国内

耐震偽装・ヒューザーのマンション 震災でも全部無事だった

 7年前の耐震偽装事件を覚えているだろうか? あの時、「オジャマモン」の呼び名で大バッシングを浴びたのがマンション販売会社ヒューザーの小嶋進氏(59)。発覚後にマンションを販売した詐欺罪で懲役3年、執行猶予5年の刑が確定した彼が、事件、裁判について振り返る。同氏は現在、弟が経営する都内の不動産管理会社を手伝い、マンションの清掃などを行なっている。

 * * *
 販売中止を子会社に指示した録音テープを提出したんですが、部下がその指示を証言してくれなかったから認めてもらえなかった。当事者に抗弁権はなし、です。国としてはヒューザー・姉歯・イーホームズを一括りに悪者に仕立てるという筋書きで、マスコミがそれを助長し、こちらはそれに乗ってタコ踊りしてしまった(笑い)。だけど(元建築士の)姉歯秀次氏も(建築確認検査機関である)イーホームズの藤田東吾氏もそのときまで会ったこともなかったんだから。

 そもそも国が認可した検査機関でお墨付きをもらって建てていたわけで、国がらみの構造的な問題のはずなのに、国交省は民間の、個人の事件として矮小化しようとした。国会の証人喚問で『いい加減にしてほしいね、国交省も!』と怒鳴ってしまったこともありましたが、提出された国交省の資料に、ヒューザーが販売していない偽装物件までヒューザーのものとされていたから我慢ならなかった。でも、怒ったらますます悪者にされてしまった。

 国会では、イーホームズの藤田社長がこちらだけに責任を押しつけようとするから、『ふざけるな、馬鹿野郎!』と怒ったこともあって、もちろんこれも批判されました。やっぱりね~、教育が足りなかったのかなァ。怒るときはガツンと怒るという信念が国会では通じなかったんだね。

 テレビにもよく出たけど、はなから私を悪者にして責め立ててくるから、ああなったらもう駄目ですね。みのもんたの番組(TBS系『朝ズバッ!』)に部下と一緒に出たときは、部下もヒューザーの耐震偽装マンションに住んでいるという話をしようとしたんだけど、『あんた何しに来たの?』『地震来て潰れるかもしれないのに、どういう気持ちで住んでるの?』とまでいわれて。ちなみに、ヒューザーが販売したマンションは、震災でもすべて無事でした。

※週刊ポスト2012年7月6日号

関連記事

トピックス

国民民主党の玉木雄一郎代表、不倫密会が報じられた元グラビアアイドル(時事通信フォト・Instagramより)
《私生活の面は大丈夫なのか》玉木雄一郎氏、不倫密会の元グラビアアイドルがひっそりと活動再開 地元香川では“彼女がまた動き出した”と話題に
女性セブン
バラエティ番組「ぽかぽか」に出演した益若つばさ(写真は2013年)
「こんな顔だった?」益若つばさ(40)が“人生最大のイメチェン”でネット騒然…元夫・梅しゃんが明かしていた息子との絶妙な距離感
NEWSポストセブン
前伊藤市議が語る”最悪の結末”とは──
《伊東市長・学歴詐称問題》「登場人物がズレている」市議選立候補者が明かした伊東市情勢と“最悪シナリオ”「伊東市が迷宮入りする可能性も」
NEWSポストセブン
日本維新の会・西田薫衆院議員に持ち上がった収支報告書「虚偽記載」疑惑(時事通信フォト)
《追及スクープ》日本維新の会・西田薫衆院議員の収支報告書「虚偽記載」疑惑で“隠蔽工作”の新証言 支援者のもとに現金入りの封筒を持って現われ「持っておいてください」
週刊ポスト
ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン