ライフ

ヨーグルト 腸内環境が変わる1週間は同じ銘柄を食べるべき

 少し前まではヨーグルトといえば“なんとなく体にいい”ぐらいの認識だったが、新たな菌が発見されて商品は多様化し、さまざまな働きが期待されるヨーグルトが販売されている。

 都内に9店舗を展開するスーパー『三浦屋』飯田橋店では、乳製品売り場の棚3段をヨーグルトが占め、20種類以上の商品が並ぶ。

「お客様の要望が多く、仕入れ数を倍にした商品もありますし、人気のため1日の仕入れ数が制限されているものもあります。最近は、それぞれのヨーグルトの菌の働きに注目して、購入するお客様も増えていますね」(乳製品担当の田中潤一郎さん)

 ヨーグルトの効果について、大妻女子大学家政学部教授の青江誠一郎さんはこう話す。

「生きて腸まで届く乳酸菌やビフィズス菌入りのヨーグルトの利点は、大きくいって2つあります。生きた乳酸菌やビフィズス菌を腸内に取り込めることと、カルシウムを効率よく摂れる点です。

 腸の中には百種類以上、百兆個以上の腸内細菌が存在します。ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌やビフィズス菌は悪玉菌の働きを抑え、腸の機能を介して便秘の解消や、ダイエットサポート、免疫力アップなど、さまざまなメリットが報告されています」

 店舗には多くのヨーグルトが並んでいる。自分の悩みなどに合わせた商品選びがもっとも旬でおすすめ。

「腸内環境はおよそ1週間で変わります。そこで同じ銘柄のヨーグルトを1週間食べ続けてみましょう。菌が自分に合っていれば腸内細菌が入れ替わり、お腹の張り具合や便のにおい、硬さに変化が生じます。また、いい腸内細菌はビタミンB群などのビタミンを作り、補充する働きもあるので疲労を回復させる力もあり、体が疲れにくくなります。

 ヨーグルトを食べるということは生きた菌を腸内に流し込んでいる状態。食べた乳酸菌やビフィズス菌が自分に合っていれば、腸内を通過している間に酸を放出し、悪玉菌の働きを抑えてくれるうえ、その菌独自の作用も期待できます」(青江さん)

 カルシウムが多く含まれ、その吸収率も高いヨーグルトは、ダイエットの助けにも。

「カルシウムが不足すると、“栄養状態が悪い”と体が認識して脂肪を燃やしにくくなり、結果、脂肪を体に溜めこんでしまいます。そこでダイエット中の人が適量のヨーグルトを摂ってカルシウムを補うと、スムーズなダイエットのサポートにもなるのです」(青江さん)

 いま“腸内改革”を始めなければ10年後の体に影響するというのは、独立行政法人理化学研究所の特別招聘研究員で農学博士の辨野(べんの)義己さんだ。

「加齢とともに腸内の善玉菌が減り、悪玉菌が増えてきます。また、欧米化した食事の影響もあり、現代の40代女性の腸年齢は60才ぐらいかもしれません。肉の食べすぎ、野菜不足、運動不足、アルコールの飲みすぎなどで腸内環境が悪化したままだと大腸がんや糖尿病、肥満、肌荒れなどの原因になり、将来的なリスクが高まります」

 健康的な50代や60代を迎えるためにも腸内改革は必須だ。そのためにヨーグルトを食べることが大切なのだ。

「とはいえ、やみくもにヨーグルトを摂るのではなく、まずは欧米化した食生活の改善をしましょう。肉を1摂ったら、野菜を3摂ることを心がけ、食物繊維を多く摂るようにしましょう。そこにヨーグルトをプラスすると、乳酸菌やビフィズス菌の効果を存分に発揮できる状態になります。

 野菜や海藻、ドライフルーツなどに多く含まれる食物繊維や、バナナや玉ねぎ、きなこなどに多いオリゴ糖は腸内のビフィズス菌のえさになるので、いっしょに食べると、もともといるビフィズス菌が活性化したり、数が増えやすくなります」(辨野さん)

※女性セブン2012年6月14日号

関連記事

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
連敗中でも大谷翔平は4試合連続本塁打を放つなど打撃好調だが…(時事通信フォト)
大谷翔平が4試合連続HRもロバーツ監督が辛辣コメントの理由 ドジャース「地区2位転落」で補強敢行のパドレスと厳しい争いのなか「ここで手綱を締めたい狙い」との指摘
NEWSポストセブン
伊豆急下田駅に到着された両陛下と愛子さま(時事通信フォト)
《しゃがめってマジで!》“撮り鉄”たちが天皇皇后両陛下のお召し列車に殺到…駅構内は厳戒態勢に JR東日本「トラブルや混乱が発生したとの情報はありません」
NEWSポストセブン
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《早穂夫人は広島への想いを投稿》前田健太投手、マイナー移籍にともない妻が現地視察「なかなか来ない場所なので」…夫婦がSNSで匂わせた「古巣への想い」
NEWSポストセブン
2023年ドラフト1位で広島に入団した常廣羽也斗(時事通信)
《1単位とれずに痛恨の再留年》広島カープ・常廣羽也斗投手、現在も青山学院大学に在学中…球団も事実認める「本人にとっては重要なキャリア」とコメント
NEWSポストセブン
芸能生活20周年を迎えたタレントの鈴木あきえさん
《チア時代に甲子園アルプス席で母校を応援》鈴木あきえ、芸能生活21年で“1度だけ引退を考えた過去”「グラビア撮影のたびに水着の面積がちっちゃくなって…」
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
【追悼】釜本邦茂さんが語っていた“母への感謝” 「陸上の五輪候補選手だった母がサッカーを続けさせてくれた」
週刊ポスト
有田哲平がMCを務める『世界で一番怖い答え』(番組公式HPより)
《昭和には“夏の風物詩”》令和の今、テレビで“怖い話”が再燃する背景 ネットの怪談ブームが追い風か 
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンにウジ虫混入騒動》体重減少、誹謗中傷、害虫対策の徹底…誠実な店主が吐露する営業再開までの苦難の40日間「『頑張ってね』という言葉すら怖く感じた」
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
【「便器なめろ」の暴言も】広陵「暴力問題」で被害生徒の父が初告白「求めるのは中井監督と堀校長の謝罪、再発防止策」 監督の「対外試合がなくなってもいいんか?」発言を否定しない学校側報告書の存在も 広陵は「そうしたやりとりはなかった」と回答
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《過激すぎる》イギリス公共放送が制作した金髪美女インフルエンサー(26)の密着番組、スポンサーが異例の抗議「自社製品と関連づけられたくない」 
NEWSポストセブン
悠仁さまに関心を寄せるのは日本人だけではない(時事通信フォト)
〈悠仁親王の直接の先輩が質問に何でも答えます!〉中国SNSに現れた“筑波大の先輩”名乗る中国人留学生が「投稿全削除」のワケ《中国で炎上》
週刊ポスト