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ジャンボや石川遼も優勝「太平洋マスターズ」が消滅のピンチ

 昨年はアマチュアの松山英樹、一昨年は石川遼と若手のホープが続けて優勝。ジャンボ尾崎や中嶋常幸、G・ノーマンらが優勝者に名を連ねる男子プロの名門ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」は、今年で40周年を迎える。しかし、その記念すべき大会の開催に暗雲が――。

 同大会は賞金総額1億5000万円、優勝3000万円と高額賞金でも有名だ。男子プロのコーチがいう。

「シーズン終盤(11月第2週)に行なわれるので、逆転賞金王を狙える大会として各選手がコンディションを合わせてくる。また、来シーズンのシード権争いにも重要なトーナメントです。それなのに、今年は8月中旬になっても大会の実施要項すら発表されていない」

 開催計画が滞っているのは、太平洋マスターズの舞台となる名門・御殿場コースを含め17のゴルフ場を保有する「太平洋クラブ」が1月に民事再生手続きを開始したからだ。大会は太平洋クラブと三井住友VISAカード、TBSの共催で、例年、太平洋クラブが事務局を務めているが、現在まで太平洋クラブ再建の目処はまったく立っていない。

 太平洋クラブ関係者がこう気を揉む。

「太平洋マスターズより後のトーナメントのチケットがもう売り出されているのに、チケットも販売できていません。例年なら8月には仕上がっているはずのパンフレットやポスターなどの印刷物は手つかず。毎年各旅行会社が観戦ツアーを企画していたが、それらもどうなるかわからない」

 国内だけではない。海外のビッグネームが招待選手として参加するのもこの大会の魅力のひとつだが、その交渉もまったく進んでいない。

 太平洋クラブの民事再生のスポンサーには大手ゴルフ場運営会社のアコーディア・ゴルフが乗り出し、太平洋クラブは7月2日に再生計画案を提出した。9月25日までに議決権を持つ会員から賛否の議決票が回収される予定だが、一部の会員らが反発し、計画案を阻止する動きを見せている。

 もし反対が過半数を上回れば民事再生案は白紙になり、破産の可能性もある。そうなればコースの維持管理はできなくなり、ツアーの開催は不可能だ。破産を回避するため、次なる手段として会社更生法を裁判所に申請して認められれば、管財人のもとで再生がすすめられることになるが、スポンサーが決定するのは早くても1年後になる。その間は当然、設備投資などは削られ、コースの劣化は免れず、他のコースでの開催なども検討されるという。

 太平洋クラブに大会準備の進捗状況を聞くと、「現在、関係各所の調整中でお答えできない」と回答。一方、スポンサーに名乗りを上げているアコーディアの鎌田隆介社長はこう語る。

「今年で40回を数える歴史あるトーナメントであり、太平洋クラブブランドにとっても極めて大切な大会で、メンバーにとっても華々しい開催はメリットになる。大会成功のために全力でサポートしていきたい。そのためにも、早く民事再生が決定してほしい」

 石川や松山ら、若い力が引っ張っている日本の男子ツアー。経営のゴタゴタが人気に冷や水を浴びせることになってはもったいない。

※週刊ポスト2012年8月31日号

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