国際情報

中国 東京都の尖閣購入計画に態度硬化させ軍艦等派遣も検討

 東京都の石原慎太郎知事が尖閣諸島の購入を打ち出した件について、中国が態度を硬化させている。共産党政権内部ではいまどのような議論が行なわれているのか、チャイナ・ウォッチャーで国際教養大学教授のウィリー・ラム氏が解説する。

 * * *
 北京の中国筋が明らかにしたところによると、中国の外交政策を決定する最高機関「中国共産党中央外事工作指導小組(グループ)」が4月中旬、北京で開かれ、同小組の正規メンバーではない習近平・国家副主席ら3人の軍事委副主席が出席し、尖閣諸島(中国名・釣魚台)問題や南沙、西沙問題など、東シナ海や南シナ海の領土・領海問題で、「軍事的手段も辞さず」との強硬意見が出された。

 習副主席以外の軍事委副主席である郭伯雄、徐才厚の両氏は会議で、異口同音に、石原都知事が打ち出した尖閣諸島の購入計画や、オバマ政権が南シナ海の係争地帯付近の島に海兵隊を駐留させる計画に強く反発。「計画が現実のものとなれば、解放軍は軍艦を派遣し、それらの島々を実効支配すべきだ」と語り、軍事的対抗策をとる必要性を強調した。

 また郭、徐両副主席は会議で、領土・領海問題について「当面は当該国との共同開発という立場をとり、領有権問題は棚上げする」という1978年当時の最高実力者・トウ小平氏が打ち出した大原則に「当時と現在の情勢は違う」として、次のように主張した。

「われわれは共同開発には反対はしないが、共同開発の相手国はその島々が『中国に属している』という原則を明確に認めなければならない」

 つまり、「中国領」であることを前提としたうえでならば、共同開発は認めてもよいが、それ以外の主張は受け付けないという居丈高な内容だ。

 さらに会議では、相手国に「中国領」であることを認めさせるためには、周辺海域に軍艦や漁業監視船、資源探査船などの艦船を頻繁に派遣し、相手国を絶えず威嚇することも決定した。これによって、中国は局所的な軍事紛争の勃発は覚悟しており、「いざとなれば、相手国に軍事的教訓を与える」としている。

※SAPIO2012年6月6日号

関連記事

トピックス

交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
イエローキャブの筆頭格として活躍したかとうれいこ
【生放送中に寝たことも】かとうれいこが語るイエローキャブ時代 忙しすぎて「移動の車で寝ていた」
NEWSポストセブン
優勝11回を果たした曙太郎さん(時事通信フォト)
故・曙太郎さん 史上初の外国出身横綱が角界を去った真相 「結婚で生じた後援会との亀裂」と「“高砂”襲名案への猛反対」
週刊ポスト
伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン