神戸市立王子動物園で飼育されていたジャイアントパンダ「コウコウ（興興）」が急死した。9月9日、精子採取のため麻酔をかけたところ、数時間後に心肺停止したという。
コウコウの死を悼む声は止まないが、一方の中国では、尖閣問題にからめた日本批判が噴出。中国のネット掲示板では、「パンダが死んだのは、中国人船長が逮捕された翌日だったよな？」「精子を搾り取って殺すとは、中国人への侮辱だ」といったパンダ暗殺説まで飛び出す始末だ。
これだけなら一笑に付すべき話だが、問題はカネ。中国から借り受けていたため、人為的な原因で死んだと判断された場合、神戸市から中国へ50万ドル（約4300万円）もの支払い義務が生じるというのだ。
王子動物園は、「麻酔の打ち方や量は通常通りで、そこは問題ないと見ております」と説明。しかし、中国から来日した専門家による日中合同調査の結果いかんでは、巨額の血税が支出されることになる。コラムニストの勝谷誠彦氏は、怒り心頭だ。
「中国側の勝手な判断で賠償金を払うとなれば、神戸市民は問題にすべきですよ。そもそも、莫大なレンタル料（パンダ保護活動支援金として年間50万ドル）にしたって、どこに流れているかわからないんだから」
さらに勝谷氏は、中国の「パンダ外交」自体にも疑問を呈す。
「あの国は、レアメタルよろしく“レアアニマル”としてパンダを外交利用しているけど、日本は『そんなに高額ならパンダなんて要らない』というべきです」
見た目はかわいいが、実は猛獣だそうで。
※週刊ポスト2010年10月8日号
