国内

被災地ニセ医者「確認せず自分を取り上げる朝日新聞はアホ」

天下の朝日新聞が騙された。一体、どんな男にしてやられたのかと思いきや。本誌が直撃すると、関西弁を捲くし立て、自らの嘘を棚に上げ「マスコミはいいかげんやからね」と放言する。う~ん。見るからに怪しい。世間を騒がしたニセ医者は悪びれずにこう言うのだ。

「朝日だけやない。テレビのワイドショーも俺を取り上げとったなァ。でもアレ、やらせやで。『熱中症の人いませんか?』ってその場でADが具合の悪い人を探して、撮りたい絵だけ撮影して帰っていったからな」

朝日新聞の「ひと」欄に、ボランティア団体代表「米田きよし」を名乗る男が登場したのは8月10日のことだった。こう綴られている。

〈ボランティアの専属医を務める〉〈本来はカナダの小児救命救急医〉〈休暇帰国中に大震災に遭遇〉……だが、全てが真っ赤な嘘。朝日は2日後、〈「ひと」欄で紹介、おわびします〉と題した訂正記事を出す異例の騒動となった。さらに男はこう続ける。

「朝日ともあろうものがなァ。どこの馬の骨かわからない人間を、確認せずに取り上げるのはどうなんやろう。向こうがアホやろ。僕は韓国で生まれた北海道育ち。海外の大学で医師資格をもっているのはホントです。ただし、インターンは終わっても現場には出えへんかったけどね」

記事担当者は、30代後半の女性記者だという。以前は検察担当で小沢一郎氏を起訴に追い込んだ「真実を求める会」を他紙に先がけ取材するなど、「優秀」と評判の記者だというが、面目も丸つぶれだ。男は笑う。

「僕は狸ですよ。全部、計算でやっとるからね」

ただし、男の詭弁による被害は決して笑えるものではない。ニセ医療を施された人たちの健康不安もさることながら、日本財団は、男が所属するというボランティア団体に100万円を助成している。男の違法行為を近くで見ていたボランティアは憤りを露わにする。

「あの男は医師を装い、お年寄りの血圧を測って、『これは高い、死んでもおかしくはない。あとで降圧剤を届けさせるから飲んどいてや』と。今から考えれば恐ろしい行為ですよ。

彼が活動拠点としていたキャンピングカーの車内には、医師しか処方できない医薬品があった。それで信じてしまったんです」

米田きよしこと米田吉誉(よしたか・42)は19日、医師法違反容疑で宮城県警から逮捕された。キャンピングカーも警察から押収された。

※週刊ポスト2011年9月2日号

関連記事

トピックス

雅子さまが三重県をご訪問(共同通信社)
《お洒落とは》フェラガモ歴30年の雅子さま、三重県ご訪問でお持ちの愛用バッグに込められた“美学” 愛子さまにも受け継がれる「サステナブルの心」
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
「とにかく献金しなければと…」「ここに安倍首相が来ているかも」山上徹也被告の母親の証言に見られた“統一教会の色濃い影響”、本人は「時折、眉間にシワを寄せて…」【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン