国内

天皇の「お言葉」 宮内庁記者クラブが大混乱の舞台裏

天皇陛下の「お言葉」を巡り大混乱

 天皇が「生前退位」の意向を示したという衝撃の報道から2週間後の7月29日、NHKは「第2のスクープ」を放った。

〈天皇陛下 8月にもお気持ち表明へ〉
〈宮内庁はテレビの中継などを通じて、広く国民に語りかける形を考えている〉

 それに対して、風岡典之・宮内庁長官は「何も決まっていない」と会見し、「意向報道」の時と同様に報道内容を認めようとはしなかったが、一方で「明確な否定」もしなかった。

 宮内庁は、常日頃から皇室関連報道を細かくチェックし、事実と異なると判断すれば当該メディアに厳重抗議し、その内容を即座に同庁ホームページで公表する。しかし、今回のNHKの「天皇会見」報道に、宮内庁の抗議はなかった。そのため「陛下がお気持ちを語られるのは間違いない」(全国紙宮内庁担当記者)という前提のもとで各メディアはウラ取りに奔走した。

「各社それぞれの宮内庁人脈に取材する中でその日が『8月8日』であることが判明。場所は、皇居宮殿の『石橋の間』。

 天皇陛下は『忘れてはならない4つの日』として、6月23日の沖縄戦終結の日、広島・長崎への原爆投下の日(8月6日・9日)と終戦記念日(8月15日)を大切にされていることから、それらの日を避けたようです」(同前)

 しかし、会見日と場所以外の情報は錯綜した。

「陛下が10分程度のお言葉を事前に収録し、録画を流すという説、生放送でお気持ちを述べられるという説が広まった。発表の時間についても『おそらく午後』という情報しか出てこない。NHKは午後7時のニュースにギリギリ間に合う時間帯での情報解禁を希望し、民放は夕方の時間帯を求めたようだ」(同前)

「公式には何も決まっていない」はずの会見を巡って現場がこれほど混乱したのは、今回の天皇会見が前代未聞の出来事だったからに他ならない。

「通常、お言葉は宮内庁の事務方が原案を作成し、それに陛下が目を通す。その後、宮内庁長官らのチェックを経た上で会見の前に宮内庁記者クラブに文書配布される。

 しかし、今回は事前に文書の形で『お言葉』が配られるのかもなかなか決まらなかった。我々宮内庁番が戸惑ったのは仕方ない。国民に与える影響の大きさの反面、陛下が何を話されるのか最後まで分からないままだったという状況を“平成の玉音放送”と表現する関係者もいました」(別の宮内庁担当記者)

関連記事

トピックス

人気シンガーソングライターの優里(優里の公式HPより)
《音にクレームが》歌手・優里に“ご近所トラブル”「リフォーム後に騒音が…」本人が直撃に語った真相「音を気にかけてはいるんですけど」
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン
笑顔に隠されたムキムキ女将の知られざる過去とは…
《老舗かまぼこ屋のムキムキ女将》「銭湯ではタオルで身体を隠しちゃう」一心不乱に突き進む“筋肉道”の苦悩と葛藤、1度だけ号泣した過酷減量
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
“ボディビルダー”というもう一つの顔を持つ
《かまぼこ屋の若女将がエプロン脱いだらムキムキ》体重24キロ増減、“筋肉美”を求めて1年でボディビル大会入賞「きっかけは夫の一声でした」
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン