いまや総理候補の筆頭に名を挙げられる、大阪市長の橋下徹氏(42才)。仮に同氏が政権をとったらどんな国になるのか、消費税、教育、原発の3つの角度から検証してみた。
【消費税】アップはなし
民主党の野田佳彦首相(55才)は、現在5%の消費税を2014年に8%、2015年に10%に引き上げることを目標にしている。
一方、橋下氏は消費税アップに反対する立場。今年3月下旬、消費税増税について、「いかにも霞が関が考えそうなことで、乗っかってはいけない」と発言。続けて「財源確保は消費税を上げなくてもできる。地方交付税と補助金を廃止すれば20兆円くらいになる」――つまり無駄の削減をすれば、消費税アップは必要なしと主張している。
【教育】学校同士の競争が激化
橋下氏が特に力を入れているのが教育改革。すでに「学校選択性の導入」「学力テストの公開」「小中学生の留年制」などを掲げている。一貫しているのは、学校にも競争原理を取り入れ、進学実績の悪い学校などを淘汰しようという姿勢だ。『橋下徹 改革者か壊し屋か――大阪都構想のゆくえ』(中公新書ラクレ刊)著者でジャーナリストの吉富有治さんは次のように解説する。
「首相になれば、おそらく国レベルでもこうした『オープン』『競争』の方向を目指すでしょう。ただし、過度の競争強化には注意が必要です。家庭の事情などで勉学に力を入れられない “教育弱者”への配慮が必要となります」
【原発】再稼働には反対でも、将来は「?」
市長就任当初は容認していた原発について、橋下氏は今年1月にテレビ番組で「考え直す」と明言した。以降、関西電力管内の原発再稼働に、「電力需給の徹底検証」など8つの条件を突きつけ、慎重な姿勢を崩していない。
しかし、橋下氏は最終的に“原発容認”へ動くと、吉富さんは予測する。
「原発をすべて止めると経済がマヒしてしまう。橋下さんはリアリストなので、ある程度の暫定的な原発再稼働を許すのでは。その上で将来的に原発を減らしていく“脱原発”の方向を目指すでしょう」
※女性セブン2012年6月7日号