ライフ

O型の比率が高い国ほど自殺率低く殺人率高いという研究結果

 日本人は血液型と性格や相性を、占いのように楽しんでいるが、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)でもおなじみの脳科学者・澤口俊之氏が、脳科学的観点から血液型について解説する。

 * * *
 心理学でも血液型による性格占いはいわゆる「バーナム効果」を応用したものにすぎないという批判が以前からあります。「バーナム効果」とは、誰にでも当てはまる性格の記述を、さも自分のために診断された内容のように思い込ませる心理学用語です。

 例えば、「あなたは他人から好かれたい、賞賛してほしいと思っていますが、自己批判する傾向があります」といった“診断結果”を受けた場合、そういわれた多くの人たちが「私ってそうだ。これは当たっている」と思ってしまうものです。この実験は、1948年、心理学者・フォアによってなされました。

 つまり、「血液型占い」はその程度のものですが、「言葉によるプラシーボ効果(思い込みの力が状態を変化させること)」の一種ともいえるので、人生にプラスになることもあるでしょう。

 一方、最近私が注目した論文に、「血液型と性格や知能が多少なりとも関係するのではないか」という科学的なデータや仮説があります。そのひとつに人口と血液型(比率も含む)の関係と自殺率・殺人率の関係を51か国で調べた研究があります。

 結果は、O型の比率が高い国ほど自殺率は低く、殺人率は高いというものでした。ただし、血液型以外の多様な要因を充分に調べていないなど問題もあるので、「O型の人は自殺する傾向が低い」とか「O型の人は殺人する傾向が高い」などと一概にいうことはまだできません。

 この他にも、知能に関する研究では、「B型の女子(子供)は他の血液型に比べてIQが低く、逆にB型の男子(子供)はIQが高い」という論文が15年ほど前に出ていますが、これも、ある特定の地域の子供を対象に行った研究結果なので、一般化することはできません。

 つまり、血液型と性格との関係は現時点では仮説の域を出ていないといえます。ただ、血液型は脳内神経物質とも関係しているため、脳機能や構造に影響を与える可能性はあります。脳に影響があるなら、個々の性格にも血液型は関係するかもしれません。ですから今後、血液型と性格について、脳科学の視点から注目(実証)される日が来るかもしれません…。

※女性セブン2012年12月13日号

関連記事

トピックス

石破茂・首相の退陣を求めているのは誰か(時事通信フォト)
自民党内で広がる“石破おろし”の陰で暗躍する旧安倍派4人衆 大臣手形をバラ撒いて多数派工作、次期政権の“入閣リスト”も流れる事態に
週刊ポスト
1999年、夏の甲子園に出場した芸人・とにかく明るい安村(公式HPより)
【私と甲子園】1999年夏出場のとにかく明るい安村 雪が降りしきる母校のグラウンドで練習に明け暮れた日々「甲子園を目指すためだけに高校に通った」 
女性セブン
クマ外傷の専門書が出版された(画像はgetty image、右は中永氏提供)
《クマは鋭い爪と強い腕力で顔をえぐる》専門家が明かすクマ被害のあまりに壮絶な医療現場「顔面中央部を上唇にかけて剥ぎ取られ、鼻がとれた状態」
NEWSポストセブン
小島瑠璃子(時事通信フォト)
《亡き夫の“遺産”と向き合う》小島瑠璃子、サウナ事業を継ぎながら歩む「女性社長」「母」としての道…芸能界復帰にも“後ろ向きではない”との証言も
NEWSポストセブン
ジャーナリストの西谷格氏が新疆ウイグル自治区の様子をレポート(本人撮影)
《新疆ウイグル自治区潜入ルポ》現地の人が徹底的に避ける「強制収容所」の話題 ある女性は「夫は5年前に『学習するところ』に連れて行かれ亡くなりました」
週刊ポスト
会見で出場辞退を発表した広陵高校・堀正和校長
《海外でも”いじめスキャンダル”と波紋》広陵高校「説明会で質問なし」に見え隠れする「進路問題」 ”監督の思し召し”が進学先まで左右する強豪校の実態「有力大学の推薦枠は完全な椅子取りゲーム」 
NEWSポストセブン
起訴に関する言及を拒否した大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ハワイ高級リゾート開発を巡って訴えられる 通訳の次は代理人…サポートするはずの人物による“裏切りの連鎖” 
女性セブン
スキンヘッドで裸芸を得意とした井手らっきょさん
《僕、今は1人です》熊本移住7年の井手らっきょ(65)、長年連れ添った年上妻との離婚を告白「このまま何かあったら…」就寝時に不安になることも
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
《広陵高校、暴力問題で甲子園出場辞退》高校野球でのトラブル報告は「年間1000件以上」でも高野連は“あくまで受け身” 処分に消極的な体質が招いた最悪の結果 
女性セブン
お仏壇のはせがわ2代目しあわせ少女の
《おててのシワとシワを合わせて、な~む~》当時5歳の少女本人が明かしたCM出演オーディションを受けた意外な理由、思春期には「“仏壇”というあだ名で冷やかされ…」
NEWSポストセブン
広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト
薬物で何度も刑務所の中に入った田代まさし氏(68)
《志村けんさんのアドバイスも…》覚醒剤で逮捕5回の田代まさし氏、師匠・志村さんの努力によぎった絶望と「薬に近づいた瞬間」
NEWSポストセブン