国内

すぎやまこういち 今の日本は「日本軍vs反日軍の内戦状態」

 80歳以上限定のオピニオン企画「言わずに死ねるか!」は『週刊ポスト』の名物特集。今回は「ドラゴンクエストシリーズ」等の作曲家として知られるすぎやまこういち氏(81)が、中国・韓国との領土問題に対する政府の対応に苦言を呈する。氏によれば、今の日本は“内戦状態”にあるという。以下、氏の提言と分析である。

 * * *
 この夏、国中を騒がせた尖閣諸島や竹島を巡る中国・韓国との領土問題に関して、政府の対応には憤りを覚える。香港の活動家たちが尖閣諸島・魚釣島に不法上陸した事件では、彼らを逮捕したものの、結局は強制送還して穏便に済ませてしまった。

 こうした対応は世界の“常識”から外れている。どこの国でも領土を侵略されれば、とにかく取り戻しにいく。話し合いで聞かなければ軍事行動に出る。国際法では、領海侵犯され、警告に従わない場合の射撃は認められているからだ。

 例えば韓国政府は、領海侵犯した中国漁船に対して発砲を許可している。人口2万人に過ぎないパラオ共和国ですら、自国の軍隊を持っていないが、警察行動として、中国漁船を射撃して追い払おうとした。

 しかし日本では、海上保安庁による射撃は正当防衛や緊急避難に当たる場合を除いて、原則認められていない。国力はどういう角度から見ても日本の方が強いのに、パラオでもやることをやらないのは、本当に異常なことであると思う。

 国家が国家の体をなすためには、自国の安全保障が第一であることは論を俟たない。国防がきちんとなされ、国家の安全が保たれて初めて、我々国民の生活が成り立つのだ。然るに、最近、結党された「国民の生活が第一」という党名には、椅子から転げ落ちるほど驚いた。この政党の国防意識がどの程度のものか、推して知るべしだろう。

 なぜこんな状況になっているのか。その理由について私は、今の日本国内が「日本軍vs反日軍の内戦状態」にあるからだと考えている。

 一部のメディアを中心とした「反日工作」は、着実に進んでいる。例えば、公教育の場で愛国心を育てるため、国家斉唱・国旗掲揚を行なおうとすれば、思想信条の自由を盾に、自国を愛する行為に「右翼」のレッテルを貼り付け、否定的に報じる。

「脱原発」も同様である。有効な代替エネルギー案を示さずに、その運動だけを大きく取り上げる行為は、産業立国である我が国の国力を削ぐキャンペーンだ。それに日本には、他の国では見られない、自国を貶める「反日」の政治家がいる。それも与党・民主党内に少なくないのだから、嘆かわしい限りである。

 だが、一部の輩やメディアがいくら「反日」を洗脳しようとしても、希望の光はある。それは、若い世代が新聞を読まなくなったことだ。嘆く有識者は多いが、私は逆だと思う。

 新聞やテレビといった既成メディアでは、真の「愛国者」たらんと発言すれば、「軍国主義者」や「右翼」とレッテルを貼られ、攻撃の的にされるため、怖々しか発言できない。一方、ネットでの言論では国を憂いた「日本軍」の方がやや優勢である。今後はこうしたネット世代の台頭が日本の政治を動かし、国を変える力となると感じている。

●すぎやま・こういち/1931年、東京都生まれ。東京大学卒。『亜麻色の髪の乙女』『君だけに愛を』『学生街の喫茶店』など多数のヒット曲を手がける。ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズの全作曲も担当している

※週刊ポスト2012年10月5日号

関連記事

トピックス

アワードディナーに2年ぶりに出席した大谷翔平と真美子さん
《車の座席に向かって手を伸ばし…》「大谷翔平は間違いなくシャイだ」妻・真美子さんへの“大谷式エスコート”に海外ファンが驚いた理由「置いてけぼりみたい…」
NEWSポストセブン
高市早苗首相(写真/Getty Images)
高市早苗首相、“大義なき解散”の影響は皇族方にも “後任候補見つからず引退撤回”の皇室典範改正協議の中心メンバー・額賀福志郎氏は「加齢で記憶力に不安」 
女性セブン
Number_iの平野紫耀
《これだと次回から裏口から出すよ!》平野紫耀の全身ヴィトン姿にファン殺到…“厳戒態勢”の帰国現場で見せた“神対応”と現場の緊迫感
NEWSポストセブン
国民民主党の公認を受けて出馬する予定だった今井優里氏(25)が立候補を辞退(Xより)
《京大卒でモテ系ファッションの才色兼備モデル》今井優里氏(25)、衆院選立候補ドタキャンの裏側「直感を信じる!」“意識高い系”だった大学時代
NEWSポストセブン
神宮寺勇太
Number_i・神宮寺勇太「絶対に匂いを嗅ぐんだから!」ファンらが到着ロビーに密集して警備員が警戒…去り際にスターが見せた別格の“神対応”
NEWSポストセブン
米・ニューヨークで開催された全米野球記者協会(BBWAA)主催の晩餐会に大谷翔平選手と妻の真美子さんが出席(共同通信)
《大谷翔平と晩餐会に出席》真美子さんが選んだイヤリングは1万6500円! 庶民的プライスながらセンス溢れるさすがのセレクト
NEWSポストセブン
トランプ大統領(左)は今年4月に訪中し習主席と会談する予定(写真/AFP=時事)
《米国が台湾を見捨てる日》4月の首脳会談で懸念される“米国は中国が台湾領有を進めても手を出さない”という密約 中国が描く「台湾総統を拘束し政権転覆」のシナリオ
週刊ポスト
中道改革連合の松下玲子氏(時事通信フォト)
《「中道改革連合」が大混乱》菅直人元首相の後継・松下玲子氏「原発再稼働反対です」の炎上投稿の背景に燻る “立憲左派の党内造反”、外国人住民投票権提案で過去に炎上も
NEWSポストセブン
昨年7月に遺体で発見された女優・遠野なぎこ(右・ブログより)
遠野なぎこさん(享年45)が孤独死した自宅マンションの一室に作業服の「特殊清掃」が…内装一新で「新たな入居者の募集へ」
NEWSポストセブン
11の宗教団体に緊急アンケートを実施(創価学会/時事通信フォト)
《11大宗教団体緊急アンケート》高市政権と「中道」の評価は? 長年のライバル関係ながら新党を支援する側に立つ創価学会と立正佼成会はどうするのか
週刊ポスト
書類送検されたことが報じられら米倉涼子
米倉涼子、近く表舞台に復帰へ…麻薬取締法違反の容疑で書類送検も「一区切りついたと認識」で進む映画の完成披露試写会の最終調整 メディアの質問はNGに
NEWSポストセブン
茨城県水戸市のアパートでネイリストの小松本遥さん(31)が殺害された事件で1月21日、元交際相手の大内拓実容疑者(28)が逮捕された
“ストーカー魔”大内拓実容疑者の事件当日の足どりを取材 ツーリング仲間の母親は「悪い子じゃない」「友達だったことは間違いないですが…」 《水戸市・ネイリスト女性刺殺》
NEWSポストセブン