国際情報

中国宇宙開発 メンバー構成が共産党支配時代の終焉物語る?

江沢民前国家主席の容体が深刻な状態にある中国。その社会の裏側では、確実に変化する同国の内部事情が透けて見える。ジャーナリスト・富坂聡氏がレポートする。

 *  *   *
経済発展はしているものの格差など問題を抱える中国では、国民をまとめるための国威発揚のイベントが欠かせない。

共産党創立九十周年を祝う今年は、北京―上海を結ぶ高速鉄道がクローズアップされたが、本来、この役割は軍事が担ってきたものだ。

古くは原爆実験の成功であり、最近では空母建造や宇宙開発である。とくに通常兵器での不利を最先端の技術一本に絞って対抗する戦略を取ってきた中国は、宇宙でアメリカをキャッチアップすることを大きな目標に据えてきた。この目標は着々と進められている。

今春には、嫦娥二号が月探査任務を完了。今後チャレンジが予定される嫦娥三号・四号による月面軟着陸の条件を整えたとされる。

さらに六月には宇宙ステーション天宮一号と宇宙船「神州八号」による初の無人ドッキング実験のためのプロジェクトもスタートさせた。打ち上げは今年後半とされている。

興味深いのは、このプロジェクトの構成メンバー。上海宇宙技術院で行われた「天宮一号」試験チーム委員会の結成式に参加したのは九十七人。で、このうち共産党員は何人いるかといえば、答えはたった五十六人。半分とはいかないものの、かなり少ない。

現在、中国における共産党員の割合は約二十人に一人。つまり四十人クラスなら男女一人の学級委員(一学期のみ)と考えれば良い。

こうしてみれば狭き門だが、こうした国家の威信を担うプロジェクトでは、この比率がぐっと高まるのがこれまでの中国。しかも、宇宙技術は軍事機密と隣合わせだ。

それなのに共産党員の割合がこの程度とは、中国の共産党支配も変わってきたということか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《巨人の魅力はなんですか?》争奪戦の前田健太にファンが直球質問、ザワつくイベント会場で明かしていた本音「給料面とか、食堂の食べ物がいいとか…」
NEWSポストセブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン