ライフ

10年前に契約の医療保険 今はほとんど役に立たない可能性も

「家」に次いで「人生で2番目に高い買い物」といわれる保険。しかし、自分や家族が加入している保険について、「保険期間」や「保険金額」、「どんなときに保険がおりるのか」などの内容をきっちり把握している人は意外と少なく、無駄がつきものだ。

 例えば2001年の規制緩和前、多くの人は、「終身保険」の特約(オプション)で医療保障をつけていた。これは、「医療特約」といわれ、月数千円程度の保険料を上乗せすることで、「入院1日につき5000円給付」などの医療保障がつくものだ。

 しかし、この特約だと、メインの契約である「終身保険」の払い込みが終了してしまうと、その後、特約もつけられなくなってしまう。そこで、この「医療特約」とは異なり、医療保障をメインにした「医療保険」が2001年ごろから流行するようになった。

 しかし、医療保険でよくある無駄が、前述の医療特約との「保障かぶり」だ。

 保険会社のセールスマンから、「(医療特約付きの終身保険の支払いが終了してから)60代で医療保険にはいり直すと、高額になりますよ」と誘われ、医療特約に加えて、医療保険にまではいってしまうケースが多いという。

 保険ジャーナリストの鬼塚眞子さんが指摘する。

「医療保険にはいるなら、もともとはいっていた医療特約は解約しましょう。保障を手厚くしたい場合でも、一本化したほうが安くて、内容も充実します」

 医療技術の進歩により、いまでは長期間入院する病気やケガは少なくなっている。手術のため入院をしたとしても1~2週間程度で退院するケースがほとんどだ。がんでも平均1か月で退院できるというデータもある。

 ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんは次のようにいう。

「10年ほど前までの保険は、入院5日目から給付金が出て、最初の4日間は保険金がおりないタイプが主流。入院期間の短い最近の状況では、ほとんど役に立たないことも。見直せば、同じ程度の保険料で1日目から入院給付金が出るものもあります」

 加えてチェックしておきたいのは、入院以外への保障。というのも、昨今の医療は「施設から在宅へ」という流れで、通院での治療や退院後の自宅療養が増えている。例えば、脳卒中にかかったとしたら、入院費よりも退院後のリハビリが長期化し、お金がかかる。通院保障や、病気になったときにまとまったお金が出る一時金保障がないとカバーしきれないことも。保険料の見直しとともに内容の見直しも進めておきたい。

※女性セブン2012年7月26日号

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン