芸能

河本準一擁護芸人 「河本のバカヤロー」と言うべきだった

 生活保護の不正受給疑惑で次長課長・河本準一が5月25日に開いた「謝罪会見」で、騒動は“一件落着”に向かうはずだった。ところが沈静化を図ろうとした河本をよそに、事態はエスカレートした。

〈勧善懲悪。俺は嫌い。いじめられてる奴の話を少しは聞けよ〉

 河本とはNSC(吉本興業の養成所)の同期だった「ブラックマヨネーズ」の吉田敬は、河本の謝罪会見後にツイッターでこうつぶやき、それを読んだ人物が〈河本が奪い続けた1億円のせいで命奪われた人もおんねん〉と批判すると、

〈このての人って、なぜこんな物言いしかできひんのやろ。でもおかげで普通の人に感謝できる。ありがとう、食物連鎖の一番下の人♪頑張れよ、食物連鎖の一番下の人!〉

 と、半ばブチ切れたかのように反論のツイートを載せた。この「食物連鎖の一番下の人」という表現が「生活保護の受給者」とも解釈され、ネット上では吉田への大批判が巻き起こったのだ。

 同様に、河本と親しい「オリエンタルラジオ」藤森慎吾は〈笑わせてくれればいいです!〉とツイートし、事務所の先輩である千原せいじはテレビ番組で「河本は福祉事務所と話してやっているから何も問題ない」と、河本を擁護する発言をしたことで反感を買った。

 何とかして河本をかばいたいという彼らの心情は理解できなくもないが、危機管理コンサルタントの田中辰巳氏はこう語る。

「仲間を守りたいなら、世間以上に厳しく“河本のバカヤロー”と叱るのが正解でした。そうすれば河本さんに怒りを抱いている人々も“身内からこれだけ制裁を受けているのだから許してやろう”という気になる。ところが、芸人目線での擁護や“法律違反をしたわけではない”という理屈を語れば、逆に河本さんへの批判は増幅する。

 河本さん自身も千原さんも“法的な問題はない”と強調していましたが、世間の“怒りポイント”を履き違えていた。それが騒動を拡大させた最大の理由でしょう」

「河本問題」の本質は、「法的、あるいは社会的な善悪」ではない。河本の「もらえるものはもらっておけばいい」ともとれる考え方への反発だろう。

※週刊ポスト2012年6月15日号

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン