国内

就活生「うつ病だけでなく躁状態にも注意が必要」と専門家

 もはや現代日本の国民病といってよい「うつ病」。内定へのプレッシャーが厳しい就活生も、その例外ではない。しかしなかには「就活躁」になる学生もいるという。作家・人材コンサルタントの常見陽平氏が、就活生の躁うつについてレポートする。

 * * *
 就活生のうつが問題になっています。NPO法人POSSEの調べによると、就活生の7人に1人はうつ病と診断されてもおかしくないことが分かりました。就活の心理的・肉体的負担が大きいと言えるでしょう。

 先日、Eテレの「ハートネットTV」に出演し、「就活期のうつ」というテーマで議論したのですが、番組HPで経験談を募集したところ、実に220通を超える書き込みが寄せられました。「正社員じゃないと人生終わり」という心理的プレッシャー、インターネット化による気の抜けない情報戦になっていることも原因のようです。極度の緊張状態が長時間続くわけですから、うつになりやすい状態だと言えます。

 「みんなが内定を持っているので、大学に顔を出すのも辛い」「なんとか面接まで行っても緊張して怖くて言いたいことがまったく言えない」。そんな声を聞くと胸が痛みます。

 ただ、就活生が気をつけるべきことは、「就活うつ」だけではありません。「就活躁」あるいは「就活躁うつ」に気をつけるべきです。就活が上手くいったと思っているあなたも注意が必要なのです。

 就活はうつ状態だけでなく、躁状態になることも多いのです。例えば、OB・OG訪問で先輩に会って激励される、会社説明会でかっこいい社長に会う、選考に通過する、内定が出るなど、テンションが上がる瞬間もいっぱいです。内定が出た後は、周りにチヤホヤされる機会も多いです。家族、友人からも褒められ、大学のキャリアセンターからも内定者として英雄扱いされ、企業の人事からも可愛がられます。

 さらには…。これは所謂、意識の高い学生wに多いのですが、将来のことを考えている自分、学生をたくさん集めてイベントをやっている自分、ソーシャルメディアで意識の高い発言をしている自分、就活を頑張っている自分を演じ続けることにより、躁状態になることも。

 躁状態は、人間の元々持っている力を超えた能力を発揮することもあると言われていますが、その間につい気が大きくなってまともな判断ができなくなったりもします。また、その反動も怖いです。かっこよく見えるベンチャー企業社長に唆されてブラック企業に入ってしまうなんてことに繋がりかねないわけです。あるいは、頑張りすぎて疲れることも。

「心」とどう向き合うかは現代社会の問題です。自分もそうですし、将来、同僚や部下、時には上司が心の病になることだってあることでしょう。パートナーや友人がそうなることも。「自分は大丈夫」と思わず、心とのつきあい方を若いうちから身につけておきましょう。


関連記事

トピックス

被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン