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糖尿病の新薬は1日1回のむだけ 副作用で太る心配も低下

 糖尿病患者の生活を大きく変えると期待されているのが、2009年に発売された新薬“DPP-4阻害薬”だ。多摩センタークリニックみらいの糖尿病専門医・宮川高一さんは、その有効性について、こう話す。

「いままで、さまざまな糖尿病薬が登場してきました。そのため、以前はHbA1c値を下げるために、10の努力が必要だったのが、半分になり、さらに、10年ぶりの新薬としてDPP-4阻害薬が登場したことで、3~4くらいの努力をすれば、改善が期待できるようになったのです」

 DPP-4阻害薬とは、消化管から分泌されるホルモンの量を増やし、血糖値の上昇を抑えるのみ薬のこと。発売後1年を経て、この1月から長期処方が可能となった。

「DPP-4阻害薬は、1日1回のめばよい点もメリットです。DPP-4阻害薬の『ジャヌビア錠』を処方した女性患者のひとりは、『服薬が楽になり、気持ちの負担が減った』といっています」(宮川さん)

 これまでの糖尿病治療薬には、“太る”という副作用がつきものだった。一方で、DPP-4阻害薬は“体重を増やさない”という点も特徴。

「女性は年齢とともに太りやすくなりますから、服薬のストレスだけでなく、肥満の心配から解放されるのも、大きなメリットです」(宮川さん)

 DPP-4阻害薬は、1か月で自己負担が1500~2000円と、やや割高だが、「糖尿病の状態や経済性も考慮しながら、使う価値は大いにある。将来的には、糖尿病薬のうち、DPP-4阻害薬が35~40%を占めると予想されます」と、宮川さんはいう。

 今後も患者数の増加が見込まれる糖尿病。患者であってもなくても、食事と運動、体重の調整が解決策の要であることには変わりない。ただし、もし発症してしまった場合、いい薬を使うことで、過大なストレスから解放される可能性があるということが、いまの日本人にとって、朗報であることは間違いない。

※女性セブン2011年2月3日号

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