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2011.10.05 07:00  週刊ポスト

鉢呂前大臣「死の町でなくゴーストタウンといえばよかった」

震災から7か月。チェルノブイリに比して34倍の放射線量とされる福島第一原発の地元・双葉町。この町を「死の町」と呼んで、その後経済産業大臣の職を辞した鉢呂吉雄前大臣に、作家の山藤章一郎氏が話を聞いた。

* * *
県道沿いの雑木林の際に、プレハブが並んでいる。6棟48世帯が暮らす南相馬市の応急仮設住宅である。駐車場に車は停まっているが、ここにも人の姿はない。

だが目を凝らすと、雨降りの暗いガラスの向こうでテレビの明かりがちらちらしている。

9日で大臣を辞任した鉢呂氏も人影のないこの南相馬市を視察した。辞任の4日後、議員会館で話を聞いた(以下「 」内は鉢呂氏の談)。

「ぼくの素直な気持ちでね、あの言葉しか浮かばなかった。ことにバスで20分ほどまわった原発の地元は『死の町』としかいえないものでした。『ゴーストタウン』といえばよかったのかな。

県知事、南相馬市の市長、双葉町長など14市町村の長と話して、除染の問題を中心に、福島の再生なくして日本の元気はないという思いを強くしたんです」

今回の非難は的外れで醜怪な騒動だった。煽り新聞テレビが背中から斬りつけ大臣のクビが飛んだ。

記者会見を一部抜粋してみる。

私(鉢呂)は、事故現場、除染地域を朝6時から夜11時までまわってきた。厳しい状況だが、現場の作業員、管理の方々、思いのほか明るく働いておられて感謝する。

そしていう。

「残念ながら周辺の町村の市街地には人っ子ひとりいない、まさに死の町という形でございました」

しかしながら、この困難な事態を改善に結びつけていくよう政府は全面的にバックアップする、と。どういう支援か。

「たとえば1日3時間なら3時間、防護服を着て放射能に強い作物を育てる〈通い作〉など、安全の度合いを測りながら、農業や経済活動ができないものか。

先週、横路衆議院議長がチェルノブイリを訪問して事故現場400メートルまで行ってきた。彼がいうんです。25年経ったけど、3キロ圏内に帰る目処はまだ立っていないと。福島はそこまで待てません。

英知を集めて、除染する。『死の町』については感情を害した人がいるわけだから、素直に謝ります」

※週刊ポスト2011年10月14日号

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