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キッザニアが米国の子供に受けぬ理由 給料の安い仕事はイヤ

 おぐにあやこ氏は1966年大阪生まれ。元毎日新聞記者。夫の転勤を機に退社し、2007年夏より夫、小学生の息子と共にワシントンDC郊外に在住。著者に『ベイビーパッカーでいこう!』や週刊ポスト連載をまとめた『アメリカなう。』などがある。おぐに氏が、アメリカの「職業意識」を解説する。

 * * *
 メキシコ発の職業体験型テーマパーク「キッザニア」が日本上陸した時、アメリカに暮らす友人に、「どうして隣のアメリカでオープンしないんだろ」と聞いたことがある。口の悪い彼女の返事は、「医者や弁護士ならともかく、移民のやるような給料の安い職業にあこがれ、体験したがる子なんていないからじゃない?」だった。

 その「キッザニア」だが、東京、ドバイ、韓国など世界各国でフランチャイズが大成功を収めており、とうとうアメリカでも数年以内にオープンするらしい。これを告げるアメリカ人向けのニュースを読んで、思わず苦笑しちゃった。記事に添えられていたのが「外科医」を体験する少年の写真だったから。

 でもまあ、息子に「職業に貴賤なし」と説教しつつ、一方で「勉強し、大学に行けば、あなたの将来の選択肢が増えるのよ」などとビミョーな言い方をしてる私は、結局、理科の先生と“同じ穴のムジナ”かもなぁ。

※週刊ポスト2011年6月24日号
(「ニッポン あ・ちゃ・ちゃ」第149回から抜粋)

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