * * 今期話題のドラマ『凪のお暇』(TBS系金曜夜10時)がとうとう最終回を迎えました。まずは凪を演じた黒木華さんの演技が素晴らしかった。ふんわりと柔らかく綿飴のような人格の中に強い芯を隠し持った凪を見事に演じ切りました。 そしてやはり、総括としては「高橋一生」。この役者の不思議さについて、あらためて確認することになりました。他の人には置き換えられない、この人にしかできない役というものがあるのだな、と感じた視聴者も多かったのではないでしょうか。その意味でも、「高橋一生の魅力を再発見する」作品だったように思います。 高橋一生が演じた我聞慎二は、モラハラ気質。凪とつきあっていた時は彼女を奴隷のように見下しののしってばかり。一方、フラれた後は諦められきれずに凪を追いかけ、自分の思いが伝わらずに顔をクシャクシャにして泣きじゃくる。しかし仕事場では一見スマートに業務をこなし部下に的確に指示し、営業実績を上げていく。 という、いわば異質な性格が一人の中に混在している難しい人物。相手が誰かによって性格もスイッチしていくという役柄です。そんな慎二を演じるには一筋縄ではいきません。 特に、「自然に」演じるあたりがポイント。風変りで極端な人格を、周囲に溶け込ませ気づけば慎二という人の存在が自然に見えてくる力業。これは高橋さんにしかできない芸当かもしれません。「余人をもって代えがたい」という印象です。 だからこそ、よけい気になったのが前クール『東京独身男子』(テレビ朝日系)の時との大きな「違い」です。『東京独身男子』ではエリート気質の独身銀行マンを演じた高橋さん。スペックの高い二枚目という役が、スベりにスベッて見えました。演じているご本人もフィットしないのかノリが悪いのか、居心地悪そうで集中力が足りない風にすら見えました。もはや人気役者の勢いもこのあたりで打ち止めか、と感じた視聴者もいたはず。 ところが。 今回の演技のノリといったらどうでしょう!! 不死鳥のように息を吹き返しグイグイ視聴者を惹き付けて最後まで離さなかったのだから、すごい。 過去作品を振り返っても、高橋さんは「普通とはほど遠い人格」の役になると、必ずといっていいほど光を放ってきました。例えば『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)の引っ越し屋・佐引穣次は、金髪のねちねちしたイジメ野郎で、よくぞここまでひねくれた冷淡な性格を演じられるなという演技で際立っていました。『おんな城主 直虎』(NHK)の小野但馬守政次役では、屈折したツンデレキャラを貫き、圧巻の処刑シーンは「政次ロス」を巻き起こしました。『カルテット』(TBS系)の家森諭高役は、理屈っぽくてこだわりが強く、唐揚げにレモンをかけることを否定する独自理論を展開して話題に。いずれもハマリ役でした。 複雑で多面的で一筋縄ではいかない人物をやらせるとムチャクチャ輝くという希有な役者。高橋一生さんに、平凡というものを求めてはいけないのかもしれません。 さて、今回の作品ではもう一人、高橋さんの個性を輝かせたあの人の存在も忘れてはいけません。そう、安良城ゴンを演じた中村倫也さんです。表情を崩さず一定に保ち、セリフは低音で抑え目、何でも受け入れていく肯定性と生きたいように生きる自由をまさしくゴンが体現していて、慎二とゴンの鮮やかな対比を浮かび上がらせてくれました。 中村さんは演技プランや狙いをもってしっかりと役作りをして相手の個性を際立たせる、役者としての凄さも感じさせてくれました。 変人をやらせたらピカ一の高橋さんが、よき相棒に恵まれた今回の作品。役者の力量とともにキャスティングの妙、脚本、演出、音楽、すべてが美しいハーモニーを奏でたドラマだったと言えるでしょう。
2019.09.21 16:00
NEWSポストセブン

中村倫也、「3日も休むと、演技の勘が鈍る気がして不安に」
「好きになったら危険な男」から一転、本当の恋を知らなかったゴンが初恋を知ってしまう──。最終回に向けて、ますます盛り上がりを見せるドラマ『凪のお暇』(毎週金曜、22時~、TBS系)。魅力たっぷりにゴンを演じてきた中村倫也(32才)に、ドラマの話からプライベートまで直撃! 「素顔、わかるかな…?」と、ふふっと笑う姿はゴンと重なって見えた。 天性の人たらしのゴンを演じて、新たな魅力を開花! “カメレオン俳優”という代名詞がつくほど、さまざまな役を演じて人気を不動のものにしているが、ここ数年の目まぐるしい環境の変化について「自分が追い付いていないと感じることもある」と胸の内を明かす。「ぼくの知らないところで評価していただいたり、カッコいいと言っていただくのは、本当にありがたいこと。でも、そういう世間の反応と自分自身の間に、埋まらないギャップがまだあるんです。役者という仕事に対して、不安を感じることもありますよ。ある程度のところまで泳ぎ続けないと、潮に流されたり、溺れてしまう職種ですし…。3日も休むと、演技の勘が鈍る気がして不安になるから、今は凪(黒木華・29才)のような“お暇”はいらないかな(笑い)」 ヒロイン凪と元彼の慎二(高橋一生・38才)、ゴンの恋の三角関係は、いよいよクライマックスに突入!「ゴンの恋愛の仕方って、ややこしいですよね。大人になっていく過程でみんなが通る初恋や失恋という道を、ゴンは通らなかったんですよ。だから30才を過ぎた今になってできた“初恋の相手”に、しどろもどろになってしまう。その姿はもどかしいなって思います。ちなみにぼくは、結婚願望、バシバシありますよ(笑い)。へらへらしていられるような、楽しくてあったかい家庭が理想ですね」 ゴンを演じる上で、こだわってきたことといえば…?「キスの仕方かな。キスをする時の雰囲気とか、ちょっとした手つきといったディテールに、その人の個性が出ると思っているので細心の注意を払いながら演じています。ゴンらしいキスは、“ふふっ”て笑顔になるのがいいかなぁと。あとは、ぼくよりみなさんの方が想像できると思うのでお任せします(笑い)」【中村倫也 解体新書・パーソナル編】――ニックネームは?「特にないんです」――カラオケの十八番は?「ないです!」――今いちばん欲しいものは?「なんだろう…? 安定!?(笑い)」――あえていうなら何オタク?「動物、サッカー、バナナマンさん」――占いは信じる?「信じない」――スポーツの経験は?「サッカー。小学校に入る前からはじめて、小学生からはクラブチームに入っていました」――憧れる同性のタイプは?「子供みたいなおっちゃん」――香水はつける? つけない?「うーん。基本はつけない」――入浴時間は長い? 短い?「季節によります。夏でも湯船に入りますけど、冬の方が長い。長い時には1時間くらい入ります」――子供の頃はどんな子だった?「怒られそうになったら、わーって泣いてごまかしてました(笑い)」【中村倫也 解体新書・LOVE編】――告白は自分からがいい? 相手からがいい?「どっちでもOKです」――好きな人には何と呼ばれたい?「なんでも(笑い)」――片思い、最長の期間は?「えぇ!? 1年くらいかな」――好きな人に交際相手がいたら諦める?「関係ないですね! 気持ちは伝えます」――彼女と初デート、どこに行く?「週刊誌さんにバレないところ(笑い)」――結婚相手に求めるものは?「マナーがきちんとしている人」――好きな人に作ってもらいたい手料理は?「パスタ」――失恋の解消方法は?「ないでしょう。どうしようもないからね」――好きな人に言われて嬉しい言葉は?「なんでも嬉しいけど…なんだろう? 『足、長いね』とか?(笑い)」――恋愛=結婚? それとも別?「ぼくは結婚したいな…と思える相手じゃなければ告白もしないし、つきあわないですね」※女性セブン2019年9月26日・10月3日号
2019.09.13 07:00
女性セブン

「金曜夜にOLの夢を叶える」夏ドラ3作、求められる結末とは
この夏クールのドラマが終盤へ差し掛かっているが、盛り上がっているのが「金曜夜」だ。この“枠”で放送されるドラマ3作品が、注目を集めている。クライマックスへ向けどのような結末が求められているのか、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが分析する。 * * * 9月に入って夏ドラマが終盤に突入する中、OL層から熱い支持を集めているのが、金曜夜に放送されている『凪のお暇』『セミオトコ』『これは経費で落ちません!』の3作。『凪のお暇』は、28歳のOL・大島凪(黒木華)が、仕事や人間関係をリセットする物語。未練タラタラの元カレ・我聞慎二(高橋一生)と、引っ越し先の隣人・安良城ゴン(中村倫也)との恋や、その他の住人たちとの心温まる交流を描いています。『セミオトコ』は、人とコミュニケーションを取るのが苦手なアラサーのOL・大川由香(木南晴夏)が、あるセミの命を救ったことから、美しい男性の姿になったセミの王子様=セミオ(山田涼介)と一緒に過ごすという物語。地味で冴えない人生が、純粋で優しいイケメンとの同居で幸せなものに一変するほか、同じアパートの住人たちを含めた楽しげな日々が描かれています。『これは経費で落ちません!』は、アラサーのOL・森若沙名子(多部未華子)が、経理という受け身の業務内容が多い部署で、営業、広報、企画、秘書などの他部署に毅然と対応していくという物語。さらに、営業部の社員・山田太陽(重岡大毅)から熱烈なアプローチを受けての社内恋愛も描かれています。 凪は家電メーカーの営業事務、由香は食品工場の社員、沙名子は石鹸メーカーの経理。いずれもOLである上に、イケメン2人から愛されたり、社内恋愛したり、頭ポンポンされたり。あるいは、一切のしがらみを断ち切る、新たな友人ができる、同じアパートの住人と仲よくなるなど、3人にはポジティブな出来事が次々に訪れます。 この3作は、まるでOLたちの「こうだったらいいのに」という願望を叶えるようなファンタジー。金曜夜の放送なのは、「一週間の疲れを癒してもらう」とともに、「うまくいかないことの多い日常を忘れてもらい、夢を見てもらおう」という狙いがあるからです。 ここまでの約2か月間、夢を見続けてきたからこそ、現在ネット上に飛び交っているのは、結末に対する期待の声。幸せな気持ちにさせてもらい期待値が高くなっている分、その締めくくり方を間違えると、大バッシングのリスクも高いのが、制作サイドにとっては難しいところです。 いったいどんな結末が求められ、何を間違えると尻すぼみになったり、バッシングを受けたりしてしまうのでしょうか?◆9月に入ったらファンタジーは終了 メインターゲットのOL層が最も求めているのが、さわやかなハッピーエンド。さんざん夢を見てきただけに、「後味の悪い結末で気分を台なしにされた」と感じたらバッシングは免れないでしょう。たとえば、『凪のお暇』は、凪がお暇を終わらせて人生を立て直し、空気を読まずに過ごせるようになる。『セミオトコ』は、由香が他人とのコミュニケーションをうまく取れるようになり、仕事にもやりがいを見つける。『これは経費で落ちません!』は、大きなピンチが訪れても沙名子の仕事ぶりは変わることなく、最後には太陽と結ばれる。 これらのさわやかなハッピーエンドを見せることで、多くのOLたちは「3か月間見続けてよかった」「癒しや元気をもらえてありがとう」という心境にさせられるでしょう。 ただ、あまり知られていませんが、そもそも夏ドラマは「全面的なハッピーエンドが似合わない」と言われています。一年で最も開放的な気分になり、長期休暇や花火などのイベントで盛り上がる8月が終わるころ、人々の気分は一変。夏の終わり特有の寂しさを感じたあと、忙しい日常に戻るだけに、8月までのファンタジーを引きずるような全面的なハッピーエンドはフィットしないのです。 制作サイドに求められるのは、「ファンタジーを終わらせて視聴者を現実に戻した上で、それなりのリアリティがあるハッピーエンドを見せる」こと。たとえば、『凪のお暇』は、凪が慎二とゴンのどちらも選ばず二人から愛され続け、やりたいことを見つけずお暇を続ける。『セミオトコ』は7日間で死んでしまうはずのセミオが生き続ける。『これは経費で落ちません!』は、会社を揺るがす大問題が勃発し、それを沙名子の力で解決。さらに、太陽から早くもプロポーズを受けて結婚する。 これらの「夢を見させたままドラマを終わらせてしまう」という展開は、かえって視聴者を醒めさせてしまうものであり、夏ドラマ終盤のムードに合いません。「気持ちよくさせておいたまま放置する」のではなく、地に足のついた結末が求められているのです。◆「いい気分転換になった」と思えるか? 残りの放送は、『凪のお暇』が3話、『これは経費で落ちません!』が4話、『セミオトコ』が2話。最後までヒロインの恋や仕事は大きく動き、9月末にはOLたちの間で「3つのうちどれがよかった?」という声があがるのではないでしょうか。 夏ドラマは、もともと学生も社会人も、夏休みを取る時期に放送されるため、「リセット」「リスタート」「リボーン」などのコンセプトで制作されるケースがよく見られます。 3作が終わるころ、3人のヒロインは新たな姿を見せてくれるでしょう。また、最終回を見終えたOLたちが、「ドラマを見たことで、いい気分転換になった。来週からまた新たな気持ちで頑張ろう」と思えるような結末を見せてほしいところです。【木村隆志】コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
2019.09.06 16:00
NEWSポストセブン

『凪のお暇』のゴンのような男性にハマる女子に一定の傾向アリ
《大島凪(おおしまなぎ)、28歳。ワケあって、恋も仕事もSNSも捨ててみた》という元キラキラOLをヒロインにしたドラマ『凪のお暇(いとま)』(TBS系)が注目を集めている。ヒロイン・凪(黒木華)は元カレに「お前は絶対、変われない」と言われ、婚活パーティーでは元同僚にマウントされ……そんな状況に置かれる女性の、恋愛事情や“傾向”も、ドラマから見えてくる。 エンタメに詳しいライターの佐藤結衣さんは、“だめんず”すぎるヒーローに注目している。「高橋一生さん(38才)演じる元カレ・慎二はスマートに見せかけて、不器用。モラハラちっくな発言をする時のヒリヒリした表情や空気感も、号泣シーンも、本当は凪が好きなのに……というのが感じられて、作中に登場するスナックのママ(武田真治・46才)じゃないですが“バカね”って突っ込みながら見る楽しさがあります。 中村倫也さん(32才)演じる人たらしのゴンは、けだるそうにしていても色気が漏れている。今が旬の俳優さんならではの説得力がある。どっち派かで盛り上がれるのもポイントですね」 同ドラマのプロデューサーである中井芳彦さんは慎二を「恋愛ドラマ界のニュータイプ」と表現する。「『東京ラブストーリー』の優柔不断なカンチ(織田裕二)とか、『ロングバケーション』でヒロインをぐいぐい引っ張っていく瀬名(木村拓哉)とか、これまでいろいろなタイプが誕生してきましたが、慎二は過去のどれとも違う。 ひどいやつに見えるのに、凪が愛しくて歩きながら号泣する一面もあって、恋心を表現する方法がずれている。 ひょっとしたらいちばん近いのは『101回目のプロポーズ』でトラックの前に飛び出すことでヒロインに愛を伝えようとした達郎(武田鉄矢)かもしれません」(中井さん)『貧困女子のリアル』(小学館新書)などの著書がある沢木文さんによれば、ゴンのようなタイプにハマる女子には一定の傾向があるという。「大手企業を辞めた女子がバリスタにぞっこんになったり、ハイスペック女子が不倫相手にゴンタイプを選ぶ傾向はあります。仕事では形と数字にできることしか褒められないけれど、ゴンは優しさやかわいげなど目に見えないものも褒めてくれる。 凪は形や数字を捨てたことで、目に見えない価値を手に入れた。もし凪が“捨てて”いなかったらゴンになびかなかったと思います」(沢木さん)※女性セブン2019年9月5日号
2019.08.30 16:00
マネーポストWEB

都心の1LDKより郊外ボロアパートのほうが“ユートピア”なのか
恋と仕事、SNSのない「3ナシ生活」を始めた元キラキラOLを主人公にした話題のドラマ『凪のお暇(いとま)』(TBS系)。SNSで「人並み以上」であることを発信したり、背伸びする生活をやめたヒロイン・凪(黒木華)に、世の女性たちの共感が集まっているのだという。 凪は都心の1LDKマンションから、郊外の6畳エアコンなしアパートに“都落ち”したわけだが、慎ましい暮らしに魅せられる人も少なくない。同ドラマプロデューサーの中井芳彦さんが語る。「年配の男性から達筆なファンレターをいただいて、“凪を見ていると、何十年前の自分を思い出します”とありました。ほかの作品では、まずない反響です」 凪をはじめ、生活の工夫をして悩みながらも楽しげにアパートに住む面々は、どこか懐かしさと温かさを感じさせると、エンタメに詳しいライターの佐藤結衣さんは続ける。「高度経済成長期以降は、みんな“持つ”ことに幸せを投影してきましたから、“失う”ことに恐怖を感じてしまう。でも凪が一旦全部捨ててから本当に大切だと思うものを部屋の中に集めていく姿に、私たち自身の大事なものも見つけていけるんじゃないかと思えるんです。 これから“手に入れる”若い人だけでなく、子育てや仕事が一段落して手放していく世代も自分を重ねやすいのかもしれません」 老後資金2000万円問題で揺れる私たちにとってもボロアパート「エレガンスパレス」は現代の“ユートピア”なのかもしれない。※女性セブン2019年9月5日号
2019.08.28 16:00
マネーポストWEB

『凪のお暇』、彼氏も仕事もSNSも捨てた「3ナシ生活」が共感されるワケ
《大島凪(おおしまなぎ)、28歳。ワケあって、恋も仕事もSNSも捨ててみた》。“人生の断捨離”から始まる夏ドラマ『凪のお暇(いとま)』(TBS系、毎週金曜22時~)が注目を集めている。彼氏もおらず、仕事もせず、狭いアパートで豆苗を育てているモジャモジャ頭の女に、どうしてこんなに“いいね”がつくの──!?《楽しくなくても周囲に合わせて“わかる~”と笑っちゃう凪の気持ちこそ、本当に“わかる”》《仕事も彼氏も失ってかわいそうなはずの凪が、なんだかうらやましい》『凪のお暇』が今、世の女性たちを熱狂させている。エンタテインメント誌『コンフィデンス』のドラマ満足度ランキングでは、第3話の時点で100pt満点中99ptと、2019年に放送されたドラマの最高満足度を記録した。 しかし、だ。客観的に見てみると黒木華(29才)演じるヒロイン・凪の暮らしぶりは、かなりイケてない。職がない。住んでいる6畳ボロアパートにはエアコンもない。伸ばしっぱなしのもじゃもじゃ天然パーマにTシャツ姿。出てくる男はだめんずばかり。 もともと凪は、都心の会社で営業事務として働くキラキラ系OLだった。ストレートヘア×女子アナ風ファッションで彼氏はイケメンエリート営業マン、同僚と連れだっておしゃれランチに行っては、SNSに「いいね!」を押す日々。 しかしそれは「空気読んでこ」という強迫観念と過剰な努力によって成り立っていた。あることを機に過呼吸で倒れてしまった凪が「しばしお暇いただきます」と人生のリセットを図るところから物語は始まる。 著書に『貧困女子のリアル』(小学館新書)などがある沢木文さんは、「『凪のお暇』にはSNS転換期を迎えた現代社会の縮図が表現されている」と分析する。「一昔前の結婚市場では女性はかわいく、男性は三高であれば引く手あまたでした。しかし現代では、女性はキャリアを持ちながら出産し、男性も三高に加えて育児に協力的であることが求められる。 そこまでやってはじめて“人並み”と認めてもらえるのです。もちろん、パワハラやモラハラをしないことが前提です。加えてSNSでは『自分は人並み以上』と発信することが恒常化しています。しかし、そんな煩わしさにみんな“そろそろやめたい”と気づき始めている。 実際、若手俳優の池松壮亮さん(29才)はある男性誌のインタビューで『LINEを退会した』と明言。SNSと距離をとる人は増えています」(沢木さん) ドラマには同僚同士でマウントし合う様子も描かれる。「女性のマウントは外見から始まって、彼氏の有無や結婚、結婚したら夫の仕事、子供がいるか、いるならその子の学校、就職先と延々続く。 最後は90才で歩けるかどうかというような健康状態にまで及びます。そんな“切りたいけど切れない”マウントの連鎖を絶った凪は、“現代のジャンヌ・ダルク”といえるかもしれません」(沢木さん)◆ゼロになる難しさに共感の嵐「原作の漫画を上司にすぐに渡して読んでもらい、その2時間後には出版社に映像化の交渉をしていました」 と語るのは、同ドラマプロデューサーの中井芳彦さんだ。「通常のドラマの導入部は、“何かを抱えた主人公が○○になる”というストーリーが多い。ですが、凪はもともと持っているものを捨てるために奮闘する。困難な道を進むヒロインが斬新に見えて、応援したくなるのかもしれません」(中井さん) しつけが厳しすぎた母、「お前は絶対、変われない」と言う元カレ、婚活パーティーでマウントしてきた元同僚……確かに、なかなか凪は捨てることを許されない。 エンタメに詳しいライターの佐藤結衣さんが言う。「凪が距離を置こうとした、一見すると意地悪な人でも、そうなる理由があったり、生きづらさを抱えていたりしている。誰も特別じゃないし、間違ってもいない。“捨てられる”側の心理や生きづらさがきちんと描かれるのもこの作品の魅力だと思います」※女性セブン2019年9月5日号
2019.08.26 15:00
マネーポストWEB

『HEAVEN?』でも苦戦する石原さとみは「被害者」なのか
前作の評価には悔し涙を流したと言われるだけに、新作への思いは並々ならぬものがあったはずである。女優として彼女自身の“人気”を疑う人は誰もいないだろう。しかし……。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。 * * * 石原さとみ主演のドラマ『HEAVEN?~ご苦楽レストラン~』(TBS系火曜午後10時)が苦戦しているもようです。スタート時こそ二桁発進。しかし直近の視聴率は下降気味で7%台が続いています。 という流れを受けてか、「石原さとみ離れ」を指摘する記事が出ると、「脚本が悪い」「あの演出がダメ。石原さとみは被害者」という意見も噴出。これほど反響があるのも、石原さんが話題の中心にいる人物の証、ということでしょう。 でもなぜ、石原さんのドラマの数字がいまいち伸びないのでしょうか? 何が足を引っ張っているのでしょう?『HEAVEN?』はたしかに脚本がベタで、演出も奇をてらい過ぎの観があります。例えば役者の顔の上にもう一つ亡霊のように顔が浮び上がり内面を独白といったCG処理の演出も、工夫のわりには効果なさそう。石原さん自身が「演出に納得がいかない」とおかんむり、という記事まで出る始末です。「石原さんが『視聴者に刺さっていないので、止めたほうがいいのではないでしょうか?』と進言したそうです」(「デイリー新潮」2019.8.13)。 火のない所に煙は立たない、ということでしょうか。しかし、低迷の理由は脚本や演出だけではなさそう。 もう一つ挙げるとすれば、それはまさしく石原さん自身の「自己演出の力」では? その反作用としてドラマが空回りしている、とは言えないでしょうか。 石原さとみさんという人物はエネルギッシュです。画面を通してビンビンとエネルギーが伝わってくる。やる気も躍動感もある。衣装を着替えれば、まるでファッション雑誌のグラビアです。キレイでかわいらしくて、視聴者の目を惹き付ける。女優としてのオーラも放っている。芝居感覚も十分で滑舌も良く、器用に役をこなす……となると、どうしても「石原さんがリードする」構図になりがち。演出家があれこれ細かく指図しなくてもいろいろと自分でできる。何となく「石原テイストのドラマ」にまとまっていくから、みんなが「石原さん頼り」「おんぶにだっこ」状態になりがちなのでは? 皮肉にも、自己演出に長けているその力が、石原さんという女優を空回りさせているとすれば残念この上ありません。 かつてつかこうへいの芝居『幕末純情伝』でアイドルの殻を破り、周囲を驚かせた石原さん。ドラマでも快進撃を見せた。幅のある演技が光ったのが例えば2014年の『ディア・シスター』。奔放さと無垢さ、アイドル的人物からボーイッシュまで、多面性を持つ役を演じ、女優としてぐんと伸びていきそうな期待を抱かせてくれました。 その後は『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(2016年)、『アンナチュラル』(2018年)と主演が続き、役柄もフィットして高評価。しかし、直近の『高嶺の花』(2018年)や今回の『Heaven?』のキャラは、どうにもピント外れで何だか一人相撲をとっているようにさえ見えます。 で、どうすればいいのか? あくまで思考実験ですが、今大好評のドラマ『凪のお暇』(TBS系金曜午後10時)で黒木華さんが演じる「凪」のような人物を石原さんが演る、というのはどうでしょう。 平凡でおとなしく目立たず、同僚にすぐディスられる。真面目で空気ばかり読んで周囲にあわせる。そんな自分がイヤなのに、なかなか離脱できない人。弱みを抱え地味に生き、全てを捨てようと試みても本質はなかなか変わることができない人──といった平凡の中の人生の格闘を演じるという手は? そろそろ派手な女王様キャラや校正者、解剖医といった特殊技能を持つ人物ではない、「ただの人」を石原さんに演じてみてほしい。肩書きも何もない現実の中で生きる地味な人を、妙な自己演出を封じ抑制して演じた時、石原さんがいかに輝くのか見てみたい。「成熟期」にさしかかった女優に、愛を込めてのエールです。
2019.08.17 16:00
NEWSポストセブン

『偽装不倫』など女性主役の連ドラ、“心の声”が共感のカギ
この夏、多くの話題のドラマが登場しているが、人気なのは女性が主人公となった作品だ。それらには共通したある演出があった。コラムニストのペリー荻野さんが解説する。 * * * ドラマ『偽装不倫』(日本テレビ系)の濱鐘子(杏)と、『凪のお暇』(TBS系)の大島凪(黒木華)、『これは経費で落ちません!』(NHK)の森若沙名子(多部未華子)、さらに前回、このコラムでとりあげた『ルパンの娘』(フジテレビ系)の三雲華(深田恭子)。各局の看板ともいえる女性主役ドラマに共通していることは何か。 それは彼女たちの「心の声」がひんぱんに聞こえてくることだ。『偽装不倫』の鐘子は、結婚してもいないのに既婚とウソをついて、美形カメラマン丈(宮沢氷魚)と恋愛モードに。飛行機で偶然、彼と目が合った瞬間、心の声は「イケメン!!」と叫び、未婚と言い出せなくなって「なんで私、ウソついた~!!」と後悔しまくり。とはいえ、なんだかんだで彼とお出かけすることになると「これがリア充ってやつですか~」と目にハートが浮かぶ勢いだ。 一方、『凪のお暇』の凪は、仕事も恋愛も失い、家具も捨てて引っ越した安アパートの隣人安良城ゴン(中村倫也)に接近され、困惑気味。危険な香りのゴンとコインランドリーでふたりっきりになると、心の声は「どうしよう。パーティーピープルと二人きり…」と逃げ腰になるのだが、ゴンの優しさに触れると「この恋の歯車、回っちゃダメなやつ!!」と自分を叱ったりする。『これは経費~』では、経理部の鉄の女のような森若が「だいたいの社員は、入社すると少しずつずるくなる…」と、心の声で言いながら、経費の管理に目を光らせ、『ルパンの娘』では泥棒一家の華が、恋人の刑事にバレないか心の声でハラハラを訴える。とにかくどのドラマもヒロインの心の声に笑わされ、泣かされるという構図である。 この構図はどこかで見たことが…と思ったら、それはマンガの世界だった。マンガにはセリフとともに登場人物の葛藤や決意といった心の声が文字で書きこまれる。マンガ原作のドラマはこれまでも多かったが、伝え方もマンガに近いドラマが増えてきたということだ。 思えば、マンガ原作のドラマ『義母と娘のブルース』では、「まずは確認」「これはどうしたことでしょう」などとヒロイン亜希子(綾瀬はるか)は独り言にしても何事も声に出し、心の声はわずかだった。今秋もスペシャルドラマ放送が決定した『渡る世間は鬼ばかり』に至っては「たかが嫁の分際で」とか「鬼婆なんてくそくらえ」とか、これは心の中で言うことでしょと思うこともポンポン口に出し、心の声はゼロ。愛憎丸出し。恐るべきドラマだ。 心の声型ドラマには、主人公に「今さら未婚と言い出せない」「本音を口に出すのが苦手」「私情でなく経理のルールから発言する」「泥棒ということは絶対秘密」といった事情がある。独身女性主役のラブコメということも共通している。 彼女たちがそれぞれの事情とどう向き合い、幸せになれるのか。泥棒の告白はともかく、人との距離の取り方や本音の出し方は、簡単ではない。恋愛がらみともなれば、なおさらだ。心の声は、ヒロインに共感する女性視聴者獲得の大きな武器になっているのである。
2019.07.31 07:00
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黒木華『凪のお暇』 傑作を予感させる9つの理由
いよいよ夏ドラマが船出している。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が注目する作品について言及した。 * * * 今期ドラマで「一推しの傑作」と言えそうなのが、黒木華主演のドラマ『凪のお暇』(TBS系金曜夜10時)。物語は…空気を読みすぎて生きづらい28歳OLの大島凪(黒木華)が主人公。彼氏の慎二(高橋一生)と結婚するつもりだったのに、凪のいない場所で「体の相性がいいだけ」などと言い放つ慎二。それを聞いてしまった凪は過呼吸で倒れ会社を辞め人生をリセット。貧乏アパート暮らしを始め隣人たちの風変わりなキャラクターに衝撃を受けて……。 このドラマが今期「一推しの傑作」と言える理由は、9つあります。1.女性視聴者の共感呼びまくり 冒頭に描かれたOLの凪の仕事風景に「まるで自分を見ているみたい」と共感者が続出。「凪は身を削って空気を読んでる。観てて辛くなる」「思い当たる所が多過ぎる」という視聴者が目白押し。多くの人々の「あるある」を刺激。 ただでさえ同調圧力が強いこの社会、特に女性の集団の場合、みんなと同じにしないと仲間はずれにされたり意地悪されたり。21世紀になっても変わらない陰湿なこの風土を、ドラマ第一話で逃げることなくきっちりと正面からリアルに描いて高い好感度を獲得。2.男性視聴者の共感ポイントも 女性だけでなく、男性視聴者も惹き付けられるこのドラマ。凪の元彼・慎二のモラハラぶりが、男性にとっては「あるある」ポイントの一つとか。 普段仕事で激しくしのぎを削っているサラリーマンが、プライベートにおいては優越感を与えてくれるか弱い彼女を欲しがるというありがちなパターン。常に自分がリードしたい、相手を支配したい、というモラハラ男ぶりを慎二が見事に体現。3.ドンピシャのキャスティング 何と言っても黒木華が光る。おどおどした従順なOLが、ヒッピー風爆弾娘へ。サラサラストレートヘアから天パーへと、性格だけでなく風貌も含め幅のある2タイプにするりと成りかわり、不自然さを感じさせない。役者としての力量を見せつけた。 元彼・慎二役に高橋一生、新たに出会った天然系男に中村倫也と、違うタイプをくっきりと対比させた配役も鮮やか。アパート住人の不思議な老女・吉永緑を演じる三田佳子の存在感もいい。鋼のような強さが垣間見える老女像は斬新。4.演出の工夫が効いている 思い切った演出が印象を刻む。例えば、凪が水の中に沈んでいく映像のフラッシュバック。当初ストーリーと直接つながらないアート的な挿入で、何を意味するのかよくわからなかった。しかしそれが過呼吸のシーンとつながり「空気を吸う」ということと関係している、とわかると、たちまち別の世界が見えてくる面白さ。そうした演出による妙味にも期待大。5.目が離せない、深い日常性 警察も医者も弁護士も殺人事件も出てこない。けれどぐいぐい引っ張っていく日常の中のドラマツルギー。心の揺れやブレ、迷いや恐れ、喜びを細やかに描き出すのはいわば日本のドラマのお家芸でこの作品はその王道を突き進みそう。6.漫画ファンを裏切らず巻き込む勢い 原作はコナリミサトによる同名漫画。人気漫画のドラマ化は、反発もつきもの。しかし第一回目が終わると「漫画の世界観をトレースした上で、良い意味で超えている」と原作ファンからも絶賛の声が。7.ソリューションの提示とヒーリング効果 前クールの『わたし、定時で帰ります。』にも見られた現象で、ドラマが提示した問いかけを視聴者が受けとめ、自分の生活を振り返り、解決策を探す-つまりドラマと視聴者のやりとりが生まれてきそう。「もうちょっと力を抜いて生きてもいい」「人生の選択肢はいろいろある」というアドバイスは、ストレスに負けそうな視聴者の心を癒やす。8.役者の新たな魅力を発掘しそうな予感 ゴン役の中村倫也が新境地を見せてくれそうな気配。凪をハグしたシーンでは胸キュン死が続出。役者たちの新たな側面や力を発見できそうなドラマは目が離せない。9.「空気は読むものではない、吸って吐くものである」-簡潔で深い哲学的テーマ 一回視聴したら次へと消費するのではなく、何度でも噛みしめ味わうことができるドラマには、物語の奥に思索や哲学が必須。 ──日常に生きる平凡な人々の感情の揺れを丁寧に克明に描き出した時、破壊力を発揮するのが日本のドラマ。凪のような人物は世の中に案外多いのかもしれません。どこにでもいそうな女性の冒険譚として大きくはじけるか? 今後の勢いに注目したいと思います。
2019.07.27 16:00
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夏ドラマ主演俳優 “男はアラフィフ、女はアラサー”の意味
今クールの夏ドラマに主演する俳優たちの世代には、ある特徴的な傾向が見られるという。昨今のテレビ局のドラマ制作に対する考え方を反映しているようで…。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 * * * 7月も下旬に突入して夏ドラマの過半数が出そろいました。下記にプライムタイム(19~23時)で放送されている新作ドラマを主演俳優の性別ごとに挙げていきましょう。 まず女優の作品は、上野樹里さん(33歳)主演の『監察医 朝顔』(フジテレビ系)、石原さとみさん(32歳)主演の『Heaven?~ご苦楽レストラン~』(TBS系)、杏さん(33歳)主演の『偽装不倫』(日本テレビ系)、深田恭子さん(36歳)主演の『ルパンの娘』(フジテレビ系)、黒木華さん(29歳)主演の『凪のお暇』(TBS系)、多部未華子さん(30歳)主演の『これは経費で落ちません!』(NHK)。 次に男優の作品は、大泉洋さん(46歳)主演の『ノーサイド・ゲーム』(TBS系)、反町隆史さん(45歳)主演の『リーガル・ハート ~いのちの再建弁護士~』(テレビ東京系)、三浦春馬さん(29歳)主演の『TWO WEEKS』(関西テレビ、フジテレビ系)、大森南朋さん(47歳)主演の『サイン ―法医学者 柚木貴志の事件―』(テレビ朝日系)、唐沢寿明さん(56歳)主演の『ボイス 110緊急指令室』(日本テレビ系)。 そのほとんどが、主演女優はアラサー、主演男優はアラフィフに偏っている様子がうかがえます。なぜテレビ局や放送の枠を越えてキャスティングの方針がこれほど偏っているのでしょうか?◆アラサー女優×コメディ、アラフィフ男優×骨太 その理由は、プロデュースや編成に関わる各局のテレビマンたちが、「現在最も幅広い世代に人気があり、安定した視聴率を獲得できるのが、女優はアラサー、男優はアラフィフとみている」から。 事実、初回視聴率は、『監察医 朝顔』13.7%、『Heaven~ご苦楽レストラン~』10.8%、『偽装不倫』10.1%、『ノーサイド・ゲーム』13.5%、『サイン ―法医学者 柚木貴志の事件―』14.3%、『ボイス 110緊急指令室』12.6%と2桁を記録。『ルパンの娘』8.4%、『TWO WEEKS』8.4%も1桁に留まったものの、ネット上のコメントには好意的なものが多く、まずは順調なスタートを切ったと言えるでしょう。 前回、「夏ドラマ、前代未聞のオリジナル作品0 人気脚本家も深夜帯へ」 でも書きましたが、夏は在宅率が低く、イベント中継などで放送が飛び飛びになりやすいなど、業界内で「夏枯れ」という言葉もあるほど視聴率が低迷しやすい時期。そのため、「原作のある作品をベースに」して、さらに「アラサーの女優かアラフィフの男優を主人公に据える」という2重の安全策を採っているのです。 もう少し掘り下げてみると、アラサー女優の主演作『Heaven?~ご苦楽レストラン~』『偽装不倫』『ルパンの娘』はコメディであり、『凪のお暇』『これは経費で落ちません!』もコミカルな要素を盛り込んだ作品。アラサー女優は視聴者に笑いをもたらす明るい演技を求められている様子がうかがえます。 一方、アラフィフ男優の主演作『ノーサイド・ゲーム』『リーガル・ハート ~いのちの再建弁護士~』『サイン ―法医学者 柚木貴志の事件―』『ボイス 110緊急指令室』は、いずれも骨太な世界観の作品。アラフィフ男優は視聴者に緊張感をもたらす重厚感ある演技を求めている様子がうかがえます。 つまり、各局ともに安定した成果をあげたいときは、アラサー女優×コメディ、アラフィフ男優×骨太の作品を選ぶ傾向が強くなっているのです。◆「初主演がいない」現実に漂う寂しさ さらに、安定した成果を出すための戦略として、アラサー女優の主演作は、原作を大胆に脚色。アラフィフ俳優の主演作は、原作に忠実な制作姿勢を打ち出しています。『監察医 朝顔』の原作でヒロインの母が亡くなったのは阪神大震災でしたが、ドラマでは「東日本大震災で行方不明」という設定に変更。『偽装不倫』の原作はヒロインの相手役が韓国人で旅先も韓国でしたが、ドラマでは「日本人で旅先は福岡」という設定に変わっています。『Heaven?~ご苦楽レストラン~』『ルパンの娘』は、原作のイメージよりもコメディ路線に振り切るなど、「アラサー女優には、原作にしばられず伸び伸びと演じてもらおう」という姿勢が見えます。 一方、『ノーサイド・ゲーム』『リーガル・ハート ~いのちの再建弁護士~』『サイン ―法医学者 柚木貴志の事件―』『ボイス 110緊急指令室』は、「アラフィフ男優には、原作のイメージを大切にして演じてもらおう」という姿勢。ベテランは演技の計算が立ちやすく、原作ファンからの批判があがりにくいため、このような姿勢になりやすいようです。 ともあれ、ここまでキャスティングの方針が重なるのは、各局のマーケティング感覚が似ているからに他なりません。視聴者にとって「安心して見られる」のは良いことではありますが、「思い切ったトライも見たい」と思っている人も少なくないでしょう。数年前まで、「視聴率が獲りにくい夏は、ダメ元で思い切った抜てきをするチャンス」と言われていました。それだけに、今夏のプライムタイムで放送されている新作ドラマに「初主演が一人もいない」という現実に一抹の寂しさを感じてしまいます。【木村隆志】コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
2019.07.21 07:00
NEWSポストセブン

岡田准一&高橋一生 高校時代からよくキスをしていた
「恋人に対しては不器用に過剰になってしまうところはとても共感できます」。自身の役柄について、そうコメントしたのは、7月19日スタートのドラマ『凪のお暇』(TBS系)で、主人公・凪(黒木華・29才)の恋人・慎二を演じる高橋一生(38才)。慎二はとても空気が読める男だが、凪に対してだけは不器用。凪を思うほど嫌われてしまう逆走ぶりに、女性ファンはハラハラドキドキさせられそうだ。 そんな高橋がドラマより一足先にファンをざわつかせている。 7月13日放送の『サワコの朝』(MBS/TBS系)に出演し、高校時代からの親友であるV6・岡田准一(38才)との“赤裸々”エピソードを披露したのだ。2人は堀越高校の同級生で、毎日一緒に過ごし、高橋の家に岡田が泊まることもしょっちゅうの半同棲生活を送っていたという。先に売れっ子になった岡田がファンに囲まれると、高橋は「先に帰ってるから」と言って家で待っていたというから、まるで本当の恋人さながらだ。 あまりにも仲がよすぎるエピソードに、番組MCの阿川佐和子(65才)が「デキてたの?」とツッこむと、高橋は「デキてたんだと思いますよ」とはにかんだ。「岡田さんは所属するジャニーズ事務所で登山部を作っていますが、高橋さんが岡田さんを登山に誘ってから、岡田さんがハマったそうです」(テレビ局関係者) 仕事現場でも“ラブラブ”ぶりを見せていた。初共演となった2014年のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』での出来事だ。「岡田さんが殿で高橋さんが家臣という役柄でした。クランクアップのセレモニー会見では、出演者の何人かが岡田さんの頰にキスをする流れに。でも、高橋さんだけ、岡田さんの口にしたんです。2人は高校時代からよくキスをしていたそうで、本人たちは平然としていましたが、周囲は赤面していました」(ドラマ関係者) お互いに多忙を極める今も変わらず連絡を取り合っている。「最近、ご飯の約束をしたのに高橋さんが忘れてしまってドタキャン。それでも岡田さんは怒ることもなく、“じゃあ、いつにする?”という感じだったとか」(前出・テレビ局関係者) 次の共演が楽しみだ。※女性セブン2019年8月1日号
2019.07.20 07:00
女性セブン

新夏ドラマに「あえて笑われるビジュアル」増加、その狙いは
今季の夏ドラマには多くの話題作がラインナップされているが、そのビジュアルに最近のドラマの傾向を反映したある特徴が見られるという。それについて、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 * * * 7月に入って第一週から、夏ドラマの放送がスタートしています。 夏ドラマ全体を見渡したときに感じたのは、「エッ?」と驚いてしまうビジュアルの作品が多いこと。『ルパンの娘』(フジテレビ系)は、主演の深田恭子をはじめ、渡部篤郎さん、小沢真珠さん、栗原類さん、麿赤児さん、どんぐりさんが往年のアニメ『キャッツアイ』を思わせるレオタードのような衣装に身を包んでいます。『凪のお暇』(TBS系)の主人公・大島凪(黒木華)は、アフロヘアーのような天然パーマ。『セミオトコ』(テレビ朝日系)は、主演の山田涼介さんが“セミの王子様”を演じ、木につかまり、羽のように手をバタバタさせています。『Iターン』(テレビ東京系)では、古田新太さんと田中圭さんが敵対するヤクザの組長というコワモテ姿。『サ道』(テレビ東京系)では、原田泰造さん、三宅弘城さん、磯村勇斗さんがタオル一枚の裸でサウナを楽しんでいます。 その他でも、『ノーサイド・ゲーム』(TBS系)のメインビジュアルで主演・大泉洋さんの顔が泥だらけ。『Heaven?~ご苦楽レストラン~』(TBS系)の主演・石原さとみさんがオールバックの茶髪に赤のスーツに身を包んだバブリーな女性になりきるなど、インパクトの強いビジュアルが目立ちます。 夏ドラマの各作品は、なぜ「あえて笑われることを狙った」のようなビジュアルを前面に出しているのでしょうか?◆二度見、三度見させるインパクト 1つ目の理由は、やはり話題性。3か月ごとにリセットされてゼロからスタートする連ドラは、多少「あざとい」と思われても目立つことが重要であり、「何としてでも第1話を見てもらいたい」という思いがビジュアルのインパクトに表れています。 かつては、『101回目のプロポーズ』(フジテレビ系)、『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』(TBS系)、『世界の中心で、愛をさけぶ』(TBS系)、『1リットルの涙』(フジテレビ系)、『家政婦のミタ』(日本テレビ系)、『最高の離婚』(フジテレビ系)、『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)のように、タイトルのインパクトを前面に押し出すPRが目立ちました(今夏の『偽装不倫』(日本テレビ系)もタイトルのインパクトを押し出したこの系譜に入ります)。 しかし、2010年代後半に入ると、ネットの普及と進化によって「ビジュアルありき」のPRが増加。静止画も動画も「思わずシェアしたくなる」ものを押し出すPRが増えていましたが、とりわけ今夏はその傾向が突出しているのです。 深田恭子さんの「みなさん、(メインビジュアルを)二度見、三度見されるのかなと。かなり驚かれると思います」というコメントからも、「驚かせるくらいの強烈なインパクトで、主人公に興味を持ってもらおう」という制作サイドの意図がわかるのではないでしょうか。◆「重苦しいドラマではない」というアピール もう1つの理由は、「重苦しいムードのドラマではないよ」というアピール。 近年、「仕事から帰ってきて、重苦しいムードのドラマは見たくない」という視聴者が多く、実際「シリアスな作品は視聴率やSNSでの評判がふるわない」というケースが続きました。そうした視聴傾向を受けてシリアスな作品は減り、笑いを散りばめたコメディが年々増えています。 とりわけ仕事や学校のある平日のドラマにはその傾向が強く、さらに夏は「スカッと気分爽快」「カラッと明るい」作風が求められる季節。各局のスタッフが「むしろ笑われるくらいのビジュアルを見せたほうがいいだろう」と考えるのは自然なことにも見えます。 たとえば『ルパンの娘』は、泥棒一家の娘と警察一家の息子のラブストーリーですが、強烈なビジュアルによってコメディテイストが倍増。放送前から笑いを誘うことで、「重苦しい作品ではないから気軽に見てください」というメッセージを送っているのです。 ただ、当然ながらスタート後は、ビジュアルのインパクトではなく内容で勝負しなければなりません。各作品のスタッフたちにとっては腕の見せどころであり、「出オチ」と言われないために、話題性を高める脚本や演出を用意しているでしょう。【木村隆志】コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
2019.07.07 07:00
NEWSポストセブン

松田龍平と恋人・モーガン茉愛羅、野村周平を巻き込む修羅場
松田龍平(36才)が、人気モデルのモーガン茉愛羅(まあら・21才)と交際中であることが発覚した──。「ハッピバースデー龍平! ハッピバースデー龍平!」。高級住宅街の一角にある割烹料理店から、お祝いの歌声が鳴り響く。この日、5月9日は松田の36回目の誕生日だった。 店には友人のRADWIMPSのボーカル野田洋次郎(33才)や弟の翔太(33才)らに加え、龍平の元妻でモデルの太田莉菜(31才)、そして愛娘(9才)ら15人ほどが集っていた。「ケーキが運ばれてくると、店員も一緒になってバースデーソングを熱唱し、店中に声が響いていました。友人代表で挨拶をしたのは野田さんでしたが、視線を最も集めたのは娘さんでした。普段はパパに言えないこととして“たまごっちを死なせないで”“野菜もちゃんと食べて”と話し、みんなを爆笑させていました。これにはさすがの龍平さんも苦笑い。最後には全員で記念写真を撮りました。アットホームないいパーティーでしたね」(龍平の知人) その後、一行は二次会会場のバーへ。龍平は友人や娘と過ごせる誕生日を心待ちにしていたという。深夜2時過ぎまで祝杯をあげ続けた。 だが、そんな彼の態度にやりきれない怒りを感じていた女性がいる。この日の夕方、龍平は自宅マンションの前で、ある女性と修羅場を演じていた。「龍平さんと一緒にマンションから出てきた若い女性が、彼に向かって“気持ちの問題なんだよ”などと泣き叫んでいました。龍平さんは困った様子で、10分間ほどその場でなだめていましたが収まらず。彼はそのままタクシーで出かけていきましたが、残された女性はきれいな顔がだいなしになるほど声を上げて泣いていて、ドラマの撮影かと思うほどでした」(近所の住人) 龍平を問い詰めていたこの女性は、人気モデルのモーガン茉愛羅だった。父親がイギリス人、母親が日本人で、兄もモデルとして活躍中。『LARME』(徳間書店)などのファッション誌やCMを中心に活動する一方、2017年には野田秀樹の舞台『足跡姫』で女優業にも挑戦している。「165cmとモデルとしては“並”の身長ですが、手足が長く“洋服映え”するスタイルの持ち主。龍平さんとは、アパレル関係者の紹介で出会い、今年に入って交際するようになったと聞いています。今は事務所を辞めて留学準備をしているという話もあります」(モーガンの知人) 一方の龍平はというと、2009年1月に太田と“授り婚”をし、同年7月に長女に恵まれたが、2017年12月に離婚。昨年12月にドラマで共演した黒木華(29才)とのお台場デートが報じられたが、今回、年齢が一回り以上離れた新恋人の存在が、自宅前での大げんかによって明らかになった。 なぜ、人目もはばからず揉めていたのか。理由は意外な場所で明らかにされていた。龍平の誕生日会会場近くのバーである。そこでモーガンの話に親身になって耳を傾けていたのは、野村周平(25才)とその恋人と報じられたモデルの琉花(21才)だった。◆体のこと考えてよ! 責任あるじゃん! 薄暗く落ち着いたインテリアが並ぶ店内で、モーガンは終始うつむきがちでソフトドリンクを、野村と琉花は白ワインを飲んでいる。顔を寄せ合って話しているが、ときおり大きな声が響く。「誕生日だよ! そばにいたいし、いるでしょ普通! なんで二次会行くの? この状況なら早めに帰ってくるでしょ。もう別れたくなるよ!」 そう涙を流し叫んだのはモーガンだった。居合わせた客が言う。「この店はモデルやアーティストのお客さんが多い隠れ家バー。とはいえ、彼らはあまりに無防備だった。酔っていたのか、他のお客さんがすぐそばにいるのに、大声でセンシティブな内容の会話を連発していました」 涙に触発されたのか、野村らはモーガンを擁護し始めたという。「ヘイヘイ(龍平)は、ことの重要性をわかっていない!」と琉花が憤れば、野村も、「この件はいつもと同じ対応じゃダメ。ヘイヘイは逃げちゃダメだよ!」と同調する。 琉花はますますヒートアップし、「今からヘイヘイに電話する。それで、茉愛羅(モーガン)のことをどう思ってるのか聞くよ!」とスマホを手に取ると、野村が「それは話がややこしくなる! 茉愛羅とヘイヘイが話し合って解決しなきゃ!」と止めにかかる。それでも電話をかけようとする琉花を、野村が仕方ないというように羽交い絞めに。すると、琉花が絶叫した。「だって茉愛羅の体のこと考えてよ! ヘイヘイにも責任あるじゃん!」 それを聞いて、モーガンはさらに深く首をうなだれて、声を絞り出した。「もう限界。心も体も…これから話し合うけど、明日、別れてるかもしれない」 重い空気が流れていたが、彼女は午前2時になると1人で店を出た。そこへ現れたのは二次会終わりの龍平本人だった。ふたりは無言でタクシーに乗り込むと、龍平の自宅へと帰って行った。「将来について考えるべき事態に直面して、彼女は真剣に話したかったのに、彼の方が煮え切らない。そんな中で彼女は誕生日会にも呼んでもらえず、しかもその会には元妻や娘も来ると聞き、感情がセーブできなくなったようです。けんかしてすぐに、親友の琉花さんに連絡をして、急遽、集まったようです」(前出・モーガンの知人) 龍平にも事情がある。松田家にとって誕生日は大切な家族のイベントだ。「出席者を前に、弟の翔太さんは“松田家をこれからもよろしくお願いします”と挨拶していました。“兄を”ではなく“松田家を”としたところに、あの家の結束の強さを感じました」(前出・龍平の知人) 事実、松田家のつながりは強い。女手一つで3人の子を育て上げた母・松田美由紀(57才)の誕生日には龍平、翔太、妹でミュージシャンのゆう姫(年齢非公開)が必ず集まるほか、頻繁に互いの家を行き来している。太田は離婚によって松田の姓から外れたが、それでも龍平の子供の母親として交流を続けている。「茉愛羅は、記念日に一緒にいられなかったことに怒ったのではなく、“疎外感”を感じたんだと思う。将来を見据えて真剣につきあっていたのに、いい加減な扱いをされたらショックでしょう。そのやるせなさが爆発して大げんかになった。 ただ、龍平くんは気遣いのできる人間で、男気もある。女性に“失礼な態度”をとったなんて話も、聞いたことがない。ふたりの間で、何らかの誤解が生まれているのかもしれません」(共通の知人) 男女間の揉め事は当人たちのみ知ることだろう。 龍平の誕生日から一夜明けた夕方の5時過ぎ、モーガンが彼のマンションから出て来た。目元は大きく腫れていた。※女性セブン2019年5月30日号
2019.05.15 16:00
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