ライフ

南伸坊氏が鳩山由紀夫氏、ヨーコ・オノ氏らに扮するエッセイ

【書評】『本人伝説』南伸坊著/文藝春秋/1050円(税込)

 顎に指を添えた哲学者風のスティーブ・ジョブズ、極限まで口角を吊り上げて微笑む松田聖子、トレードマークの帽子と胸の谷間を見せつけるヨーコ・オノ。虚ろな視線の鳩山由紀夫に弾ける鳩山幸。これらはどれも南伸坊が扮した「本人術」の名作だ。

 本書は、著者が73名の有名人の「顔」に扮し、本人になりすました語りを添えた写真エッセイ集。本人術とは、著者いわく〈いわば顔をキャンバスにした似顔絵のようなもの〉。外見を似せることで考え方まで似てきて、本人の疑似体験ができるという「本人術理論」の集大成である。

 登場する有名人に対する著者の捉え方が、似せ方やポーズの取り方、もしくは似ていなさ加減としてにじみ出し、旬の人々の“濃い部分”がこれでもかとクローズアップされる。〈私って何様かしら? おバカ様?〉(蓮舫)、〈要点は5つです。メモして下さい〉(勝間和代)といった語りも秀逸だ。

 似てる、似てると爆笑し、これは似てないのに面白いと感心しながらページを繰り、読後は質のいい世評を読んだ気分になる。

※SAPIO2012年11月号

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン