芸能

恋愛が定番だったフジ月9 尾野真千子主演で本当にいいのか 

 そろそろ春ドラマの情報も解禁される時期である。放送を前にあれこれと思いをめぐらせるのもファンならではの楽しみ方だ。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 4月から始まる月9ドラマ「極悪がんぼ」(フジテレビ系)。主役が尾野真千子に決まった、というニュースが流れてきました。オノマチは月9のみならず、フジの連ドラ単独初主演。話題を集めています。

「極悪がんぼ」の主人公・薫は借金を背負いつつ裏社会の一員になり、トラブル処理に奔走、どん底からはい上がるといったストーリー。タイトルの「がんぼ」とは、広島の方言で「乱暴者」とか「やんちゃ」を意味するのだとか。たしかに、オノマチには適役かもしれない。

 数々のドラマでヒロインを演じつつも、売れっ子女優には珍しく、とり繕わずストレート。関西のオバチャン的気質もしっかり保持。啖呵を切る、はしゃぐ、暴れるといった演技も朝飯前。というか、地? フジテレビの制作陣は「あなたにしかできない」と出演を懇願。オノマチも「最高の口説き文句」とひきうけたそうです。

 でも、いいんでしょうか? 月9が、本当に「恋愛もの」のきらめきを手放しても。「半沢直樹」の裏社会貧乏借金バージョンのようなドラマに置きかわってしまっても。

 今期のドラマを見回せば……刑事ものや事件、医療ものと似たり寄ったりが並ぶ中で、月9の「失恋シェコラティエ」は異彩を放ち、気を吐き、評判をとっているではありませんか。

 しかも「失ショコ」は「恋愛もの」とは言ってもただの胸キュン脳天気ドラマではないのです。自己愛、自己破綻、自己言及といった、人が持つほころびを、「恋愛」を使いながら軽やかに上手に描き出し、個性的な娯楽作品に仕上げているのです。

「俺は王子様になれたかな? それとも救いようもないほど汚れたアホかな。妄想を繰り広げているだけの痛い男かな」

 妄想系片思い男子・爽太を演じる松本潤が、繰り返し繰り返し独白する。自分について、ぐるぐるぐるぐると語る。ふと、たしかに私もこんな風に独白してるな、と視聴者に思わせるリアル。思いを遂げることができず自己言及ばかりしている自信のない男子を、2枚目アイドルの松潤がピタっと演じているあたりがいい。

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン