国際情報

金正日長男・正男 父の認知症認め「何が何だか分からない」

 金正日総書記から三男・正恩氏へ。不安定な権力移行期の今、北朝鮮に何が起きているのか。不穏な動きを関西大学経済学部教授の李英和氏が内部情報をもとに解説する。

 * * *
 11月23日に発生した韓国・延坪島砲撃事件は決して緻密な計算に基づく北朝鮮の外交戦術ではない。また、軍強硬派の不満分子が暴走した結果でもない。蛮行の主犯は、金正日の義弟・張成沢(国防委員会副委員長)最側近のひとりで、人民軍トップに上り詰めた李英鎬である。守旧派との長年の権力闘争を勝ち抜き、主導権を握りかけた張成沢派の暴走だ。この点こそが問題の核心部分である。

 もちろん、今回の砲撃は金正日の裁可なしにはあり得ない。だが、心身ともに病魔に侵された金正日がまともな思慮分別をもって署名したとは思われない。実際、韓国有力紙『中央日報』の日曜版は、「北京亡命中」の金正男の次のような発言を紹介している。

「父が認知症の症状を見せ始めてから業務をあまりしない」「過去、父が仕事をするときはすべて、いくら強硬でも、ある種のメッセージがあったが、今はいったい何が何だか分からない」(6月6日付『中央サンデー』)

 ここに事態の複雑さと問題の深刻さが潜む。金正日の判断能力と統率力が減退し、他方で「後継者」の金正恩はまだ使い物にならない。この不安定な権力移行期に、張成沢が持ち前の剛腕に物を言わせて強引な人事を断行してきた。だが、張成沢一派は、アキレス腱の軍部で猛烈な反発に直面している。抗争の行方によっては金正恩が握る「核のボタン」が標的にされかねない。
 
 今回の蛮行が内部要因、それも人民軍内部の人事抗争によるものなら、局外者が解決を模索するのは困難きわまりない。ましてや、中国の勧めに応じ、対話や支援に乗り出したからといって、打開できる性質のものではない。
 私見では、有効な手段は2つしかない。中国はとうの昔に賞味期限の切れた「6者協議」の再開提案を持ち歩くのではなく、北朝鮮との軍事同盟(中朝友好協力相互援助条約)を即刻破棄することである。これで事態の沈静効果がなければ、残された手段はひとつである。
 
 北朝鮮は米韓合同軍事演習に対して「狂犬に棍棒を」と絶叫調で警告を発している。これをそっくりそのまま北朝鮮に返すことである。
 
※SAPIO2011年1月6日号

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン