芸能

淡路恵子 相次いで亡くなった2人の息子への辛い思いを告白

 バラエティー番組の“熟女枠”で再ブレイク中の女優・淡路恵子(79才)。20才のときにフィリピン人歌手のビンボー・ダナオさんと最初の結婚をし、2人の子供をもうけるも、離婚。その後、1966年に萬屋錦之介(享年64)と再婚し、さらに2人の子供をもうけた。

 しかし、1987年1月、錦之助さんとも離婚。4人の子供は淡路が引き取った。1990年には、映画『男はつらいよ 知床慕情』で21年ぶりに女優に復帰し、再スタートを切った。が、待ち受けていたのはさらに非情な現実だった。それは相次ぐ息子の死──。

 錦之助さんとの間に生まれた三男の晃廣さんは1990年7月、バイクで帰宅する途中、晃廣さんはタクシーと正面衝突。あっけなくこの世を去ってしまう。享年22、娘は2才になったばかりだった。淡路は晃廣さんの遺体の前で、離婚以来、3年半ぶりに錦之助さんと対面した。

「錦ちゃんは、言ったわ。“ぼくが死にたい…”って。錦ちゃんがかわいがってかわいがった子だから、そう言うのもわかるの。でもね、私は許せなかった。だから、言ってやった。“上等なこと言うんじゃないわよ。死んでいられるの? 3人の子がいて、嫁がいて、孫がいて、その子たちのために頑張らなくてどうするの!”って。…それが錦ちゃんに会った最後でした」

 それは錦之助さんと離婚して以降、ひたすら子供たちのために働いてきた自分自身への叱咤でもあったはずだ。実際、淡路には絶望に暮れている暇はなかった。

 当時まだ10代だった錦之助さんとの間の四男・哲史さんがこの頃から、アルコールに溺れ始めていた。6才のときに萬屋希之照の芸名で歌舞伎デビューした哲史さん。両親が離婚した頃から精神的に不安定になり、いじめを受けていたという。高校を中退し、フリーターのような生活を続け、酒を飲んでは暴れ、母・淡路に手を上げることもあった。

 2004年1月には、更生のために住み込みで働いていた京都の寺から、酒代ほしさに仏具を盗み逮捕された。懲役1年6月、執行猶予3年。しかし、それでは終わらなかった。同年5月、かつて一緒に住んでいた淡路の留守宅で金品を物色したところを逮捕されたのだ。

 これは淡路が、「親子だからと簡単に済むと思われては本人のためにならない。私が警察に何としても逮捕してくださいとお願いした」ことによるものだった。子供を警察に突き出す親のつらさはいかばかりだろうか。先の執行猶予が取り消され、1年半の刑に服した哲史さん。それでも出所後は、母の思いに応えるように、アルバイトを決め、自活の道を歩み始めていたという。この間、淡路は哲史さんとほとんど連絡をとらなかったといわれる。それもまた、息子の自立を願う母ならではの考えだったろう。

 ところが──。2010年6月、哲史さんが自宅アパートで首をつって死んでいるのが発見されてしまうのだ。享年37。彼がなぜ死を選んだかの詳細は、今もってわかっていない。当時の心境を淡路に改めて聞くと、

「こればかりは、そういう目に遭った人にしかわからない。他人にとやかく言うことじゃないわ。だから、言わないの。そのつらさというのは、体を粉砕するぐらいのストレスよ。戦争中でもないのに、男の子に次々と死なれるなんて」

 言葉少なにそれだけ言うと、「おしゃべりの私だけど、そのことに関しては、もう、しゃべらない」と、口を固くつぐんだ。

※女性セブン2013年1月24日号

関連記事

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト