夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(56歳)が私鉄勤務の奥様(55歳)。ご主人は動物に関する珍品を数多く集めています。
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小さなプラスチックケースにひとつずつ入れて書斎に置いてるんですけど、ワケのわかんない物ばかりなんです。
「マンションの3階から落ちて死んだアリ」は、主人の説明によると、「アリは体が軽いから、落下スピードが上がらず、風に吹かれたりして地面に着地する時の衝撃が小さく、落ちても死なないんだよ。実際に実験で30匹落としたら、29匹は死ななかったのに、この1匹だけ死んだ。そんな珍しく体力のないアリがこれなんだ」。
知人から譲り受けたらしいんですが、同じくその知人からで、「1000羽の雀の涙」というのもあります。小ビンに1ccほどの液体が入ってるんです。
「非常にわずかなことを『雀の涙』というように、雀はほとんど涙を流さない。1000羽でやっとこれだけ集めたという労作であり、貴重品だ」
先日は、中国に旅行してきたというその知人から、また貰い物をしてきました。1センチぐらいの黒ずんだ干し肉のような物です。
「何だと思う? パンダのオチンチンだよ。大きな体なのに、こんなに小さいんだなあ。このパンダの名前って珍々だったりして。それにしても、オレって珍品に縁があるなあ」って、アナタ、ご機嫌なのはわかるけど、いい加減、騙されるのはやめて!
※週刊ポスト2012年5月25日号