国際情報

かつて盧武鉉氏と激突した朴槿恵氏が女性大統領になる可能性

韓国で次期大統領の呼び名が高い、与党ハンナラ党の元代表・朴槿恵氏。盧武鉉(ノムヒョン)前大統領と激論を交わしたこともあったが、今年は彼女の動きに要注目だと、元産経新聞ソウル支局長の黒田勝弘は指摘する。

* * *
韓国マスコミは年初から、早くも次期大統領選に向けた下馬評に余念がない。与野党の候補者群に対する支持率を競って伝えているが、いずれの世論調査でも与党ハンナラ党の元代表・朴槿恵が圧倒的人気だ。これはこの数年、変わっていない。

では朴槿恵はこの流れの通り、次の大統領に確実になれるか? 保守政権は延長するのか? しかし圧倒的な朴人気にもかかわらず、政界やマスコミを含め「イエス!」の答えはまだ多くない。

故朴正煕大統領の長女として、すでに20代のころから亡き母に代わってファーストレディを務め、政界に転じてからも10年以上になる。党代表もやり、選挙遊説ではテロにも遭遇している。

今やハンナラ党も李明博大統領も、彼女の意向抜きには物事が動かせないほどの力を持っている。そして彼女自身、李明博政権の政策には与党でありながら是々非々で対応し、自己主張が目立つ。次期狙いを念頭に、李政権との差別化を印象付けているのだ。

彼女の物腰や品格からすると、今すぐでも大統領をやれるだけの雰囲気がある。韓国で初の女性大統領となると、やはり彼女しかない。いささか先走っていえば“朴槿恵大統領”の誕生は、お隣日本にとっては「韓国にまたやられた!」となるかもしれない。政治も韓流へ?

しかし朴槿恵にとってゴールまでにはいくつかのハードルがある。まず女性というハンディ。女性が女性候補を意外に支持しないという伝統(?)を、どう打ち破れるか。

女性指導者として必須の「決断力とやさしさ」の持ち主というイメージを目指し、李政権の政策にも時に反対して「原則を守る断固とした姿勢」や、さらに最近は“福祉国家”論を主導して「やさしさ」を印象付けているが……。

しかし今後、最も大きな課題は対北朝鮮問題だ。煮ても焼いても食えない(?)北の金正日・金正恩独裁体制といかにタフに戦えるか。彼女は過去、1回だけ平壌を訪問し金正日総書記と会ったことがあるが、この「会ったことがある」という“情緒”に流されると北にしてやられる。

北に対しても「原則を守る断固とした姿勢」が貫けるか。原則と変化を調和させた、北にだまされない対北政策をどう構想するかが、最大のハードルだ。

※SAPIO2011年2月9・16日号

トピックス

バラエティー番組『孝太郎&ちさ子 プラチナファミリー 華麗なる一家をのぞき見』
コシノ三姉妹や石原4兄弟にも密着…テレ朝『プラチナファミリー』人気背景を山田美保子さんが分析「マダム世代の大好物をワンプレートにしたかのよう」
女性セブン
“アンチ”岩田さんが語る「大谷選手の最大の魅力」とは(Xより)
《“大谷翔平アンチ”が振り返る今シーズン》「日本人投手には贔屓しろよ!と…」“HR数×1kmマラソン”岩田ゆうたさん、合計2113km走覇で決断した「とんでもない新ルール」
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン