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前原氏に献金の焼肉おばさんはマスコミの餌食と茂木健一郎氏

 前原前外相の辞任問題について、茂木健一郎氏とジャーナリストの上杉隆氏が対談を行った。2人は前原問題をこう読み解く。

 * * *
上杉:この“誠司(政治)とカネ”の問題について(笑い)、どう見ていますか。

茂木:私はウォーターゲート事件ならぬ“焼き肉ゲート事件”と命名しましたけどね(笑い)。献金していたのは、焼き肉屋を経営しているおばさんでしょう。かわいそうに。

上杉:そう、このおばさんも本当にかわいそう。一番いけないのはもちろん前原さんです。 前原さんにとって本当に命取りになりかねなかったのは、実は『週刊文春』で報じられた、暴力団とのつながりが指摘される企業グループ関係者からの献金で、それが発覚して窮地に陥っていた。

 ところが、これについて追及している国会の席上、自民党の西田昌司さんが焼き肉屋の話をしたんです。こっちの話が出た瞬間に、多分、前原さんは助かったと思ったんじゃないですか。暴力団関係の献金問題は、野田財務相、蓮舫行政刷新相にも飛び火していたんですから。だから、会見では焼き肉屋の話ばかりして、おばさんが在日であることもあっさりと認めて、はい、辞めますと。焼き肉屋のおばさんに責任を押しつけて、結果として、彼女はかわいそうに、マスコミの餌食になった。

茂木:私は、在日外国人からの少額献金ぐらいで、新聞やテレビが大騒ぎして辞めろということに疑問を感じました。政治資金規正法には、外国人から政治資金をもらってはいけないと書かれていて、確かに今回のケースは違反しているのかもしれない。

 しかし、焼き肉屋のおばさんは日本の外交政策と利害が関係するポジションにいるわけではない。在日韓国人で通名を使っているし、前原さんの幼い頃からの友人でもある。英米法的なコモンセンス(共通認識)という視点から見ると、何の問題にもならないケースですよ。それを杓子定規に法律違反だと叫ぶのは日本のメディアの悪いクセ。英米法の精神というのは、要するに常識で判断するということで、それが全くできない。
 
 だから、ここ数年、メディアは本当に些細なことを針小棒大に取り上げて大騒ぎしているでしょう。小沢さんに関する報道も然りですよ。

※週刊ポスト2011年3月25日号

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