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深刻だった浦安の液状化被害 下水復旧に1か月、体調悪化も

 津波によって東北地方に甚大な被害をもたらした東日本大震災。その一方で、千葉県浦安市では液状化による被害が発生。2月2日には、浦安市入船地区にある分譲集合住宅「パークシティ・タウンハウスIII」の住民が、液状化対策を怠ったとして分譲販売した三井不動産と関連会社を提訴した。原告であるタウンハウスIIIの全70戸のうち27戸の所有者は、復旧費用など計7億円の損害賠償を求めている。

 原告のひとり、Aさん(65才)はこう話す。

「あの日、歩道のすき間や電柱の脇などいたるところから泥水が噴き出し、この辺り一体が一瞬で“泥の川”になりました。家は傾き、玄関先の階段も泥で埋まってしまいました」

 ライフラインも破壊された。地震以降、電気、ガス、水道が軒並みストップ。とくに困ったのが、トイレだった。

「下水が使えるようになったのは4月末なんですよ。約40日間、屋外に設置されたプレハブの仮設トイレに通ったんです」(Aさん)

 ライフライン復旧後も困難は続いた。傾いた家に暮らすことで、平衡感覚がおかしくなり、体調不良を訴える住人が続出したのだ。

「階段を普通に上ろうとすると、ふらつき、肩が壁にぶつかります。“吐き気がする”“目がまわる”とみんな毎日のように口にしています。私は過去に心臓の手術を3回しているのですが、生活のストレスが原因で、不整脈の発作がひどくなり病院に通うようになりました」(Aさん)

 しかし、このころはまだ訴訟の動きはなく、「家族を失った東北地方の被災者に比べれば」と我慢している人が多かったという。

※女性セブン2012年3月1日号

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