国内

カネ欲しさに暴力団組長をかばったよれよれの参院議員がいた

 芸能界と暴力団の関係が話題になる昨今だが、暴力団と繋がりがあったのは何も芸能界だけではない。ジャーナリスト・溝口敦氏の新刊『抗争』(小学館101新書)によると、暴力団組長(加茂田重政・加茂田組組長)に借金をしていた参院議員もいたという。(文中敬称略)

 * * *
 加茂田は1982年6月、常習賭博容疑で大阪府警から指名手配されたことがある。このとき負債十億円といわれた参院議員・塚田十一郎(新潟選出)に「五〇〇万円の手形の期限切れを待ってやろう。そのかわり大阪府警に行って、俺のアリバイを証明してこい」と同議員を大阪府警に差し向けている。

 塚田はバカ正直に府警の刑事部長に面会を求めたが、結局は刑事庶務課長との面談に漕ぎつけ、「加茂田組長は賭博をやったとされる日、別のところにいたと聞いている。調べ直したらどうか」と言ったものである。

 このことから加茂田の力は国会議員さえ動かすほど大きかったと見ることも可能だろうが、実際は単に塚田十一郎がよれよれだったにすぎない。当時、塚田は美空ひばりの母親や、歌手のアイ・ジョージなど手当たり次第に借金を重ね、カネにしようと違法ソープランド業者の助命嘆願にまで手を出す窮状で、世間の失笑を買っていた。

 実際その後の経過をみても、塚田のアリバイ証明はなんら効果を発揮せず、嘲笑的に報道されるだけだった。

※溝口敦/著『抗争』より

関連キーワード

関連記事

トピックス

スタッフの対応に批判が殺到する事態に(Xより)
《“シュシュ女”ネット上の誹謗中傷は名誉毀損に》K-POPフェスで韓流ファンの怒りをかった女性スタッフに同情の声…運営会社は「勤務態度に不適切な点があった」
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(時事通信社/読者提供)
《動機は教育虐待》「3階建ての立派な豪邸にアパート経営も…」戸田佳孝容疑者(43)の“裕福な家庭環境”【東大前駅・無差別切りつけ】
NEWSポストセブン
未成年の少女を誘拐したうえ、わいせつな行為に及んだとして、無職・高橋光夢容疑者(22)らが逮捕(知人提供/時事通信フォト)
《10代前半少女に不同意わいせつ》「薬漬けで吐血して…」「女装してパキッてた」“トー横のパンダ”高橋光夢容疑者(22)の“危ない素顔”
NEWSポストセブン
露出を増やしつつある沢尻エリカ(時事通信フォト)
《過激な作品において魅力的な存在》沢尻エリカ、“半裸写真”公開で見えた映像作品復帰への道筋
週刊ポスト
“激太り”していた水原一平被告(AFLO/backgrid)
《またしても出頭延期》水原一平被告、気になる“妻の居場所”  昨年8月には“まさかのツーショット”も…「子どもを持ち、小さな式を挙げたい」吐露していた思い
NEWSポストセブン
初めて万博を視察された愛子さま(2025年5月9日、撮影/JMPA)
《万博ご視察ファッション》愛子さま、雅子さまの“万博コーデ”を思わせるブルーグレーのパンツスタイル
NEWSポストセブン
憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン