ライフ

就職できぬ学生 「地頭磨くこと怠っていた」と脳科学者指摘

 超就職氷河期が若者を襲っているといわれて久しい昨今。『ホンマでっか!?TV』でもお馴染みの脳科学者・澤口俊之氏が就活と脳の関係について解説する。

 * * *
 最近の若者を見ていると、「甘すぎる」と思うことがしばしばあります。こんないい方をすると「そんなことはない。ぼくは何十社も受けている」「2年続けて頑張って就活している」などの反論が返ってくるのでしょう。が、私がここでいちばん問題にしたいのは、就職する前に皆が長い期間かけて行ってきたはずの「学業」についてです。

「現代日本になぜ義務教育があるのか?」「専門学校や短大、大学がなぜあるのか?」

 この答えは、社会的・国家的には「人材の育成」のためですが、個々人の観点からみれば、現代日本でリソースを得て結婚し、子育てをするという知識+経験と、能力を育成するためです。

 高校や大学の卒業時点までには就職できる能力を充分に培うべきですし、国もそうした教育をしています。また、保護者の多くのかたがたもそう認識しているはずです。

 つまり、こと日本において高等教育を全うした者であれば、就職に必要な知識は皆、それなりに得ているはずなのです。ところが現実は、就職に成功する若者とそうではない若者がいます。その違いはどこから来るのでしょうか?

 理論的には仮説化できる問題なので、私自身で少々調べたことがあります。その結果わかったことは、「地頭(専門的にはワーキングメモリや実行機能)」の良し悪しが根本要因でした。いうまでもなく地頭とは、専門的知識以前の、社会にうまく順応していく能力のこと。

 就職ができないとか、仕事やリソースが不本意だとか嘆いている若者は、就職するまでにその地頭を磨くことを怠っていたと考えられます。

 幸いなことに地頭は20代前半まではまだ向上可能です。その具体的な方法の最も基本になるのは、運動です。週に1~2時間、ランニングやダンスなど激しめの有酸素運動をしてください。

※女性セブン2012年6月28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン