国内

消費増税法案 成立の命運握る公明党が反対する3つの理由

 国会で消費税法案の審議が始まった。野田政権としては谷垣禎一・総裁率いる自民党と組んで「増税党」を作り法案成立を目指しているものの、民主党、自民党とも党内から反対が続出し、いまや八方ふさがりの状態だ。そこでキャスティングボートを握ってくるのが公明党だ。

 民主、自民それぞれの半分が衆院の本会議採決で増税に賛成したとしても、210程度で過半数(241)には遠く及ばない。公明党の21議席が加わればきわどい勝負に持ち込めるが、その見込みは日に日に薄くなっている。政界情勢に通じた創価学会幹部は明言した。

「3つの理由で公明党は増税に賛成しない。1つ目が選挙日程。民主党の輿石東・幹事長は来夏の衆参同日選を口にした。これは都議選と日程が重なるから絶対に認められず、民主との協力には党内、学会に反対論が多い。2つ目は学会員に消費税が不人気であること。そして3つ目は大阪維新の会との関係。増税に手を貸して自民と選挙を戦うより、反対して維新と共闘するほうが公明党にはメリットが大きい」

 維新の会は増税に反対の立場を取り、公明党とは「喧嘩せず」だ。公明が奪還に燃える大阪の4選挙区、兵庫の2選挙区には候補を擁立しない見通しで、公明にとっては悲願だった「常勝関西の復活」が成る。そして、「二股」かけられた自民が捨てられることになる。

 官僚と記者クラブに踊らされた「増税党」の命運は尽きている。次の選挙では、有権者は誰が増税党だったか、そうでなかったか、しっかり覚えて一票を投じることになるだろう。

※週刊ポスト2012年6月1日号

関連記事

トピックス

『東京2025世界陸上』でスペシャルアンバサダーを務める織田裕二
《テレビ関係者が熱視線》『世界陸上』再登板で変わる織田裕二、バラエティで見せる“嘘がないリアクション” 『踊る』続編も控え、再注目の存在に 
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン
カザフスタン初の関取、前頭八・金峰山(左/時事通信フォト)
大の里「横綱初優勝」を阻む外国人力士包囲網 ウクライナ、カザフスタン、モンゴル…9月場所を盛り上げる注目力士たち10人の素顔
週刊ポスト
不老不死について熱く語っていたというプーチン大統領(GettyImages)
《中国の軍事パレードで“不老不死談義”》ロシアと北朝鮮で過去に行われていた“不老不死研究”の信じがたい中身
女性セブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《ベビーカーショットの初孫に初コメント》小室圭さんは「あなたにふさわしい人」…秋篠宮妃紀子さまが”木香薔薇”に隠した眞子さんへのメッセージ 圭さんは「あなたにふさわしい人」
NEWSポストセブン
59歳の誕生日を迎えた紀子さま(2025年9月11日、撮影/黒石あみ)
《娘の渡米から約4年》紀子さま 59歳の誕生日文書で綴った眞子さんとまだ会えぬ孫への思い「どのような名前で呼んでもらおうかしら」「よいタイミングで日本を訪れてくれたら」
NEWSポストセブン
試練を迎えた大谷翔平と真美子夫人 (写真/共同通信社)
《大谷翔平、結婚2年目の試練》信頼する代理人が提訴され強いショックを受けた真美子さん 育児に戸惑いチームの夫人会も不参加で孤独感 
女性セブン
海外から違法サプリメントを持ち込んだ疑いにかけられている新浪剛史氏(時事通信フォト)
《新浪剛史氏は潔白を主張》 “違法サプリ”送った「知人女性」の素性「国民的女優も通うマッサージ店を経営」「水素水コラムを40回近く連載」 警察は捜査を継続中
NEWSポストセブン
ヒロイン・のぶ(今田美桜)の妹・蘭子を演じる河合優実(時事通信フォト)
『あんぱん』蘭子を演じる河合優実が放つ“凄まじい色気” 「生々しく、圧倒された」と共演者も惹き込まれる〈いよいよクライマックス〉
週刊ポスト
石橋貴明の現在(2025年8月)
《ホッソリ姿の現在》石橋貴明(63)が前向きにがん闘病…『細かすぎて』放送見送りのウラで周囲が感じた“復帰意欲”
NEWSポストセブン
ヘアメイク女性と同棲が報じられた坂口健太郎と、親密な関係性だったという永野芽郁
「ずっと覚えているんだろうなって…」坂口健太郎と熱愛発覚の永野芽郁、かつて匂わせていた“ゼロ距離”ムーブ
NEWSポストセブン
新潟県小千谷市を訪問された愛子さま(2025年9月8日、撮影/JMPA) 
《初めての新潟でスマイル》愛子さま、新潟県中越地震の被災地を訪問 癒やしの笑顔で住民と交流、熱心に防災を学ぶお姿も 
女性セブン