ライフ

早期大腸がんは電気メスの「内視鏡的粘膜切除術」で根治できる

 粘膜固有層に留まっている大腸がんは転移の危険性はないため、内視鏡による治療が可能だ。粘膜からキノコのように隆起している場合は、根元に輪になった電気メスを巻きつけて通電し、切除する。平坦、あるいは陥凹形状の早期がんについては、がんの下に生理食塩水を注入後、電気メスでがん病巣のみを薄くはぎとる、粘膜切除術で治療が可能だ。

 早期の大腸がんはその形によって隆起型、平坦型、陥凹型(一部が凹んでいる)に分類される。

 がんが大腸表面の粘膜固有層に留まっている場合は転移する危険性は少ないが、その下の粘膜下層に深く浸潤すると転移の可能性が生じるため手術で周囲のリンパ節なども含め切除する必要がある。

 その下の固有筋層に達すると進行がんとなり、肺や肝臓などに転移するリスクが格段に高まる。また、陥凹型のがんは5~7ミリの大きさで粘膜下層に浸潤する傾向にあり、悪性度が高いといわれる。

 国立国際医療研究センター国府台病院消化器光学診療部の為我井芳郎部長の話。

「早期がんは内視鏡で根治できます。キノコのように隆起しているポリープは、根元にスネアという輪になった電気メスをかけて通電し、切除します。平坦型や陥凹型の病変では、粘膜下層に生理食塩水を注入して隆起させ、スネアで切除する内視鏡的粘膜切除術(EMR)で対応が可能です。多くは外来通院で治療が可能で、安全性もほぼ確立されています」

取材・構成■岩城レイ子

※週刊ポスト2011年2月18日号

関連キーワード

トピックス

試練を迎えた大谷翔平と真美子夫人 (写真/共同通信社)
《大谷翔平、結婚2年目の試練》信頼する代理人が提訴され強いショックを受けた真美子さん 育児に戸惑いチームの夫人会も不参加で孤独感 
女性セブン
藤川監督と阿部監督
阪神・藤川球児監督にあって巨人・阿部慎之助監督にないもの 大物OBが喝破「前監督が育てた選手を使い、そこに工夫を加えるか」で大きな違いが
NEWSポストセブン
「天下一品」新京極三条店にて異物(害虫)混入事案が発生
【ゴキブリの混入ルート】営業停止の『天下一品』FC店、スープは他店舗と同じ工場から提供を受けて…保健所は京都の約20店舗に調査対象を拡大
NEWSポストセブン
海外から違法サプリメントを持ち込んだ疑いにかけられている新浪剛史氏(時事通信フォト)
《新浪剛史氏は潔白を主張》 “違法サプリ”送った「知人女性」の素性「国民的女優も通うマッサージ店を経営」「水素水コラムを40回近く連載」 警察は捜査を継続中
NEWSポストセブン
ヒロイン・のぶ(今田美桜)の妹・蘭子を演じる河合優実(時事通信フォト)
『あんぱん』蘭子を演じる河合優実が放つ“凄まじい色気” 「生々しく、圧倒された」と共演者も惹き込まれる〈いよいよクライマックス〉
週刊ポスト
石橋貴明の現在(2025年8月)
《ホッソリ姿の現在》石橋貴明(63)が前向きにがん闘病…『細かすぎて』放送見送りのウラで周囲が感じた“復帰意欲”
NEWSポストセブン
決死の議会解散となった田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
「市長派が7人受からないとチェックメイト」決死の議会解散で伊東市長・田久保氏が狙う“生き残りルート” 一部の支援者は”田久保離れ”「『参政党に相談しよう』と言い出す人も」
NEWSポストセブン
ヘアメイク女性と同棲が報じられた坂口健太郎と、親密な関係性だったという永野芽郁
「ずっと覚えているんだろうなって…」坂口健太郎と熱愛発覚の永野芽郁、かつて匂わせていた“ゼロ距離”ムーブ
NEWSポストセブン
新潟県小千谷市を訪問された愛子さま(2025年9月8日、撮影/JMPA) 
《初めての新潟でスマイル》愛子さま、新潟県中越地震の被災地を訪問 癒やしの笑顔で住民と交流、熱心に防災を学ぶお姿も 
女性セブン
自民党総裁選有力候補の小泉進次郎氏(時事通信フォト)
《自民党総裁選有力候補の小泉進次郎氏》政治と距離を置いてきた妻・滝川クリステルの変化、服装に込められた“首相夫人”への思い 
女性セブン
ヘアメイク女性と同棲が報じられた坂口健太郎と、親密な関係性だったという永野芽郁
《初共演で懐いて》坂口健太郎と永野芽郁、ふたりで“グラスを重ねた夜”に…「めい」「けん兄」と呼び合う関係に見られた変化
NEWSポストセブン
2泊3日の日程で新潟県を訪問された愛子さま(2025年9月8日、撮影/JMPA)
《雅子さまが23年前に使用されたバッグも》愛子さま、新潟県のご公務で披露した“母親譲り”コーデ 小物使い、オールホワイトコーデなども
NEWSポストセブン