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足立区一家放火殺人事件 27才鬼妻が孤独のはけ口として虐待

8月4日午前1時20分ごろ、東京・足立区にある7人暮らしの3階建て一軒家で起きた火災で、石川和男さん(享年36)、長女・心愛ちゃん(享年7)、和男さんの兄・典宏さん(享年42)の計3人が死亡した。警察署に出頭したのは、和男さんの妻であり、心愛ちゃんの母である、石川昭子容疑者(27)。

「昭子容疑者は“子育てや義理の両親との関係に悩んでいた”などと供述しています。同居していた義父母もやけどなどの怪我を負いましたが、昭子容疑者はこの2人も殺そうとしていたようです」(警察関係者)

昭子容疑者が和男さんと結婚したのは、彼女が19才のとき。出会い系サイトで知り合った末の、“できちゃった婚”だった。

心愛ちゃんが小学校に上がったのをきっかけに、昨年4月ごろから東京・渋谷区にある和男さんの実家で義理の両親と義兄と同居を始めた。だが、そこでの暮らしは、昭子容疑者にとってつらいものだったようだ。

「もともとでき婚だったために、お義母さんは彼女のことをよく思っていなかったようです。“式も挙げてないし、あんな嫁がどうしてうちに”なんてぼやくこともありました」(近隣住民)

ふたりの間に会話はまったくといっていいほどなく、昭子容疑者が義母に何かいいたいことがあるときは、心愛ちゃんを通じて伝えていたという。それゆえ、心愛ちゃんと義母の関係も次第にぎくしゃくするようになっていった。

自分を受け入れてくれず、孫にも距離を置く義母との生活。唯一の味方になるはずの夫も昭子容疑者の心のよりどころにはならなかったようで、ケンカが絶えず、いい争いも増えていった。どんどん孤立していく昭子容疑者は、次第にひきこもりのような状態になっていった。

「義理の両親とは食事も別々。彼女はだんだんご飯もつくらなくなって、ほとんど毎日、コンビニ弁当だったんじゃないですかね。彼女を外で見るときは、コンビニに行くときだけでした」(近隣住民)

さらに昭子容疑者は、食事の用意だけでなく、家事もしなくなってしまったようだ。

「心愛ちゃんの学芸会のときの服がシミだらけで汚れたままだったんです。普通のお母さんだったら、きちんとした服を着せると思うのですが、本当にかわいそうでした」(小学校の保護者)

そして、孤独のはけ口として、昭子容疑者が走ったのが虐待だった。長男に暴行を加えたとみられており、昭子容疑者が折檻するような声が近隣には聞こえていたという。

そんな生活を変えようとするかのように、一家が足立区に引っ越したのは、今年7月末のことだった。しかし、昭子容疑者の孤独は限界に来ていたのだろう。8月2日には自宅でボヤ騒ぎを起こし、その2日後、ついに殺意が弾け、家族が暮らす家に火を放った。彼女は警察にこう話しているという。

「疎外されていると感じ、家族に注目してもらいたかった」

そして犠牲となった3人の命。その重さを悔いても、もう遅い。

※女性セブン2011年11月17日号

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