芸能

夏ドラマ主演俳優 “男はアラフィフ、女はアラサー”の意味

日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』(TBS系)主演の大泉洋は46歳

 今クールの夏ドラマに主演する俳優たちの世代には、ある特徴的な傾向が見られるという。昨今のテレビ局のドラマ制作に対する考え方を反映しているようで…。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 7月も下旬に突入して夏ドラマの過半数が出そろいました。下記にプライムタイム(19~23時)で放送されている新作ドラマを主演俳優の性別ごとに挙げていきましょう。

 まず女優の作品は、上野樹里さん(33歳)主演の『監察医 朝顔』(フジテレビ系)、石原さとみさん(32歳)主演の『Heaven?~ご苦楽レストラン~』(TBS系)、杏さん(33歳)主演の『偽装不倫』(日本テレビ系)、深田恭子さん(36歳)主演の『ルパンの娘』(フジテレビ系)、黒木華さん(29歳)主演の『凪のお暇』(TBS系)、多部未華子さん(30歳)主演の『これは経費で落ちません!』(NHK)。

 次に男優の作品は、大泉洋さん(46歳)主演の『ノーサイド・ゲーム』(TBS系)、反町隆史さん(45歳)主演の『リーガル・ハート ~いのちの再建弁護士~』(テレビ東京系)、三浦春馬さん(29歳)主演の『TWO WEEKS』(関西テレビ、フジテレビ系)、大森南朋さん(47歳)主演の『サイン ―法医学者 柚木貴志の事件―』(テレビ朝日系)、唐沢寿明さん(56歳)主演の『ボイス 110緊急指令室』(日本テレビ系)。

 そのほとんどが、主演女優はアラサー、主演男優はアラフィフに偏っている様子がうかがえます。なぜテレビ局や放送の枠を越えてキャスティングの方針がこれほど偏っているのでしょうか?

◆アラサー女優×コメディ、アラフィフ男優×骨太

 その理由は、プロデュースや編成に関わる各局のテレビマンたちが、「現在最も幅広い世代に人気があり、安定した視聴率を獲得できるのが、女優はアラサー、男優はアラフィフとみている」から。

 事実、初回視聴率は、『監察医 朝顔』13.7%、『Heaven~ご苦楽レストラン~』10.8%、『偽装不倫』10.1%、『ノーサイド・ゲーム』13.5%、『サイン ―法医学者 柚木貴志の事件―』14.3%、『ボイス 110緊急指令室』12.6%と2桁を記録。『ルパンの娘』8.4%、『TWO WEEKS』8.4%も1桁に留まったものの、ネット上のコメントには好意的なものが多く、まずは順調なスタートを切ったと言えるでしょう。

 前回、「夏ドラマ、前代未聞のオリジナル作品0 人気脚本家も深夜帯へ」 でも書きましたが、夏は在宅率が低く、イベント中継などで放送が飛び飛びになりやすいなど、業界内で「夏枯れ」という言葉もあるほど視聴率が低迷しやすい時期。そのため、「原作のある作品をベースに」して、さらに「アラサーの女優かアラフィフの男優を主人公に据える」という2重の安全策を採っているのです。

 もう少し掘り下げてみると、アラサー女優の主演作『Heaven?~ご苦楽レストラン~』『偽装不倫』『ルパンの娘』はコメディであり、『凪のお暇』『これは経費で落ちません!』もコミカルな要素を盛り込んだ作品。アラサー女優は視聴者に笑いをもたらす明るい演技を求められている様子がうかがえます。

 一方、アラフィフ男優の主演作『ノーサイド・ゲーム』『リーガル・ハート ~いのちの再建弁護士~』『サイン ―法医学者 柚木貴志の事件―』『ボイス 110緊急指令室』は、いずれも骨太な世界観の作品。アラフィフ男優は視聴者に緊張感をもたらす重厚感ある演技を求めている様子がうかがえます。

 つまり、各局ともに安定した成果をあげたいときは、アラサー女優×コメディ、アラフィフ男優×骨太の作品を選ぶ傾向が強くなっているのです。

◆「初主演がいない」現実に漂う寂しさ

関連記事

トピックス

鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
2才の誕生日を迎えた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
【9月6日で19才に】悠仁さま、40年ぶりの成年式へ 御料牧場、小学校の行事、初海外のブータン、伊勢新宮をご参拝、部活動…歩まれてきた19年を振り返る 
女性セブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン