東日本大震災で損傷した福島第一原発の事故に伴う電力不足により、東京電力管内では今夏のピーク時の電力確保が危惧されている。経営コンサルタントの大前研一氏は、真夏の節電術についてこう語る。
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現在の東電の供給力は3950万kwで、夏のピーク時の需要は6000万kwである。休止している火力発電所の再開や揚水発電のフル稼働などで供給力を増強しても、4700万kwが限界だろう。ということは最大25%の需要削減が必要となる。
その方策としては、●サマータイムの導入●曜日の平準化(企業は「土日休み」をやめて1週間のうち5日間ずつ、希望の曜日に営業・操業する)●高校野球・夏の甲子園中止(または放送中止)●一般家庭より割安に設定されている大口需要家の料金アップ●15%削減しない個人・法人に超過料金のペナルティを課す●午前8時~午後6時の料金を倍にする●夏休みを7~9月に平準化する―などが考えられる。
それでもブラックアウト(大停電)の恐れがある時は「停電警報」を発令する。これは使用可能電力の上限まで残り5%を切ったら、テレビや携帯電話で地震警報と同じように「停電寸前です。使用中の電気を止めてください」と警報を流し、エアコン、テレビ、電灯、パソコンなど緊急性の低い電化製品の使用を止め、5階以下のエレベーターも止めて停電を回避する。ただし、電気が必要な商売や産業は原則継続して構わない。こうした柔軟性のあるやり方に、今からでも変えるべきなのである。
※週刊ポスト2011年4月22日号