「鳥型サブレー大図鑑」というWebサイトで発信を続ける高橋和也さん
全国の菓子店を巡り、鳥の形をしたサブレーをはじめとしたお菓子を全国から集め、それを「鳥型サブレー大図鑑」というWebサイトで発信している人がいる。鎌倉在住の高橋和也さん。10年前からコツコツと集め始め、現時点でその種類はなんと3468種類(2025年10月20日時点)。高橋さんはなぜ鳥型のお菓子に魅了されたのか。話を聞くと、時代の変化と密接な関係があった。“新作”を追い求め、全国に車を走らせる──まさに「鳥型サブレーと共にある日々」について、高橋さんに取材した。【前後編の前編】
横浜の洋菓子屋さんの閉店がきっかけ
高橋さんが鳥型のお菓子を集めるきっかけになったのは、10年前に自主開催した「読書に合うお菓子」を探すというイベントだ。
「私はもともと本に関するウェブサイトを運営していて、『読書にちょうどいいお菓子はなにか』というところから参加者がお菓子を持ち寄るイベントを運営していたんです。
ある時、地元の銘菓・鳩サブレーに目をつけ、調べていると、全国には鳩サブレーに似た鳥型のお菓子がたくさんあることがわかって。読書とは関係なく、それらを集めて食べくらべをしてみると楽しいんじゃないか、と思って新しく鳥型サブレーだけのイベントを始めました」(高橋さん、以下同)
こうして2016年に地元の鎌倉にある会員制図書室で始めた『鳩サブレー選抜総選挙』は、年々エントリーするお菓子の種類を増やしながら3年間続いた。
「イベントの主催は私ひとり。会費を集めてはいたものの、次第にお菓子の仕入れ代がバカにならなくなってしまって(笑)。採算が取れなくなったので、3年で辞めることにしました。でもせっかく集めた全国の鳥型クッキーの記録はとっておきたい。そう思って2020年に『鳥型サブレー大図鑑』というウェブサイトを作りました」
