国内

大メディア ネットでの言論増加に対し完全にパニック状態

 正月に官邸で番記者らを接待するなどマスコミにすり寄る菅政権。しかし、菅政権のマスコミ頼みは、もう国民を欺けない。

 菅首相が1月5日に出演した『報道ステーション』が6.9%の「超」低視聴率に終わったことを見れば明らかだ。「菅の顔など見たくない」という国民の審判であると同時に、既存の大メディアに対する不信感でもある。芸人を集めたバラエティ番組では視聴率を取れても、もはや国政の重大事を記者クラブ・メディアで判断しようという国民は日に日に減っている。それを自覚しているからこそ、テレビのニュース番組はますますバラエティ化し、「クマ出没」「人気ラーメン店」がヘッドラインを飾るのだ。
 
 その一方で、菅氏が「潰したかった」という同日の小沢一郎・元民主党代表のBS11出演は、「視聴率は調べていないが、局へのメールなどの反響は通常の政治インタビュー番組の4~5倍あった」(同社幹部)という。また、昨年末に小沢氏はインターネットのインタビューに出演したが、その視聴者数はのべ20万人を超えている。

 そうした“権威”の失墜に慌て、ニューメディアを敵視する大マスコミは、記者に「ツイッター禁止」を命じたり、閣僚や官庁の記者会見場からニューメディアを追い出そうとしたりと、完全にパニック症状だ。

 朝日新聞などは、広島市の秋葉忠利・市長が、記者クラブ会見ではなく、ネットの動画サイトに退任談話を配信したことに怒り、6段抜きの大きな記事を掲載して(1月6日)、「会見拒否」「真意不明」などと秋葉氏をコキおろした。

 記事に登場する大学院教授のコメントが興味深い。政治家のネット出演は「編集されたり、批判的なコメントを加えられたりすることを嫌がる権力者に都合のよい手法」だというのだが、そういえば小沢氏は、テレビ出演の条件を「編集されないこと」としていた。その条件をのむ局がなかったからネットに出演したのだが、「そのまま放映」と「編集」が、権力者とメディア、国民の誰にとって都合がよいのか、難しい問題だ。

※週刊ポスト2011年1月28日号

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン