国内

原発に賛成? 宗教界で対照的な創価学会と幸福の科学の立場

 3.11以降、「宗教」の存在感が増している。「祈り」という言葉や、「手を合わせる」といった行為を見聞きするのが、これほど多かった1年はないだろう。巨大な自然災害が引き起こした理不尽な現実を前に、人々は理屈ではない何かに救いを求めた。いままさに「宗教」に注目が集まっているが、彼らは原発についてどう考えているのか。本誌は、原発問題へのスタンスについて、アンケート取材を行った。

 * * *
 新宗教界では、公称827万世帯の会員を誇る創価学会の動きが注目される。「SGI(創価学会インタナショナル)の日」である1月26日に、池田大作SGI会長(創価学会名誉会長)が記念提言を行ない、その中で「日本のとるべき道として、原子力発電に依存しないエネルギー政策への転換を早急に検討していくべき」とした。

 創価学会はアンケート取材に対して、池田氏提言と同様の姿勢を示した上で、震災前後でスタンスに「特段の変化はない」(広報室)と回答している。しかし、過去の池田氏の著作を見ると、「原子力が、新たな、将来性あるエネルギー源として平和的に利用されることは、喜ばしい」といった、原発を容認する発言も見受けられる。池田氏は「核廃絶」が持論で、徐々に教団が脱原発依存へとスタンスを修正したように見える。

 対照的なのは、公称信者数1200万人の幸福の科学だ。「安全対策を徹底した上で原発の再稼働を推進し、十分な電力供給量を確保することが重要」(広報局)と、今回の調査対象の中では唯一原発推進の立場を明示。

「エネルギー安全保障上のリスクや、核保有国に対する潜在的な核抑止力」といった観点についても言及し、「化石燃料輸入の激増が日本の経常収支に負の影響を与えている」などの指摘もあった。

※SAPIO2012年4月25日号

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン