国内

大王製紙前会長 自己破産でもチャラにならない85億円地獄

ギャンブルにハマり、子会社から大借金をし、会社法の特別背任の疑いで11月22日に逮捕された大王製紙前会長の井川意高容疑者。106億円ともいわれる借金をいかにして返済するのか。大王製紙関係者はこんな見立てをする。

「当初、井川さんは子会社株などでの返済を申し出ていましたが、非上場の子会社の株では、流通性もなく価値の算定も難しい。脱井川家を推し進める大王製紙の幹部は申し出を拒否したとききます。もはや打つ手がない。だからアノ人、自己破産しようとしているんじゃないですかね……」

子会社7社からの借り入れは計106億円超。その大半をカジノにつぎ込んだ井川容疑者は、既に現金で21億円を返済したが、未済額は85億円。では自己破産で債務を帳消しにできるのか。自己破産手続きに詳しい東京市民法律事務所の木村裕二弁護士の解説。

「破産手続きに際しては、二つの決定が必要です。一つは、資産や収入に対して債務が上回っているから支払いが不可能―つまり現在、“破産状態”にあるかどうかの判断です。もう一つが、申請者の使い方や借り方を鑑みて、支払い責任をなくす“免責”に値するかについての認定。井川容疑者の場合、ギャンブルで財産を浪費しているので免責不許可になる可能性がありますね」

裁判所によって免責許可がなされない限り、弁済義務が解消されることはない。

「一般的に資産で処理しきれなかった金額は、収入の限り、毎月弁済していくしかない。今後、弁済対象(大王製紙)と話しあって、弁済計画を決めていくことになるでしょう」(同)

※週刊ポスト2011年12月9日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン