スポーツ一覧/513ページ
野球、サッカー、相撲、ゴルフなどのスポーツニュースを集めたページです。単に試合結果を紹介するのではなく、選手たちの人間関係やドラマの裏側を報じます。

西武渡辺監督 投手責めぬ裏に高校時代の2度のサヨナラ負け
日本球界の頂点を極めたプロ野球選手・監督といえども、高校球児の時の記憶がその後の野球観を作り出している――。スポーツライター・永谷脩氏が、12球団監督たちの采配のルーツを、彼らの高校球児時代に探った。ここでは西武・渡辺監督のケースを紹介する。* * * 最下位脱出にかける西武監督・渡辺久信は、打たれた投手を責め立てるコメントをしないことで知られる。やはりそのルーツも甲子園にある。1年生ながらマウンドに立った夏(1981年)、2回戦で京都商にサヨナラ負け。先輩に申し訳なく、涙にくれる渡辺だったが、「先輩は誰も俺を責めず、来年頑張れといってくれた。だから野球が続けられた」渡辺がいた頃の前橋工(群馬)は、関東に敵なしといわれた。しかし3年夏の県予選決勝では、延長の末、自らの押し出し四球で敗退を喫した。「大舞台でサヨナラを2度も経験すれば、人を許せるし腹も据わる。リラックスプレーが一番大事なんです」そう渡辺は笑うのだが、今季の投手陣の不調はそんな“優しさ”がアダになっている感も否めない。※週刊ポスト2011年9月2日号
2011.08.19 07:00
週刊ポスト

巨人の本塁打 7月まで1試合0.68本が8月1.42本に激増
後半戦が始まった球界に大きな変化が起きた。統一球の影響で、あれほど貧打に喘いでいた巨人が、急に打ち始めたのだ。セ・リーグの選手たちは口々に語る。「そういえば後半戦になって、東京ドームの打球が飛ぶようになってないか?」8月13日の巨人×広島戦で象徴的なシーンがあった。8回、長野久義が放った打球は、センター・丸佳浩の頭上を越え、決勝の三塁打となった。丸は前進守備だったが、試合後、「目測よりもかなり伸びた」と語った。野球解説者の広澤克実氏が頷く。「2月のキャンプで見た頃に比べて、今の打球の飛びはまったく違います」今年はセ・パ両リーグで使用球が統一され、全試合でいわゆる「飛ばないボール」が導入された。そのため各球団の打撃成績は軒並み低下した。ところが8月に入って、その状況が変わりつつあるという。特にその変化が顕著なのが巨人である。1試合当たりの本塁打数は7月までの0.68本から8月以降は1.42本と、8月になると以前の2倍以上になっている。夏場は投手の負担が大きく、シーズンの疲れがたまり始める時期なので、例年「打高投低」になるとされる。ならばと昨年の数値と比較してみたが、それでも昨年は7月までが1.65本、8月が1.76本であり、今年の巨人の8月は異常である。さらにもう一つ。「巨人が5点以上取った試合数」を比較したものだが、7月までは大量得点の試合が激減(2010年52.2%→2011年15.0%)していたが、8月になった途端に昨年の水準(2010年53.8%→2011年58.3%)に戻っているのだ。※週刊ポスト2011年9月2日号
2011.08.19 07:00
週刊ポスト

なでしこ佐々木監督 W杯前に綾小路きみまろを訪問していた
酷暑だ、節電だのこの夏。女性セブンでもおなじみになりました、綾小路きみまろさんの川柳高座で、暑さを笑い飛ばしてみてはいかがでしょう。今回は『猛暑』をお題に、お送りします。 * * *<熱帯夜 なでしこ金で ねてらんないや> 実は私、なでしこジャパンの佐々木則夫監督とは以前から親交がございます。3年前の北京五輪、佐々木監督はリラックスさせようと、私のDVDを試合前、選手の皆様に見せたそうです。結果は過去最高の成績4位で、それが縁でおつきあいが始まりました。 今回もW杯出発前に私の自宅がある山梨県の河口湖町を訪れてくださいました。河口湖の湖畔には、私が町に寄贈した黄金の七福神があります。佐々木監督はその七福神に参拝し、ドイツに旅立ったのです。 結果は金の七福神のご利益もあったのか、PK戦でも連続しての「ゴール(ド)!」を決め、見事、金メダルを手にしました。 帰国後は大フィーバーの中、テレビ出演の続くなでしこたち。番組内の『次の希望は?』というアンケートではほとんどの選手が『結婚』でした。そこで、良縁に恵まれるためのきみまろ流アドバイスをしてみたいと思います。 まずは『干支(えと)』による男性との相性です。皆様、干支についてはご存じですよね? 「え~っと…」、お願い! 考え込まないで!「知ってるわよ、納豆の産地でしょ?」、それは水戸!「じゃあ、昔の東京の呼び名?」、それは江戸! 「北方四島のひとつ?」、それはエトロフ島! ねぇ、いいかげんにやめません? 干支は子(ね)、丑(うし)など十二支があり、その内容もエトセトラ。たとえば、なでしこのキャプテン、澤穂希選手の干支は『午(うま)』。午年の女性は馬力があって元気です。相性がいいのはズバリ、『亥(い)年』の男性です。優しくて、少々、料理がまずくても「うまい!」と褒めてくれます。 もうひとり、『寅(とら)年』生まれの岩清水梓選手。寅年生まれの女性はオシャレであり、転職好きです。「トラッド」に、「トラバーユ」です。相性ですが、おしゃれ感覚は『申(さる)年』の男性とつきあうことでより磨かれます。『トラサルディ』です。『午(うま)年』男性との別れは『トラウマ』になりますが、『亥(い)年』男性との相性は抜群。『トライ』してみてください。「きみまろさん、本当なの?」だからぁ、きみまろ流です! 澤さん、岩清水さん、金メダリストにふさわしく「まさっかぁー」と、ファンがたまげる(球蹴る)ビッグな男性との良縁、期待しております!※女性セブン2011年8月25日・9月1日号
2011.08.13 07:00
女性セブン

故・松田直樹選手の告別式に元妻が出席できなかった理由とは
8月4日、心筋梗塞のため亡くなったサッカー元日本代表・松田直樹さん(享年34)の告別式が9日、故郷である群馬・桐生市の斎場で営まれた。中田英寿(34)や元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏(56)ら約1700人の参列者が早すぎる死を悼んだ。そんななか、焼香もせず、遠くからそっと手を合わせる女性がいた。それは、昨年8月、松田さんと離婚した元妻・A子さんだった。離婚後、3人の子供たちを連れて、神奈川県内の実家で静かに暮らしていたA子さんは、知人から、松田選手が練習中に倒れ、松本市内の病院に搬送されたと知人から聞かされた。A子さんは、すぐに子供たちを連れ、長野へと向かった。しかし、待っていたのは思いもかけない対応だった。A子さんの知人はこう明かす。「病室前で、松田さんの母・正恵さんから、“あなたには病室にはいってほしくない”と面会を断られたそうです。それでなんとか子供だけでもとお願いして、子供たちは父親と対面を果たせたんです」生死の狭間にいた松田さんの前で繰り広げられた元嫁姑の激突。松田家を知る人物はこう話す。「正恵さんにしてみれば、息子がこんなことになったのには、A子さんとの離婚問題も影響したのではと思っているんです。ですから、息子を苦しめたA子さんに対し、“あんたに死に水は取らせない”という思いだったのだと思います」しかし、これにはA子さんも大きなショックを受けた。翌3日に一度、実家へ戻ったA子さんだったが、4日、“どうしてももう一度会いたい”と再びひとりで病院へと向かう。道中、彼女は一度だけ時計を見た。時刻は午後1時6分。A子さんは、そのときの思いを、こう語ってくれた。「運転をしながら、ふと“ああ、もうダメかもな…って思って、時計を見たら、ちょうどその時間だったんです」午後1時6分、松田さんは息を引き取り、帰らぬ人となっていた。病院に着くと、亡骸となった松田さんへの面会だけは許された。病室にはいると、トレードマークの背番号3のユニホームを着た彼の姿があった。「すごく笑顔で、いい表情をしていました」そう涙を流しながら、松田さんとの最後の時間について語ってくれたA子さん。一方、正恵さんに取材を申し込むと松本山雅FCの広報を通じて、「お断りもしていないし、最終的には、お会いにもなっている」との返答だった。冒頭の告別式、子供たちは出席したが、A子さんの姿はなかった。「正恵さんから“葬儀には来ないで。参列は子供たちだけ”とA子さんはいわれたそうです」(前出・A子さんの知人)人知れず松田さんを送ったA子さんは、いまの気持ちをこう話してくれた。「子供たちが頑張っているのに、私がいつまでもメソメソはしていられません。本当に、子供たちがいるだけで、元気づけてくれます」――真夏の太陽の下、3人の子供たちは、パパの立派な葬儀をしっかりと目に焼きつけていた。※女性セブン2011年8月25日・9月1日号
2011.08.11 16:00
女性セブン

人気低迷ビーチバレー 人気回復のヒモパン導入計画却下される
ビーチバレーの凋落が著しい。かつて妖精・浅尾美和(25)がブームを巻き起こした際には、観客席200の会場に1000人が駆けつけ、立ち見続出の賑わいを見せたものだが、最近の試合では客席もまばらだ。さすがに日本ビーチバレー連盟もまずいと思ったのか、8月1日、「携帯電話のカメラ機能を使用した場合に限り、撮影を認める」との方針を打ち出した。だが、ビーチバレーを長く取材するカメラマンは、首を横に振る。「これで人気回復できると思ったら甘いですよ。相変わらず、浅尾を凌ぐようなタレントは出てきていない。“かおる姫”こと菅山かおるは結婚したうえ、ケガで療養中で復帰のメドが立たないし、浅尾自身なかなか勝てず試合数も少ない。今さら携帯カメラで撮影できるからって現地に足を運ぶファンが増えるとは到底思えません」もっと抜本的な人気回復策はないのか。連盟の内幕に詳しいスポーツジャーナリストが打ち明ける。「ビーチバレーの水着はセパレートか背中が大きく開いたワンピース型と決まっていて、セパレートの場合は腰の部分の布地の幅が6cm以下と決められています。最近は選手の好みや観客受けを考えて、シースルーやヒョウ柄を認めたりもしていたんです。実は、その流れでメーカー側からヒモパンにしたらどうかという提案もあった。さすがに激しい動きに耐えられないのではないかと却下されたのですが、ビーチバレーはもともと体の凹凸がはっきり出るボディコンシャスな水着を着用したことで人気があがった側面がありますから、水着で工夫していくことも必要かもしれません」惜しい。「浅尾美和がヒモパン」なら世の関心はがぜん高まると思われるのだが。連盟はこれまでテレビ中継のためにラリーポイント制を導入したり、コートのサイズを変更したりもしてきた。日本メーカーの技術なら「強いヒモパン」も開発可能だろう。連盟の英断を期待したい。※週刊ポスト2011年8月19・26日号
2011.08.11 07:00
週刊ポスト

なでしこ 体重公開でBMI計算され「彼にも言ってないのに」
W杯優勝、国民栄誉賞受賞で一躍シンデレラ集団となった、なでしこジャパン。1人500万円のボーナス支給も決まり、さぞかしバラ色の日々、かと思いきや“有名税”もしっかりとられているらしい。 悩みのタネは、連日報じられてきた彼女たちのプロフィールに含まれる「体重」にある。 実は、なでしこの体重は各所属チームが行なうメディカルチェックの数字が日本女子サッカーリーグを通じて“公開”されており、「極めて正確」(関係者)なのだが、一部の熱心なファンがここに着目して論争、なかにはメンバー全員のBMI(肥満度指数)をサイトに並べる人まで出てきた。 BMIとは体重を身長の二乗で割り、25以上を肥満、18.5未満を痩せとする世界共通の指標。 ちなみに164cm54kgの澤穂希は20.07、宮間あや(157cm、51kg)は20.69、最も指数が高いのは福元美穂(165cm、66kg、24.24)、最も低いのは田中明日菜(164cm、52kg、19.33)という具合。 アスリートとはいえ、20代のうら若き乙女たち。気にならないわけはない。なでしこリーグのベテラン選手がいう。「身長体重は以前からリーグの公式パンフレットに書かれてましたが、これだけ注目されるようになると、選手同士を比較して、見た目より重いとか軽いとか、心ないことをいう人も出てくる。体重については、『彼氏にもいったことないのに』と嘆いている子もいます」※週刊ポスト2011年8月19・26日号
2011.08.10 07:00
週刊ポスト

離婚報道された“ラブちゃん”伊良部氏 妻に離婚の意志ナシ
日米球界に衝撃を与えた伊良部秀輝氏(享年42)の自殺は、「死から1か月前の離婚」が直接的な原因だったと報じられているが、妻の京淑さんは伊良部氏の死後も表舞台に姿を見せず、伊良部氏の苦悩が何であったのかも語られていない。 小誌は伊良部氏が最も信頼していたという友人・A氏と接触することに成功した。米国在住のA氏は、伊良部氏を「ラブちゃん」と呼び、家族ぐるみで付き合いを続けてきた。「夫の自殺」という事実に直面した京淑さんの、複雑な胸の内を知る数少ない人物でもある。 A氏によると、京淑さんは離婚の意志を否定していたという。「お灸を据えるつもりで別居しただけだったんです。最近はいろいろとすれ違いがあったので……」 A氏は、「夫人は一時的に距離を置こうとしていただけだった」と語る。「ラブちゃんたちはいつも、子供を日本で育てたいと語っていた。そのため毎年、米国の学校が夏休みになる6~9月は奥さんが子供を連れて日本に帰国していた。だから今年も日本にいると思い、亡くなったことを伝えようと連絡をしたら、ロスの自宅の近くにいた。毎年の日本行きを取りやめてまで、夫を見守っていたようです」※週刊ポスト2011年8月19・26日号
2011.08.09 16:00
週刊ポスト

伊良部氏 死後に自宅前の献花蹴散らされ追悼文を破られる
日米球界に衝撃を与えた伊良部秀輝氏(享年42)の死後、同氏の自宅周辺では不気味な出来事が起きていた。 友人や伊良部氏が指導していた草野球チームが自宅前に供えた献花が、何者かによってなぎ倒されたのだ。伊良部氏が野球を教えた子供たちが書いたお別れの手紙まで、ゴミ箱に破り捨てられていた。近所の住人はこう語る。「亡くなった後、紺色の車に乗った日本人の男が自宅近辺をうろついていた。献花しようとした人がその男に追い返されていた」 それが何者であるかは定かではないが、日本を代表する剛腕投手は、多くの謎を残したまま、短すぎる生涯を閉じた。※週刊ポスト2011年8月19・26日号
2011.08.08 07:00
週刊ポスト

甲子園ネット裏の人気者「ラガーさん」は1日7回着替える
蛍光イエローのキャップに、ラガーシャツ。甲子園中継では常に異様な出で立ちの彼を確認できるはずだ。「ラガーさん」の愛称で知られる善養寺隆一氏は、甲子園期間中、ネット裏にほど近い8号門の前で寝泊まりしている。開門と同時に席確保に走り、ネット裏最前列、ちょうど右バッターボックスの背後に陣取る。 今春選抜準々決勝終了後、8号門前でのインタビューをお願いしていた。しかし、約束の時間になってもラガーさんはなかなか現れない。「いやぁ、すみません。ちょっと洗濯に行っていて遅れちゃいました、洗濯や銭湯に行っている間は、他の仲間が並んでくれるんです。毎日、段ボールを敷いて寝ていますよ。えっ? ラガーシャツを何枚持ってきているかって。えーっとね、ちょっと待ってね、うん、10枚ぐらいかな、4試合あれば試合前と5回のグラウンド整備で着替えるから、一日7回は着替える計算になるよね。ほら、ファンがいてくれるから、楽しませなくちゃいけないでしょ」 エッ、ファンがいる!?「なんだか有名になっちゃってさ。結構、握手してくれって言われるんですよ(笑)」 のっけからマシンガントーク炸裂のラガーさんである。春夏の甲子園を全試合観戦する彼は東京・巣鴨にある実家の印刷所で働いているという。「ちょっとまずいっすよねえ。年間1か月は甲子園に暮らしているわけですから。親父やお袋は呆れかえっています」 甲子園に常駐するようになったのは10年前から。その魅力は「生の迫力」に尽きる。「選手が全力でしょ。最後まで諦めずに一球に懸ける。その戦いに一緒に参加したいの。特に夏は、たくさんの感動がある。大会終了時にはプレゼントをもらった気がします」 しかし大会が行われる15日間、日中を炎天下で過ごすのは相当の体力がいるだろう。「僕は暑いのが苦手なの(笑)。でもね、やめられません」 平時は全国の地方大会に足を運び、情報収集も怠らない。「地方大会に足を運んで、マスコミがノーマークの選手を見つけて、実際に甲子園に出てきた時はうれしいよね」 ラガーさんは強豪校の条件を次のように明かした。「良いピッチャーが1人いても優勝には届かない。やはり打力でしょ。点が入らないと勝てないわけだから。それと強いチームは基本的に礼儀正しいかな」 最後に「ラガーさんが高校球児だったらどの高校の野球部に入りたいか」と質問した。「………………」 高校野球を、甲子園を愛し続けてきて、思い入れの強い高校がたくさんあるのだろう。逡巡した結果、答えの見つからないラガーさんだった。※週刊ポスト2011年8月12日号
2011.08.07 07:00
週刊ポスト

「甲子園の魔物」の正体を『ドラゴン桜』の三田紀房氏が解明
いよいよ夏の甲子園が始まる。『甲子園へ行こう!』『ドラゴン桜』の人気漫画家・三田紀房氏が“甲子園を100倍楽しむ観戦術”を伝授する。 * * * 私は甲子園に行くと、バックネット裏から球場全体を俯瞰するように眺めています。特に夏の甲子園というのは、選手のプレーだけを楽しむものではない。 耳に心地よいブラスバンドの演奏、各県によって多種多様な応援風景、一つひとつのプレーに一喜一憂する観衆の反応……甲子園は総合舞台芸術として楽しむべきものだと私は思っています。 それが極まったのが2007年夏の佐賀北(佐賀)対広陵(広島)の決勝戦。広陵が4-0とリードして迎えた8回裏、佐賀北が1点を返すと球場全体が同校ナインの背中を押すような空気に包まれました。 懸命に追いすがる九州の公立校に対し、広島の伝統校は完全にヒール役となってしまった。 会場の声援、そして球審の佐賀北への甘いジャッジも相まって、広陵投手の野村祐輔くん(現明治大4年)は制球を乱して満塁のピンチを招く。そして佐賀北の副島浩史くん(現福岡大4年)の逆転満塁ホームランが生まれたのです。「甲子園の魔物」が広陵ナインを飲み込んでいく──そのさまが実際にビジュアルとして眼前に広がっていました。 なぜ、甲子園には球場が一体となったような判官贔屓が生まれるのでしょう。その理由は、甲子園に足を運ぶファンの気質にあると思います。 あんな暑い中でも甲子園を埋め尽くすファンというのは、誤解を恐れずに言えば、関西在住の一般庶民が圧倒的に多く、「大金持ち」はいません。 だからこそファンは弱者が強者を打ち負かしていくプロセスに、快感を覚えるのです。都会の強豪校を田舎の高校がうっちゃるドラマに、自分の人生を投影するのでしょう。 甲子園に棲む魔物の正体というのは、まさしく球児を取り囲んでいる5万人の大観衆なのです。そして深紅の大優勝旗を手にする高校というのは、そういう甲子園特有の雰囲気に乗っかれるチームです。【プロフィール】みた・のりふさ/1958年、岩手県生まれ。明治大学政治経済学部卒業後、一般企業勤務を経て漫画家に。主な作品に高校野球のリアリズムを追求した『クロカン』『甲子園へ行こう!』、東大受験を題材にして社会現象となった『ドラゴン桜』など。現在、週刊ヤングマガジンで、埼玉県の公立校が甲子園を目指し奮闘する球児を描いた『砂の栄冠』を連載中。※週刊ポスト2011年8月12日号
2011.08.06 07:00
週刊ポスト

東海大甲府「ここ10年ナンバーワン打者」は阪神・金本タイプ
全国の剛腕投手の球を直にうけ、ミットの感触を文に認める。ついた名が“流しのブルペンキャッチャー”。そんな安倍昌彦氏が、“金の卵”を探して地方大会に足を運ぶヤクルト・スワローズの小田義人スカウトに夏の甲子園の注目選手を聞いた。「 」内が小田氏の発言だ。 * * * 山梨の東海大甲府・高橋周平遊撃手(180センチ・83キロ・右投左打)。高校通算70本塁打以上の強打は、高校生のレベルをはるかに超え、今年のアマチュア・ナンバーワンスラッガーとして、異論を唱えるもの誰もなしの「超」のつく逸材だ。 ウェーティング・サークルでバット振っているだけでも、一軍でもう4、5年やってるような雰囲気には、風格すら感じる。タイプは阪神・金本知憲か。バットを最短距離で振り抜き、弾丸ライナーでスタンドまで持っていく。「飛び抜けた存在だと思いますよ。今年どころか、ここ10年でも高校ナンバーワンの打者かもしれません」 静岡高、早稲田大、大昭和製紙と、アマチュア野球の名門を渡り歩いてきたヤクルト・小田義人スカウト。プロ11年間の現役生活。ヤクルト、日本ハムではクリーンアップも務めた強打者だ。「ボクが見てきたヤクルトの選手でいえば、頑張れば岩村(明憲、現楽天)のレベルには十分いくと思う。メチャ振りしないのに、ライトが1歩も動けないようなホームランを打つんだよね」 柔らかく打てる打者はインパクトが弱い。逆に、強く叩ける打者は堅さがあって、打てる範囲が狭い。なかなか両立しない柔軟性とパワーを兼ね備えているという。「自分は野球で食っていくんだって覚悟があり、ケガをして監督が休めっていっても絶対休まない。応援したくなる選手。最後の夏に弾丸ライナーの一発打たせてあげたいね」※週刊ポスト2011年8月12日号
2011.08.06 07:00
週刊ポスト

なでしこリーグ 試合後のサービスで握手会を開くチームも
団体としては初の国民栄誉賞を受賞した、なでしこジャパン。いまだ興奮さめやらぬ“なでしこ旋風”は、各地で行われている日本女子サッカーリーグ=なでしこリーグの試合の観客動員数をも大幅アップさせている。「私も見たい!」と思っても、お目あての選手の試合がどこで行われているのか、そもそもチケットの買い方もよくわからないという人も多いのでは? そこで、なでしこリーグを観戦するための基礎知識を、ウェブマガジン『スポーツプラネット』の編集長・マーススポーツエージェントの仲島修平さんとスポーツライターの深谷友紀さんに聞いた。「無料の試合と有料の試合があります。ほとんどの選手がアマチュアで観客の数もまだそれほど見込めないため、試合によっては観戦料を取るとスタジアム使用料金が上がり、逆に採算がとれないケースも出てくるのです」(仲島さん) 有料の場合、チケットはひとり1000円前後。「当日券がある場合がほとんどですが、確実に見たい場合は各チームのHPなどで前売り情報の確認を」(深谷さん) スタジアムはどんな雰囲気なのだろうか?「サポーターがエキサイトして野次がとぶようなこともなくのんびりムード。スピードやパワーはいまひとつですが、選手の技術は高いので試合は楽しめます。なにより選手の一生懸命なプレーやひたむきさが伝わってくるのがいい。試合後のファンサービスで握手会などをするチームも」(深谷さん) この夏、家族で観戦しよう!※女性セブン2011年8月18日号
2011.08.05 16:00
女性セブン

高校野球 マナーが悪いチームには極端に眉毛が細い選手いる
いよいよ夏の甲子園が始まる。『甲子園へ行こう!』『ドラゴン桜』の人気漫画家・三田紀房氏が“甲子園を100倍楽しむ観戦術”を伝授する。 * * * 最近の高校球児は以前に比べて冷めているように感じます。試合後のインタビュースペースの様子を見ていても、泣いたり、仲間と抱き合ったりしているのはほんの5分ぐらいで、すぐに携帯電話をいじりだす。大切な野球道具を詰め込むバッグを投げ散らかしているチームもあります。 マナーが徹底されていないチームは試合でも雑なプレーが目立ちますし、すぐにプレーを諦めてしまう。その象徴が眉毛です (笑)。少しでも格好つけようと、眉毛を極端に細くした球児のいるチームほど規律が乱れがちですね。 監督が選手を厳しく指導できない現実もあるのかもしれません。最近では監督の指導法にクレームをつけるモンスターペアレンツが多いようです。また、そういった親御さんは出身のリトルやシニアのチームに告げ口をして、すぐに「あの高校には選手を送るな」となるそうです。 スカウティングに力を入れる高校は、選手の両親や選手の供給先である出身チームの顔色を窺っているために、監督が選手に厳しく接することができない傾向にあるようです。野球のマナーが崩れるのも仕方ないのかもしれません。 一方で、興南 (沖縄)のように「スカウティングは一切行っていません。来たければ努力してください」というスタンスの高校の方が、選手への指導も厳しくできるのです。 こうした高校が春夏連覇を達成するわけですから皮肉なものでしょう。甲子園は、選手の能力だけでは勝てません。【プロフィール】みた・のりふさ/1958年、岩手県生まれ。明治大学政治経済学部卒業後、一般企業勤務を経て漫画家に。主な作品に高校野球のリアリズムを追求した『クロカン』『甲子園へ行こう!』、東大受験を題材にして社会現象となった『ドラゴン桜』など。現在、週刊ヤングマガジンで、埼玉県の公立校が甲子園を目指し奮闘する球児を描いた『砂の栄冠』を連載中。※週刊ポスト2011年8月12日号
2011.08.05 16:00
週刊ポスト

優勝校多数宿泊 伝説の甲子園宿舎が廃業で名物女将大粒の涙
昭和28年(1953)から甲子園球児を迎え入れて59年──。西条(愛媛県)に始まり、高知商、岩倉(愛知県)、帝京、そして早稲田実業とこれまで春夏あわせて7度(そのうち帝京が3度)、優勝校を見届けてきた伝説の旅館が「水明荘」である。 実は、名物女将の白石昌子さんには、一度、インタビューを断られていた。「現在は取材をお受けしていないんです。いろいろとありましたから」 2006年夏に早稲田実業が優勝したあと、水明荘には取材が殺到した。高校野球を茶化すような内容のバラエティ番組に協力したとして、一度は高校野球連盟から指定宿舎を外されてしまうという経緯があった。以来、取材は受けていないという。 しかし、今回無理を押してでも女将に話を聞きたかったのには理由がある。同じ兵庫県西宮市で高校球児を受け入れているやっこ旅館の女将から、今年の夏の大会をもって、水明荘はその歴史に終止符を打つという話を聞いたからだ。 かつてのように、地方予選を勝ち抜いてきたほとんどの高校が甲子園界隈の旅館に泊まる時代ではない。核家族化が進み、一人一部屋を希望する高校がシティホテルやビジネスホテルへ宿を移していく中、水明荘は東西の東京代表を交代で受け入れてきた。とうとう、水明荘も時代の波には逆らえなかったのか──。 実情は、違った。 75歳になる女将・白石さんが明かす。「本来ならばね、来年以降も続ける予定でいたんです。でもね、だんだんと体がしんどうなってきて。そして跡取りの息子が今年亡くなったんです。それでいっぺんにやる気をなくしてしまいました……」「やる気をなくした」という言葉をそのままの意味で受け取ることはできない。悔やみきれない感情を、投げやりな言葉で包み隠そうとしているのは大粒の涙を含んだ女将の眼を見れば明白だった。「51歳だった息子は甲子園球児のように元気いっぱいでね、高校時代に鎖骨を折って以来、病院には縁のない子だったんです。それがある日突然、『ご飯が食べられへんねん』と。病院に行くと末期の胃がんであることが判明しました。一緒に住んでいたら気がついてあげられたかもしれないのに……。それから2ヶ月後に亡くなりました」 息子さんは、水明荘に宿泊して3度の優勝経験を持つ帝京の大ファンだった。「帝京が好きで好きでね。助からないことがわかった息子は『棺の中に入れる時に帝京のTシャツを着せて欲しい』と言ってたんです。5月末に亡くなり、帝京のスポーツタオルや帽子、うちわなどを棺に入れ、息子が希望した通り帝京の服を着て旅立ちました。もう少し旅館も続けたかった。去年、畳を入れ替えましたし、広い物干しも作りました。外装もペンキを塗り直していたんですけどね」 毎年同じ気持ちで高校球児たちを送り出してきたが、やはり帝京と前田三夫監督との思い出は尽きない。「ほんと帝京さんは良い学校です。ふつうは3年生やエースピッチャーの子は、わりと何もせず下級生が雑用係をするんですけどね、帝京さんは上下関係が分け隔て無くて、みんな仲ようやってはります。 そして前田監督も選手にとっては怖い存在でしょうが、私らには楽しい先生です。阪神が弱い時期には、うちら家族は前田監督に『阪神の監督に来て下さい』とお願いしたことがあるんですよ」 息子さんの死後、すぐに前田監督から連絡があった。「誰にも知らせていなかったのですが、どこからか聞きつけてくださってね。『今年の夏だけはやってもらいたい』と言って下さいました。そして『夏には必ず行きますから』と。帝京さんとの思い出は特にたくさんあります。旅館を閉めるのは……本当は寂しいてしょうがないんです」 今夏も東東京代表となった帝京を受け入れる。旅館の営業は既に予約が入っているために、10月までは続けるという。長い務めを終えたあとは、取り壊されることが決まっている。「最後の夏を精一杯がんばらせてもらいます」※週刊ポスト2011年8月12日号
2011.08.05 07:00
週刊ポスト

NYメッツスカウト 花巻東高校に菊池雄星以上の逸材を発見
全国の剛腕投手の球を直にうけ、ミットの感触を文に認める。ついた名が“流しのブルペンキャッチャー”。そんな安倍昌彦氏が、“金の卵”を探して地方大会に足を運ぶニューヨーク・メッツの大慈彌功スカウトに夏の甲子園の注目選手を聞いた。「 」内が大慈彌氏の発言だ。 * * * ニューヨーク・メッツ、大慈彌功スカウト(環太平洋担当部長)の携帯電話に連絡をとったら、ちょうど移動の新幹線の中だった。「今、盛岡で大谷を見た帰り道なんですよ」 岩手の花巻東高・大谷翔平投手(2年・191センチ・78キロ・右投左打)。快腕・菊池雄星が西武に進んで2年──。「雄星以上の逸材はもう岩手から出ないだろうと思っていたら、すぐあとに現れた」 同校・佐々木洋監督が驚きながら、その成長を期待する右の本格派だ。「この春に150キロ投げてるし、あの長い腕のしなやかなスイングはすばらしい。下半身が強くなってくれば、この先どこまで伸びるかわからない。まだ2年生だけどメジャーの素材としてもこんな楽しみな存在はなかなかいない」 この日の大谷投手、足の故障ということで登板回避。それが残念だったと、繰り返し悔やむ大慈彌スカウト。 昨年の秋の終わり、こんなことがあった。 バスで約20時間かけてやってきた関西遠征。途中の渋滞で、球場到着が試合開始30分前。車中泊であまり寝ていない状態なのに、サッとアップして、軽くキャッチボールして上がったマウンドで、最初の速球が低めに伸びる142キロ。 その裏の打席ではきれいに右中間を抜いて、バンビのような走りで三塁打に。額に光るきれいな汗に、「若いっていいなぁ」と思ったものだ。※週刊ポスト2011年8月12日号
2011.08.04 16:00
週刊ポスト
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元テレ東・大橋未歩アナの夫・上出遼平Pが退職へ「テレビはジリ貧」 敏腕テレビマン続々流出の背景
NEWSポストセブン

ピース綾部祐二がYouTube開設「何で稼いでいるんだ」優雅なNY生活インスタに込めた真意語る
NEWSポストセブン

小島瑠璃子、後輩・井上咲楽に仕事を奪われる形に 一時活動休止で中国進出準備か
女性セブン

病院発砲事件は「ケーキ片手に発砲事件」の報復か 過激化する山口組分裂抗争
NEWSポストセブン

華原朋美、FCサイトで突然「人妻じゃなくなります。あと1時間で」宣言 事務所は「冗談です」
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4630万円誤送金 役場も銀行も防げなかった理由と男が職員の前でとった行動
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上島竜兵さんに寄り添い続けた妻・広川ひかる“恐妻ネタ”の陰で支え合った2人
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小室圭さん、3度目の司法試験まで約2か月 「あと5点」は上積みできるか
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