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本宮ひろ志 手塚治虫にケンカ売り二度と口利いてもらえず

『サラリーマン金太郎』『俺の空』『男一匹ガキ大将』など数々の名作を世に送り出してきた漫画家の本宮ひろ志氏だが、彼の姿を漫画関係のパーティーで見ることはまずない。プロインタビュアーの吉田豪氏とのインタビューで、本宮氏はその理由をこう明かしている。

 * * *
吉田:そういえば、漫画関係のパーティーで本宮先生の姿を見ることがまずないのって、なぜなんですか?

本宮:もういいよ。パーティーは。昔、手塚賞のパーティーで珍しく審査委員長の手塚(治虫)さんが出てきて、「いまの若手は人気ばっかり気にして描いてるから、それはよくない」って言ったことがあるの。

吉田:そのとき本宮先生が喧嘩を売ったんですよね?

本宮:なんか言ってるとは思ったけど、挨拶をちゃんと聞いてなかったんだよね。俺が選考の発表だったんで、いきなり「漫画で一番重要なのは人気だ」って言っちゃってさ(笑)。

吉田:ダハハハハ! 喧嘩売る気はなかったんですか?

本宮:いや、相手神様だけど、べつにいいやと思って、「漫画で一番重要なのは人気で、最初はみんな並なんだから、人気を出すことによって化けていくことができるから、とにかくお前らは人気を取れ」って言って。そしたらシーンとなっちゃったわけね。

吉田:そりゃあなりますよ。

本宮:手塚さんが俺を睨んでるんだよ。それっきり口も利いてくれなくなった。

吉田:あ~あ!

本宮:でも、手塚さんが言ってることもホントだし、俺が言ってることもホントだと思うしね。ちゃんと人気を取って自分の立場を作ってから好きなもの描けよ、みたいなのもあるし。

吉田:手塚さんも晩年まで人気はあったわけですしね。

本宮:あの人ぐらい人気を気にする人いないでしょ。

※週刊ポスト2011年7月8日号

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